第18話 〜 おじいちゃん?? 〜
「うおっほん…それでは本題じゃ。自分は皇安局最高顧問、平賀巌じゃ、短い付き合いになるかもしれんが宜しく」
勇は先程まで女性局員に「おじいちゃんはっ!」とか「まったく、歳をとっても変わらない」など散々情けない姿を見せられたので今更、最高顧問で「よろしく」と言われてもと思いながら聞いていた。
「山田勇局員候補、貴殿の能力測定と戦闘試験を本日ヒトマルサンマルより執り行う。集合は富士樹海ダンジョン第2層D演習場、E装備にて集合の事、解散」
「えっ?解散って、何処に集合か、まず時間がわからないのですが…」
「馬鹿モン!!上官に対して質問をする場合は、その場で挙手が最初だろうっ!」
勇は「ヒィ」と思いながら言われた通り右手を真っ直ぐに挙げた。
「ふん、良し。山田勇局員候補、発言を許可する」
「えっっと」
「えっっと、では無いっ!「ハイ」と返事をしてから発言をしろっ!そして、質問は完結に結論からだ」
「は、ハイ! 集合時間と集合場所がわかりません…」
最高顧問は勇の質問に何を聞いているのだと言う表情をした後、自身を「おじいちゃん」と呼んだ女性局員の方を驚愕の表情で見た。
「はぁー、全く。平賀最高顧問、貴方の先ほどまでの発言は局員候補である山田さんに使うには不適切です。また、私の報告も何も聞かずにこれから行う演習について指示をされないでください。演習前の面通しとご挨拶に伺っただけなのに、いきなり“命令”とかありえないです…」
「えぇぇー、それは…三葉ちゃん、それは先に言ってもらえないと…いや、何でも無い」
女性局員、三葉に睨まれ反論を途中で止めて下を向いてしまった最高顧問に同情をしてフォローをしようかと考えたが、三葉からの圧力が思ったより強かったので寸前で言葉を飲み込んだ。
「それでは、面通しはこれにて終了です。演習の説明などを行いますので退出します」
三葉は、大きな声で「失礼しました」と挨拶をした後、敬礼をし綺麗な回れ右をして最高顧問の部屋から出ていく。勇も見よう見まねで「失礼しました」と挨拶をした後に退出した。
最高顧問の部屋を出た後は、三葉の後をなるべく静かに付いて歩いて行く。格納庫?の入り口とは反対側に移動してモニターのあるパーティションで仕切られた会議スペースに案内された。
「山田局員候補、先ほどは大変失礼いたしました。最高顧問、いえ身内として祖父の発言に対して謝罪を致します」
三葉はそう言うと頭を90°まで下げて勇に謝罪をした。勇は平賀巌の発言に『お年寄りの中には、命令口調で話す方もいるよね』位にしか思っていなかったので、年上の女性である三葉に謝罪をされオロオロしていた。
「ふふ、山田さん。加恋従姉さんが言ってた通り少し変わっているわ」
「そうかなぁ?普通だと思いますが…?」
「普通の高校生なら、祖父の威圧込みの口調に萎縮するか、反発するわ。山田さんみたいに、それこそ普通に質問をするなんてありえないわ」
「そうかもしれないですね、俺、いえ僕のいた異世界は貴族制で戦闘力が低いのに権力をかざしてくる“おじさん”達が沢山いたので慣れてしまったのかもしれないです。あと、僕の事は“勇”って呼んでください。異世界に行ってから苗字で呼ばれれるのに慣れなくて…」
「勇くん、本当に変わっているわ。私の所属は2課だし、勇くんの上官でも無いから私も“三葉”で良いわよ」
勇は急に態度を温和に変えた三葉に戸惑いながら、「それでは三葉さんと呼ばせていただきます」と少し緊張しながら答えた。
それから、三葉はこれからのスケジュールを勇に説明をする。要約すると本日は能力測定、明日戦闘試験を行う。
本日行う、能力測定は測定とは名ばかりでトフルギアに日常の普通を理解してもらい、日本で自信の能力がどれだけ非常識なのかを体験する場らしい。
トフルギアの中には日常では、有り余る能力を制御できているが、感情が爆発した状態で一般人の手を払って腕を引きちぎった苦い経験があったらしく行い始めたらしい。
因みに測定した結果次第で対象が感情コントロールが出来ず能力を抑制出来ないと判断した場合は、日常生活に支障が出ない能力値まで下げる“デバフ”を行う魔道具の装備義務が発生するらしい。
明日の戦闘試験は、樹海ダンジョンのモンスターと実際に戦闘を行ない実際の戦闘力と戦闘スタイルなどを確認などをするとの事。
何か筆記試験とかさせられると考えていた勇は、説明を聞いた後心の中で胸を撫で下ろすのであった。
お読みいただきありがとうございます。
今作品は全て作者の妄想で出来ております。
現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。




