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第15話 〜 沼った? 〜

「良し、次が“ねこねこ”ちゃん達だ。ひよっこ、【身体強化】は出来るな?」


「はい、出来ますけど。それが?」


「【身体強化】で視力だけを10倍にして見ろ、コツは全身に行き渡っている強化の力を目に集中させるんだ」


(イサム)千里也(セリヤ)の指示通りに【身体強化】を発動させて強化の力を目に集中させる。しばらくすると身体中から強化の力が両目に集まってきて視力が強化される。


「おお、中々筋がいいな。以前にも視力の強化をしたことがあるのか?」


「はい、流石に視力の強化はなかったけど、足の筋力だけとか腕の筋力だけとかは練習したし、戦闘に使っていたから」


千里也は勇の回答を聞いて満足気に頷きにっこりと微笑んだ。勇はその微笑みに寒気を覚えた時、音楽が鳴り始める。


「おっ、始まったね。勇君、視力強化をした状態であまり体を動かすと酔っちゃうから慣れるまでは視線だけ気持ちゆっくり動かすんだよ」


(ユタカ)は、音楽に合わせて手拍子をしながら視力強化時の注意事項を勇に伝える。勇は「ありがとうございます」と言いながらステージ上を視線移動だけで確認をした。


会場のスクリーンには“ねこねこ”のメンバーの写真と名前が映し出されさながらプロフィール紹介の様だった。その中に千里也と裕のそれぞれの“推し”を見つけて勇は「この2人かぁ」と思った。


スクリーンに気を取られている内にメンバーが照明が落とされたステージ上に現れフォーメーション?を形作っていた。


音楽がなり終わるとチィチィチィとカウントが鳴る。カウント音がなり終わるとイントロ無しで歌い始め最初のフレーズを聞いた瞬間、勇は身体全体に衝撃を感じステージ上のメンバーから目が離せなり心を鷲掴みにされた。


▷▷▷

ライブが終わり勇達は夕食を食べる為にファミレスにいた。千里也と裕は先ほどのライブの感想を言い合いながらSNSにコメントを上げていた。


勇はまだ心此処に在らずなのか、惚けた表情のまま大人しく席に座っている。


「おい、ひよっこ? 気持ちは分かるがいつまでも惚けていないで注文をしないと帰れなくなるぞ?」


「あっ、は、はい」


勇は半分覚醒、半分夢心地のままテーブルの上のタブレットを操作してハンバーグセットを注文しタブレットを元の位置に戻すと目を見開き千里也達に詰め寄る勢いでしゃべり始める。


「あの子達はなんなんですか! 最近のアイドルは皆んなあの子達見たいに凄いのですかっ!」


「お、おぅ。落ち着け、そしてもう少し小さな声で話せ。周りの視線が痛い」


夕食時をとっくに過ぎたファミレスには、これから夜の街に繰り出す若者達でそこそこ咳が埋まっておりいきなり大きな声で喋り出した勇に注目が集まっていた。


勇は頭を掻きながら周囲に頭を下げ顔を赤くしながら席に座る。そして先ほどよりは若干抑えた声量で同じ質問を千里也と裕にし直した。


「なんなんだと問われれたら、半年前にオーディションで結成された10人組のアイドルグループと言う説明になるが…」


「そんな事、いえ、その辺も後でゆっくり教えてもらいたいけど。最初の曲はなんなんですか?アイドルってあんなに“覚悟”とか“人生を掛けて“とか今までアイドルに持っていたイメージと全然違うだけど」


「まあ、落ち着け。それにひよっこ?興奮してタメ語になっているぞ?俺らはチームだから良いけど他では気をつけろよ。

 今日の最初の曲は”ねこねこ“ちゃんのデビュー曲だ、オーディションの審査曲でもあって、ひよっこが感じたようにアイドルになる為の”覚悟“を問われた曲だったんだよ」


「…っ! あの曲がデビュー曲⁉︎デビュー曲って普通もっと華やかな笑顔で歌う曲がセオリーなんじゃ。いえ、曲はとても良いです、でも重い、へびーすぎません。そりゃ、ラテン調で華やかさもあったけど…」


「へぇー、勇君。なんだか評論家みたい。まぁ、確かにインパクトあるよね。でも僕はかっこよくて好きだけどね」


勇の感想に裕が少しビックリしながら言う。指摘された勇は少し照れながらも湧き上がる情熱を止められないのか言い続けた。


「2曲目だって、曲調も照明も明るくなって1曲目とは違くて皆んな笑顔で歌っていましたけど。アイドルに絶対になるんだという“覚悟”が伝わる曲でした…」


「「へぇー」」


勇の2曲目の感想を聞いて2人はとても満足そうににこやかに頷いている。


「そして、最後の曲は前の2曲とは全然違くて“アイドル”頑張るから皆んな応援してねって…あれは無理です。前の2曲の衝撃に打ちのめされている所にあんな輝く“笑顔”で歌われたら“推す”しか無いじゃ無いですかぁ!」


「「良しっ!、沼った!、お仲間ゲットっ!」」


笑顔で幸せそうに頭を抱える勇を見ながら2人はハイタッチで作戦の成功を讃えるのであった。

お読みいただきありがとうございます。

今作品は全て作者の妄想で出来ております。

現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。

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