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第14話 〜 推し? 〜

「さてと、それではここからは俺が仕切らせて貰おうかな。ひよっこ? お前には“推し“がいるか?」


先ほどとは打って変わり少し真面目な表情で千里也(セリヤ(イサム)に質問をしてくる。勇は何を突然と思いつつ正直に答えた。


「”推し“?ですか?好きな芸能人とかがいるか?と言う事ですか?…そうであれば特にこの人と言う女優さんとかタレントさんはいないけど?…」


「そう、そうか。それは良いことを聞いた。因みに今迄、アイドルに興味はなかったのかな?」


「えっ?…何か言い方が気味が悪いんだけど…AKB系にも、坂道系にも特に…まあ、可愛いと思う事はあったけど…”推し“とか迄は無いかな…それが?」


少し前のめりに近づいてくる千里也に対して勇は少しずつ後ろに下がりながら質問に答える。横目でチラリと(ユタカ)を見たが裕もニコニコ笑っているだけだった。


「よし、それでは今夜ライブがあるから一緒に行こう。うん、入場料とかは歓迎会を兼ねてだから心配しなくても良い。チケットも丁度1枚余っているからな。ふっふっふ」


「そ、そんな突然…俺、そろそろ帰らないと行けないし…」


今度は助けを求めるように加恋(カレン)を見たが、下を向いて頭を抱えていて助けてくれる素振りもない。


「そんな事は無いよね?今日は夜まで時間が取れると行っていたじゃないか。さぁ、出発しようかぁ!」


千里也に右腕をいつの間に近くに来ていた裕に左腕を抑えられ椅子から立たせられると勇はそのまま2人に連行されるように部屋から連れ出された。


2人の力は思った以上に強く、抵抗しようとしても直ぐに抑えられ外すことができなかった。途中、先ほども通った職員達の部屋を通ったが一様に目を伏せて、それだけではなく哀れみの視線を送っていた人達もいた。


勇は途中で抵抗を諦め2人に連れられるまま、車に乗りライブ会場まで移動してきた。移動中に2人の“推し”がいて、今から見にいく(会いに行く)アイドルグループについての説明がされた。


アイドルグループの名前は“猫の手ネコの手”と言い通称“ねこねこ”猫のように万人に愛され、多くの人々を招き入れるアイドルになる様に命名されたと説明された。


その中で、千里也の“推し”はブルー担当のひめちゃん。裕の”推し“はローズピンク担当のもなちゃんと笑顔で説明をしつつスマホで”推し“の写真を見せてくれた。


「勇はいままで何で”推し“がいなかったんだ?学校とかで話題になったりしただろうに…?」


千里也が車を運転しながらバックミラー越しに後部座席に座っている勇に聞いてきた。裕は助手席に座りスマホで駐車場を探している。


「うーん、確かに話題にはなったけど…周りが騒いでいると逆に冷めると言うか…一歩引いて見ていたから…それに…親父の影響で好きなアーティストが福山さんだったからアイドルの曲は…」


「ほぉ、アイドルの曲は?…」


「いやぁー、ねぇ、アイドルの曲はキャッチーだけど余り共感ができなかったからかな?」


勇は千里也の”アイドル“という言葉に強い怒気を感じ言葉を慎重に選びつつ回答をした。千里也がハンドルを強く握っているのかギシギシという音が聞こえてくる。


裕が千里也の様子に気づき「自分もそうだったじゃない」とか言いつつ宥めていた。勇は千里也のその態度を頬を引き攣らせながら見ていた。


▷▷▷

勇達がライブ会場に着くと既に開演されていた。何でも複数のアイドルグループが出演する形式のライブなので大体ひとグループ30分くらいの出番との事らしい。


全部を観るファンもいれば、目当てのアイドルグループだけを観にくるファンもいたりと出入りが激しいらい。


当然コアなファンは目当てのアイドルグループを観るために開演開始から前方の方で観るらしいが、千里也達の様に途中から参加組はどうしても後方の位置になる。


ライブ会場に入るとステージ上では”ねこねこ“とは別のアイドルグループが曲を披露していた。10数人のそのアイドルグループはとても楽しそうに歌い、客席向かって笑顔を振り撒いていた。ファンも色とりどりのペンライトを振って声を張り上げて応援をしている。


「おい、ひよっこ!そんな所で突っ立っていると邪魔になる。こっちに来い」


勇が入り口付近でライブ会場の雰囲気に圧倒されていると千里也が腕を掴んで最後列の壁際に移動した。


「千里也さん?もっと前で見なくて良いんですか?もう少しだけなら前に行けそうですが?」


今日のライブ会場はオールスタンディングで少しでも近くで見たいファン達が前の方に集まっていたが、千里也と裕はあえて最後列のもっと後ろに位置どっていた。


「良いんだよ。周りに同志達が居ると大きくペンライトを振れないだろう?それに俺達に距離は関係ない」


「そうそう、勇君。ちょっと準備するからこれ持ってて」


裕はキャンパスサイズのトートバックを勇に渡すとピンク色のはっぴを羽織り右手にピンクのペンライト、左手に”もなちゃん“と描かれた大きな団扇を装備した。


千里也も同じく”ひめちゃん“のメンバーカラーの青いはっぴを羽織り両手に青色のペンライトを装備していた。

お読みいただきありがとうございます。

今作品は全て作者の妄想で出来ております。

現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。

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