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第13話 〜 適応・対応能力 〜

(ユタカ)の言葉を反芻しながら(イサム)は下を向いて黙ってしまった。現代日本では正当防衛でも加害者の命を奪う行為は忌避される。


異世界に渡った当初勇もモンスターで自分の命を奪いに来ていると理解していても割り切れる物では無かった。


しかし異世界では襲ってくる相手の命を奪わないと自分を含め大切な仲間の命を失うと身にしみて体験してからは襲ってくる者の命を容赦なく“刈る”事ができる様になった。


「おいおい、だからさっきから言っているだろうに。“ひよっこ”をそんなにイジメるんじゃないって、辞められたらどうするんだ?」


「そ、そうだね。勇くん、気にしない方が良いよ。僕らトフルギアは異世界で生きる為に、生き残るために“適応、対応”して来たから帰還(戻って)来れたんだから。それに相手もトフルギアが大半だし同じ価値観だから…フォローになってない?」


裕は千里也(セリヤ)にツッコまれ口早にフォローをするが、最後の言葉については自身でもフォローになっていないと気付いたからか周りを見渡しそして俯いた。


「裕さん。気にしないでください。千里也さんの言う通り僕はこうなった事を後悔していません。それに、それに僕はちょっと安心しているんです。あなた達に出会えて、だって僕が暴走しても止めてもらえるでしょう?」


勇は落ち込む裕をフォローしつつ、自身に湧き上がっていた不思議な安心感について吐露した。勇は日本に戻ってきて以来、極端に感情を抑えて生活をしていた。


少しでも加減を謝れば物や大切な人々を傷つけてしまうからだ。半笑いでそう呟いた勇に千里也は立ち上がり近づくと頭を乱暴に撫でた。


「や、やめて下さい。俺は子供じゃない、肉体年齢は18才だけど精神年齢は23才なんだ!」


「23?まだ、まだ子供じゃ無いか?“ひよっこ”!そんなことより、ひよっこは進路とかどうなっているんだ?局員と大学生と2足の草鞋か?」


「俺は進学しません。家は片親で母親が病気で働けないので就職する予定でした。このご時世なので中々条件が合うところがなく、来週運送業の面接を申し込もうと思っていた所でした。それに元々勉強ができる方では無いので進学したくてもできませんでしたけど…」


「ひよっこ?お前、【異世界言語】とかのスキル持ってないの?」


勇が自身の家庭の事情や進路について説明をすると突然、千里也からスキルについて質問された。相手のスキルについての質問はタブーとされていたので答えるべきか悩んだが、勇は「あります」とだけ答えた。


「それじゃあ、問題ねぇよ。それにひよっこ、レベルカンストの能力値カンストって言ってたよな?だったら大学受験くらい簡単だぞ」


勇は千里也が何を言っているのか理解ができなかった。確かに【異世界言語】のスキルはあるしINTの能力値はカンストの255だ。


戻ってきて普通に学校の授業も受けているが特に以前と変わらず理解まで時間が掛かっていたからだ。


「加恋?ちょっと教えてやってくれ」


「もう、私忙しいんだけど。自分でやれば良いのに…勇君。【異世界言語】のスキルに意識を集中して…そのまま私がこれから話す事に答えて」


「はい…」


『Ah…先ほども確認しましたがもう一度、あなたの家族構成を教えてください?』


加恋が話した一言目は何か違く聞こえたがその後は日本語のままであった。勇は何を?と思いつつそのまま自身の家族構成について回答をする。


『あ、はい。母と妹と自分の3人家族です。父は半年前に他界しました』


『ich…私は平賀加恋ですが、こちらの男性の名前を覚えていますか?』


『えっ? 神崎千里也さんです。加恋さん何を聞いているのですか?』


『阿…それでは、こちらの男性の名前は?』


『もう…篠原裕さんです。なんなんですかこの質問?』


「はい、もう良いわ。今の質問だけど私は英語、ドイツ語、中国語で質問をしたのだけど勇君にはどの様に聞こえていた?私達はあなたが流暢にそれぞれの言語で回答しているのを聞いていたわ」


「えっ?えっ?一言目くらいは何か少し違和感があったけど全部日本語に聞こえたし、日本語で返事しましたよ⁈」


「あ〜、多分だけど。【異世界言語】のスキルがアクティブになってなかったんじゃねぇか?無意識に帰還(戻って)って来たからOFFにしていたんじゃないか?」


戸惑う勇の状態を千里也が推察する。確かに帰還してから言葉に関して意識をしていなかった。異世界では移動するたびに言語を理解すると考えていた様な事を思い出した。


「これで、英語、いや語学は問題ない。文字だって普通に読める。あとはINTを意識して勉強すれば直ぐに理解できるだろう?…っで障害は無くなったがどうする?」


勇はいきなり提示された大学進学という可能性に少し戸惑ったが直ぐに姿勢を直し進学しないことを伝えた。


「だって、給与の良い安定してた就職先きまりましたから」


勇がそう笑顔で答えると千里也達は「確かに」と言って笑い始めた。


お読みいただきありがとうございます。

今作品は全て作者の妄想で出来ております。

現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。

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