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第12話 〜業務内容?〜

1人でぶつぶつと思考の海に入り込みつつある加恋(カレン)(イサム)はおずおずと疑問をなげかける。勇の問いに対して加恋は一瞬“はっ”となり油の切れたロボットの首の様にぎこちなく勇の方をむく。


「…ごめんなさい。確かに何も説明をしていなかったわ。本来なら入局のオリエンテーションをするのだけど…まだ一昨日の事でバタバタしていて…」


加恋は小さく強く息を“ふっ”と吐いて佇まいを直し勇の方に向き直す。そしてゆっくりと落ち着いた雰囲気を出しつつ皇安局そして3課の仕事について説明をし始めた。


皇安局・・・平安の世に“トフルギア”であった安倍晴明(アベノセイメイ)が当時の天皇を守護する組織を作ったのが始まりとされている。以降、安倍晴明の血族や時代時代に見つかる“トフルギア”で構成され今日まで存続している。


江戸時代“トフルギア”の1人である平賀源内(ヒラガゲンナイ)が作った魔道具により、更なる組織力と攻撃力を得えて、今の皇安局となった。


ちなみに“トフルギア”の名称は平賀源内がオランダ語の帰還者:terugkeerderが訛って“トフルギア”となったと説明された。


役目は主に3つで日本の守護する天皇陛下、およびご家族の守護、“トフルギア”の管理と処理、そしてダンジョンの管理である。


「えっ?今、ダンジョンって言いました?」

加恋が説明した皇安局の3つ目の業務内容に勇は立ち上がりながら聞き直す。加恋は涼しい表情で「そうよ」と答えた。


「ちょっと待って下さい、なんで日本に“ダンジョン”なんてあるんですか?そんな情報今まで一度も聞いたことも見たこともないんですが??」


「当たり前よ、極秘事項だし。政府だって内閣総理大臣と防衛大臣しか知らない無い様だから。あっでも公安局のトップは知っているか…」


「そんな、馬鹿な⁈」


「勇君…あなたも“トフルギア”なら何で日本に妖怪伝説が多いか不思議に思わなかった?それも諸外国に比べてかなりリアリティがある形で伝えられていることに?」


加恋の問いに勇は一瞬息をのむ。確かに日本の妖怪伝説は異様というほど多いと感じていた。中でも鬼の伝説は多く、全てツノが穿いていて怪力…異世界にいた時、オーガーを見てこれが鬼かもと何度も感じた事だった。


「ちょっと待って下さい。100歩譲って妖怪とかの伝説が多いのは認めますが、だからと言って“ダンジョン”だなんて…そもそも何処にあるんですか?あんな物が近くにあったら大騒ぎじゃないですか?」


勇は納得しかけた加恋の指摘を大きく頭を振って思考から追い出し、ダンジョンがあったら騒ぎになると正論を並べた。


「そうね、普通の所にあったら大騒ぎね。だけど普通じゃ無いところで、日本人が意識的に近寄らない場所があるでしょう?日本には?」


「えっ?…日本人が意識的に近寄らない?……わからないです…」


「もう少し考える、疑う事が大事よ。何故か子供から大人、老人まで同一の意識を刷り込まれる日本最大のミステリーゾーン、富士の樹海よ」


加恋の答えに勇は「あゝ」と納得してしまった。確かに小学生の時から世界遺産富士山の近くに有りながら、数々の怪談やミステリー話で近づいてはならないと刷り込まれている。


そして、この現代においても内部調査がされたとも聞かない。親達の世代ではテレビなどが夏休み時期になると”富士の樹海特集“などがあったとも聞くが、それも聞かなくなったと友達の親が話していたのを記憶していた。


「ダンジョンではね、銃器が使えないのよ。それに【レベル制】の人間以外が入ってもゴブリン程度なら何とか倒せるんだけど、オークになると歯が立たないのよ。まあ、ダンジョンの外に出れば銃器も使えるからスタンピートが起きるたびに自衛隊がなんとかしているんだけどね」


とんでもない事をあっけらかんと話す加恋を口を開けるのを忘れて勇は見つめていた。


「おいおい、あんまりひよっこに最初から情報を渡しすぎるとオーバーフローしちまうぞ」


「そうだけど、現実を認識してもらわないとこの先何か会った時に面倒じゃない? まあ、詳細は来週のオリエンテーションでもう一度聞いてね。まあ、3課は主に“トフルギア”の勧誘と処分が主な役割だからダンジョンにいきなり突入は無いから安心して」


「勧誘はわかりますが、処分って?」


「あれ?裕?この子、一昨日の現場にいたのでしょう?」


「居ましたけどね…勇君。君や僕らはこの世界では異常なんだよ。簡単に言うとウィルス見たいな感じかな?だから大人しく僕らに協力してくれるなら良いだけど、反抗されたら倒すしか無いんだ」


「そんなの…殺人じゃ…」


「殺人じゃ無いよ、真っ当な正当防衛だよ。君だって一昨日の夜、躊躇なくアイツの腕を切り落としたじゃない?」


「それは、妹の身が危なかったからで…」


「そう、だから正当防衛と言っている。それに敵意を持っていたら勇君?躊躇なく相手の命を刈り取れるでしょう?」


裕にそう指摘され、勇は何も言えなくなってしまった。異世界から戻ってから今までに1番に違和感を持っていた内容だったからだ。


『そう、俺は人を殺せる…』

お読みいただきありがとうございます。

今作品は全て作者の妄想で出来ております。

現実の言葉、人物、団体、組織などなどは、一切関係がございません。ご了承の上お読み頂けますと幸いです。

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