鴨鍋おいしい
大変お久しぶりです、生きてます。
新興宗教についての話題を見ていて思いつきましたとです。
初の現代ものですが…ほぼ会話文だし、これ小説でいいのか?とも思いましたが書けたので上げてみました。というかジャンルこれでいいんだろうか…?
出てくる団体は主人公?の基督教系新興宗教はじめ架空のものです。なので色々「?」と思われるところもあると思いますし、実際はこんな風にはいかないでしょうが、フィクションということで緩くご笑覧いただければ幸いです。
「すみません、ちょっとよろしいですか? こちらのわかりやすい新しい私共の聖書で貴方も神様の事を理解してみま――」
「ほほう、お若いのに今時敬虔な方だ。新しい聖書を作ってより理解を深めようなんて勉強熱心で素晴らしい事です!」
「え、あ、ありがとうございま……」
「ところで、現在世界中で読まれている聖書の原典が何語で書かれてたかご存知ですか?ヘブライ語なんです。一部アラム語もありますが、ああ、それはいったん置いておきましょう。」
「は、はあ……」
「そして、印刷機などなかった昔は写本でコツコツ書き写して本を増やしていました。しかしなにしろ人間のする事ですからミスもあれば人や時代によって解釈が変わることもあります。更に言語が変わるとなれば翻訳ミスや無い言葉の置き換えなどでまた変化する訳です。それもその国、その時代の人々の考えや言葉の変化を知る大変貴重な資料にもなりますが、しかし!それはそれとして大本の聖書を直接読んで、最も純粋な信仰の形に直接触れてみたいと思いませんか?日本人にとってヘブライ語はあまり馴染みが無いかもしれませんが、ええ、勉強熱心で信仰の篤い貴方ならきっと大丈夫ですとも!」
「え、あの……」
「そうは言ってもヘブライ語なんて何処で学んだらいいのかと思うでしょう?奇遇ですが、この近くの〇△大学でヘブライ語を学ぶ考古学のゼミがありましてね。少人数の気軽なものなので学生でなくとも希望すれば誰でも参加できまるんです。いや、実は大学の事務の方に知り合いがおりまして貴方ほどの勉強熱心なしっかりした方なら大歓迎です!」
「あ、いえ、俺は……」
「なんと紹介があれば初回は受講費も無しで大丈夫なんです!お得でしょう?この後お時間ありますか?今からちょっとだけ覗いて、雰囲気を見るだけでもいかがでしょう?いや、本当に直ぐそこでして、ああ、そういえば今日は差し入れに沢山いただいたアイスを配るんでした。いや、有難いんですがゼミ生が少ないもので随分余ってしまって、まあ人助けだと思って!」
「えっ、ちょ、待っ!」
「そうだ、私とした事が大事な事を忘れて!アレルギーはありますか?」
「は、いえ、特には……」
「それは良かった!では行きましょうか。本当にすぐそこなので、ええ、リラックスしてお気軽に!」
「え、でも俺、えっ、あ、あのっ……!」
気が付いたら〇△大学に入り直し、ヘブライ語を選択してとある考古学のゼミに入っていた。
教授はあの時俺が声をかけた男性だった。
……………………あれ?
俺は一体……そうだ!修行を、精霊魂のステージを上げる為に迷える羊を教会に導いて、お金を集めて天堂の金貨を積ま
ガララッ!
「皆さん、朗報です! 〇〇国の発掘プロジェクト参加申請が通りましたよ!」
えっ!?
「マジすか?!」
「すごい!本当ですか教授!」
「夢みたい!」
えっ!本当に?!〇〇国は入国審査も厳しいし、プロジェクトだって一流のチームがメインで参加してるって……うわあ、嘘じゃないよな?こんなことって……!
「日程はいつですか?」
「今日19時丁度のフライトです!」
…………………………………………はああ????!!!
ちょっ、今日?今日って?! き、着替えとか、あ、研究棟に置きっぱなしだった。トランクも前回の東北での学会にお供した時のがそのまま……あれ?そういや、ここ1か月まともに家に帰ってない気が……いや、その前に俺
「ああ、皆さんのパスポートはここにあるから心配いりませんよ!」
えっ、なんで?!
俺、そもそもパスポート取った覚えないんですけど?!
「足りないものは途中で買いますから、ある荷物だけ纏めて集合してください。全員揃い次第出発します。ではまた後で!」
「「「はーい!」」」
ちょっ、教授待っ! あ、19時のフライトだとここから……途中買い物によるなら、ええと……うわあと30分で集合しないと?!急がなきゃ!
「ほう、〇〇国の発掘調査に?」
「いやあXX教授のところは人数こそ多くは無いですがアクティブですなあ。」
「うちなど最近は生徒を集めるのも一苦労で……いやはや、見習いませんとなぁ。」
「ところで、ゼミ生の半分がもと基督教系新興宗教の勧誘員だというのは本当なのですか?」
「ああ、XX教授は一見大人しそうな普通のおじさんに見えますから。割とよく声をかけられるらしいですよ。」
「純朴で真面目な若者が多いとかでホクホクしてましたな。」
「ハハハ、そうですな、XX教授はあれでなかなか……いやいや、熱心で優秀な研究者であることは違いないですがな。」
「……………………。」
「? どうなさいました、古典サンスクリットの△△教授。」
「いえ、その………………仏教系の新興宗教ならうちのゼミもイケますかね?」
「△△教授、それは――――――ふむ、ナチュラル系なら上手く誘導して自然科学から脊椎動物の……」
「なるほど、スピリチュアル系なら形而上学に引き込むのも……」
「なあ、あそこに固まってるのって教授達?だよな?」
「しっ! あれがうち名物【各分野でも著名なのにクセ強すぎて生徒逃げまくり教授達の会】だ。」
「逃げずに残ってるのはネギ背負った鴨か各教授と似たり寄ったりの奴らばっかりで、ゼミはクセの煮凝りみたいになってるらしいぞ。」
「目を合わせちゃダメだ。目を合わせたらゼミに引きずり込まれるぞ!」
このあと各ゼミは真面目な生徒をそこそこの数定期的にGetできるようになりました。
めでたしめでたしw