表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

決して敵わぬ恋敵

作者: 袋小路

ルカが死んだ。いや、この場合私が殺したというほうが正しいのかもしれない。正直目障りだった。彼の愛は、妻である私には決して届くことはなく、ルカにそのすべてが注がれていた。だから殺してやった。この泥棒猫を。ルカの腸は破かれ、見るも無惨な状態だ。私は笑みを浮かべる。この女を殺すことは容易だった。何しろ抵抗もしないし声もあげなかったからだ。ルカは本当に隙だらけだった。しかしもちろん、彼には私がこの女を殺したことは気づかれてしまうだろう。もうすぐ彼が帰ってくるのだから。けれども、私は罰を受ける気はない。きっと彼を懐柔してみせる。さぁ、彼はこの惨状を見た時どのような顔をするだろうか。絶望するだろうか。激昂するだろうか。いや、私をよりいっそう愛しく思うに違いない。


しかしながら、私の想いは叶わなかった。

彼はミクという新しい女を連れて帰ってきた。


それは、ルカと同じ素材でできた、「初音ミク」という抱き枕だった。

叙述トリックの短編です。お楽しみいただけましたのなら幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ