この国の秘め事 後編
「東塔タワー、近づいてきた!」
末恵と武仁は梅吉と同じ、黒子の衣装に身を包んでいた。
トイレから中々戻らない梅吉達を心配し探しに来てくれた慧斗が、衣裳部屋に末恵と武仁が閉じ込められてるのを見つけた時には、既に二人は着替えを済ませていた。
今は慧斗の運転する運搬トラックの荷台で梅吉を追いかける事に必死でいきり立っている。
「まったく!私たちを置いてって!絶対許さないからね!」
「梅吉に何を支払ってもらおうか?楽しみだなぁ。」
トラックの荷台で声を荒げる末恵と、声を潜める武仁に運転席の慧斗が楽し気に鼻歌を歌った。
「あれ?ウメじゃないか?」
武仁がメガネの奥の目を凝らす。
末恵は運転席の背に立ったまま凭れかかり武仁のさした方を凝視すると、小さく蠢く影があった。
東塔タワーの青い鉄工中腹に見える小さな人影。
梅吉はエレベーターの墜落を逃れ、外壁の鉄工の端に片手で掴まっていた。
「大変!梅ちゃんが落ちちゃう!」
末恵が声を上げると、急ブレーキで乗っていた車が止まった。
「「ぎゃああ!?」」
末恵と武仁が後ろに転倒する。
「後は走れ!」
慧斗はそう言うと、3メートルの大鷲に変化し、東塔タワーにぶら下がってる梅吉目掛けて飛んでいった。
転倒し身を屈める末恵と武仁の衣服の中でバイブ音が鳴った。
「あれ?切ってるハズなのに…」
末恵がスマホを取り出すと、画面には真ん丸のお月さまと東京タワーが映っていた。
武仁も自分のスマホを見た。
月の下を雲が潜っていくのと同時に曲のイントロが流れる。
「…不味い!」
武仁は自分のスマホを車の外に投げ捨てた。
武仁のスマホはコンクリートの地面に叩きつけられ、画面が派手な音をたてて割れる。
「きゃああああ!」
「「キャアアアアアアア!」」
末恵のスマホから二体の青い妖精が出てきた。
武仁はすぐさま末恵の手からスマホを奪い、床に叩き付け妖精と一緒に足で踏みつぶした。
「キャアアアアアア!」
一匹は逃げおおせ、夜空に飛び去ってしまう。
武仁は末恵の手を取り、車の荷台から降りると、東塔タワーに向い立った。
見上げると、タワーの鉄工の端で覚束なくバタついていた梅吉の足を、大鷲になった慧斗がすくい上げ、浮上するのが見えた。
「アンタ慧斗さんか!?」
梅吉が大鷲の背中にしがみ付く。
「…真っ暗の中で照明も無いのに、オレの後をついて来てたな!」
大鷲に化けた慧斗が翼を広げながら次に乗る風を探し降下した。
「あの時、お前が常人で無い事に気が付けば良かった。」
「おりないで!お願い!」
「降りない為に下りてんの。」
悲し気に吐いてから、梅吉が開けたであろう割れたガラスの中からタワー内に入った。
そこは既にエレベーターが落ちた後の縦長の空の空間になっている。
慧斗化け狸の姿に戻り、エレベーターの扉に手を掛けた。
(おれを連れ戻しに来たわけでは無さそうだ。)
梅吉も反対側から引っ張った。
そうして梅吉と慧斗がエレベーターの扉と格闘してる間に、武仁と末恵が東塔タワー前に辿り着いた。
東塔タワーの扉を目の前にして武仁が末恵に尋ねる。
「ねぇ、本当に行く?」
「武君一人で行くつもり?」
「末恵は女だから」
「男女差別」
「俺は女尊男卑思想者なんだ。」
「…東塔タワーから感じていた妖精達の邪気が著しく減ってるの…。」
「…そうか。」
武仁が一歩踏み込むと自動ドアが開いた。
末恵もそれに続く。
末恵と武仁が一階フロアに入ると、獣たちに食い千切られた肉片が床一面に散っるのを目にし、思わず鼻を覆った。
「どうやら、青い妖精たちの言霊のトゲは、もともと言語文化を持たない動物達には効かなかったようだね。何でここに動物たちがいるのかは分からないけど、きっと俺たちの敵じゃないやつだ。」
武仁が腕を組み、冷静に考察する。
末恵はその横で黙って手を合わせていた。
「末恵、ここ以外に妖精はもういない?」
末恵は顔を上げ武仁と視線を合わせてから、また目を閉じ耳を済ませ気配に集中した。
「小さい子たちは…いない。さっきまでフードコートやゲームセンターにいたみたいだけど…今は大きいのが二体だけ…上にいる。」
「そうか…、」
武仁は手を顎を当てた。
普段は人間に飼われている動物たちは既に役目を終え、武仁達の横をすり抜け、飼い主の元へ帰るなりしていた。
一匹のフレンチブルドックが帰り際、末恵の足元に擦り寄った。
「白太。」
似ていたけれど、末恵の愛犬の白太ではなかった。
去って行ったフレンチブルドックは、お尻に黒いハート形のブチがあったからだ。
はぁ、と溜息を付き、獣たちの帰りを振り向いて見送ると、ドアの向こうからパトカーがサイレンを鳴らしながら猛スピードでこちらへ来るのが見えた。
「君たちー!何してんのー!勝手な事しないで!」
九条刑事が車窓から顔を出し、メガホンで叫んでいる。
「ひぃ!追い詰められた犯人てこんな気持ちなの!」
末恵が目を点にして両握りこぶしを顎に当てた。
「行こう、末恵!ここまで来て掴まるのは何か癪だ。」
二人は床に散らばった妖精の肉片と、動物達を避けながら、非常階段を見つけ登って行った。
「お~の~れ~!どうしてどいつもこいつもこの非常時に身勝手な行動を取るんだ!」
「はははははははは。」
実は慧斗は他の仲間たちには何も告げず、資材運搬用のトラックを拝借して末恵と武仁を連れ出して着ていた。
激怒して狐顔になる九条刑事を見て、助手席の徳人が呑気そうに笑う。
「おい!慧斗はお前さんのとこの監督不行き届きだぞ!分かってんのかこのアホ狸!」
「アイツ昔から自分の気分で動くからさぁ」
「笑い事じゃないんやど!」
徳人は九条刑事の苦情に、微笑んだまま眉間にシワを寄せ、手の平を宙に向ける。
「あぁ、胃がきりきりするぅ」
恩途が助手席で顔を青くし腹部を撫でた。
助手席は白雪と黒井も乗車し三人乗りでぎゅうぎゅう詰めだ。
九条刑事は徳人の鼻先に自分の鼻先をくっつけ両眼を光らた。
一方徳人は眉間にシワを寄せやはりにんまり笑ったまま、腕を組んでいた。
「おや?」
徳人は一番にパトカーから降り、東塔タワーを見上げた。
「どうしたんだよ?」
恩途が慌てて徳人の背に続く。
「小さな妖精達の気配がないな。」
そう呟いて、徳人は自分のスマホを開いた。
既に武仁と同じ様に対処し、妖精の出現を防いだため、画面はぼろぼろだ。
「あんたたちも降りてくれ。」
九条刑事に言われ、パトカーの後部座席から白雪と黒井が降りてきた。
「輝夜はここにいるの?」
白雪が男達に尋ねた。
「…いるよ。会場ぶっ壊して飛んでった奴の気配だ。今はタワー最上階にいる。」
「電波塔の施設を使って、歌を流してるんだな。」
徳人が白雪に答えて、恩途が説明を補足した。
「きっと、タワー内最上部の電波送受信施設から曲を流してるのね。」
恩途が耳を立ててタワー内に入って行った。
「うわ!?」
中で口ちぎられた妖精たちを見て、恩途は後ろにひっくり返り、地蔵に化けて手を合わせた。
「白雪、騙したらシバくぞ?」
怒気の籠った声で言ってから、九条刑事が手だけキツネに変化させ、その鋭い爪先で白雪の腕の拘束を絶った。
「どういう結果になっても、殺してくれて構わない。こうなったのは私の責任だから。」
そう言うと、白雪は普段走り込んだ足で、中へ踏み込んでいった。
必死で経を唱えながら、両手を擦り合わせる恩途の横をすり抜けて。
非常階段を見つけると、まっすぐそこへ突き進む。足先に肉片の踏みごたえを感じては、ごめんと思いながら。
黒井が妖精の残骸を避けながらその後に続く。
「何であなたまで!来ないで下さい!」
白雪は意図的に声に洗脳の音波を込めた。
後に続いていた九条刑事が一瞬思考を手放し、一歩下がる程。
「私にはアンタが責任を取るところを見届ける義務がある!」
声の大きさに一瞬肩を上げたものの、黒井は怯まなかった。
「ねぇ、何で黒井さんには、君の洗脳ボイス効かないの?」
九条刑事が後ろから問いかけた。
「我が強くて協調性の無いマイペースな人は、普段から他者に迎合できないから、洗脳しにくいんですよ!」
「あはははは!」
言い捨てて走って行く白雪の後ろで黒井が声を上げて笑った。
「え?じゃあおれも…。まぁ確かにな。」
九条刑事は今はそっと自分の好奇心を胸に仕舞い、タワーのてっぺんを目指した。
★★★★★
「先に行ってくれ、変化し過ぎた…。」
エレベーターのドアを開いた慧斗はぜぇぜぇ言いながら床にへばり込んだ。
途端に縮こまり、普通の狸の身体になる。
「…ありがとうございます。」
梅吉は一人階段を駆け上がり、特別展望台まで辿り着いた。
特別展望台の中央に、電波送信施設はあった。
中では先刻東風が食い散らかした従業員達の遺体が床に転がっている。
施設内はガラス張りの天井の高い部屋で、レコーディング室のようになっており、東風はコントロールルームでヘッドホンをし、輝夜はボーカルブースで歌を歌っていた。
梅吉は勢いよくドアを開けると、東風に飛び掛かった。
東風は攻撃を交わし、後ろの壁に背をあづける。
「生きてたのか!?」
梅吉は何も言わず、身体ごとまた東風に突進する。
東風は付けていたヘッドホンの有線をプチンの外し、音量のダイヤルを右に傾けた。
「うわっ!?」
音の大きさで部屋が揺れてるようだった。
梅吉は酷い頭痛がして両耳に手を当て床にうずくまる。
「ぐっ!?うえ…」
死んで血まみれの従業員の遺体と沿う形になり、開いたままの目と目が合って、顔を顰めた。
「はははははははははははは!良い歌だろ!?今この歌が全国に流れてるんだ!」
天井部は、液晶画面になっており、全国各地の様子が映っていた。
人々が青い妖精から逃げ惑っている。
ある場所では交通事故が。
ある場所では暴動が。
ある場所では火災が起こっていた。
「あの自我の無い妖精たちは人間の邪気に反応するんだ!邪悪で身勝手なんだよ!この国の人間どもはな!?」
東風は倒れる梅吉の足の関節を踏みつぶした。
「ぎゃああああ!?」
梅吉の口から泡が飛び出る。
下唇を噛んで、必死に東風を睨み付けた。
「…そんな人だけじゃないだろ?」
「そうだなぁ、余裕があればな?たまには誰でも他人にも優しく出来るけど、でもそれは本性じゃない。お前だって知ってんだろ?」
東風はしゃがみ込んで、梅吉の前髪を左手で引っ張った。
「自分がどうにも出来ない事には、手を出さないどころか、知らんぷりして無視をする。いや、それだけじゃない。正義感ぶって被害者加害者掛からわず、起こった物事自体を否定する。本当の事も、本人たちの気持も本当はどうでもいい癖に。」
東風は右手に電気の稲妻を起し球状にした。
「神様がこの国の人間を裁かないなら!俺が人として人を裁いてやる!!」
東風は手にした稲妻を振り上げた。
「ぐっ、ぎゃあああああああ!」
叫んだのは東風だった。
振り上げた手に狸の慧斗が噛みつき、梅吉への攻撃を阻んだ。
バシン!
慧斗は稲妻と一緒に思い切り鉄の壁に叩きつけられた。
獣の身体中から電気が飛び散り、慧斗の身体が壁に貼り付いたまま痙攣する。
「慧斗さん!」
「うめ…」
梅吉は咽喉から血の味が込み上げた。
慧斗の小さな身体は床に落ちた。
歌を歌っていた輝夜が何かを気取り、歌うのを止め振り返る。
「慧斗さん!」
慧斗に駆け寄ろうとした梅吉のみぞおちを東風が片膝で蹴とばす。
「ぐっっ!」
骨が折れる音がし、呼吸が阻まれ、床に手をついて身唾液を吐いた。
東風が慧斗の小さな狸の首を片手で持ち上げ顔を覗き込む。
「何だお前、喋る狸なのか?」
「はぁ、はぁ…」
慧斗首を締め上げられたまま、小さな目を2回瞬かせた。
東風が意図せず自分の耳を慧斗に傾ける。
「…はぁはぁお前、もともと居なかったみたいに扱われたんだな。」
東風が目を丸くし硬直した。
「開発で森を追われた俺たちの親たちと一緒だ…」
慧斗の口先が震えている。
「…可哀想に、可哀想にな。」
東風は慧斗の小さな身体を床に叩きつけ踏みつけた。
室内に流れる大音量に、慧斗の断末魔さへかき消される。
「うわああああああああああああああ!?」
梅吉は激しい頭痛を振り切り、東風に大きな爪を振りかざした。
しかし東風は羽で、天井に飛び上がり梅吉と距離を取る。
そして後ろに回り込み、施設内の外へ逃げていく。
「あははははははははははは!」
高笑いをしながら特別展望台を悠々と青い羽で飛び回る。
「くそっ!」
梅吉は四つ這いで壁に張り付きよじ登って、必死で天井を飛ぶ東風を掴まえようとする。
「ほーらこっち、こっち!手のなるほーへ!」
東風が両手を叩いて、梅吉を挑発する。
その度に梅吉は大きな爪を振りかざし、飛び掛かった。
ばりんばりんばりん!
分厚い強化ガラスが派手な音を立てながら散っていく。
「ざぁーんねん!はーずれ。」
「このっ!」
東風がまた壁際に梅吉を誘いこみ、不敵に口端を上げたその時、突然全ての照明がぱたりと消えた。
「がっあっ!?」
飛び回っていた東風の身体が停電と同時に、床に叩きつけられた。
塔内の照明が消えた理由は、管理施設に入った徳人と恩途がタワー内のき緊急用電気を強制的に落とした為だ。
「おれに会いに来てくれてありがとう…兄さん。」
梅吉は床に叩きつけられた東風に馬乗りになり、長く伸ばした獣の爪を突き立て、頭部を引きちぎり粉砕した。
「キャアアアアアアアアアアアア!?」
分厚いガラス越しに、東風が倒されるのを見咎め、輝夜が叫ぶ。
梅吉はすくっと立ち上がり、ガラス越しの輝夜に向って真っ直ぐに立った。
がしゃんがしゃんがしゃん!
輝夜の叫んだ声の音波で、ボーカルブースの外壁が崩れた。
「タスケテ、タスケテ、…オネエチャン。」
輝夜は梅吉を襲ってこなかった。
それどころか何が起こったのか分からず、混乱した様子で、そこから慌てふためきながら外へ出でて、ふわふわ揺らめきながら、梅吉に背を向け逃げていく。
(まるで、叩かれてまだ生きてる蚊みたいだ。)
「…お前みたいな女知ってる。身内にしか攻撃できないんだよな。」
梅吉は慌てず輝夜に歩み寄った。
停電し真っ暗になっている特別展望台の中を、ゆらゆら揺らめきながら徘徊する輝夜を追う。
何も見えない中、輝夜の足は自然と風が流れて来る方へ向いた。
「あ、おいっ」
「イヤ!」
梅吉が距離を積め、一瞬輝夜の腕に降れた。
輝夜は驚き駆け足で逃げる。
そして落ちた。梅吉が中へ入るのに壊した、割れたガラス窓の穴から。
輝夜の身体が下へ落ちる。
落下途中、ガラス越しに輝夜と白雪の目が合った。
白雪は非常用階段を登っている途中だった。
べちゃん!
白雪の身体はコンクリートの地面に叩きつけらればらばらになった。
末恵と武仁が非常階段から特別展望台へ辿り着くと、梅吉が送受信施設からぼろぼろになった小動物の慧斗を抱え、出入り口から出てきたところだった。
「そうか、終わったんだな。」
九条刑事が後から追いついて来た。
「まだ終わってない。」
白雪が九条刑事の横をすり抜け表面のガラスが滅茶苦茶になった電波送受信施設へ入って行った。
「そいつ、生きてんのか?」
九条刑事が狐の鼻先を梅吉の腕の中にいる慧斗に近づける。
「…呼吸が浅いよ。」
梅吉が生唾を飲んだ。
末恵は急いで、でも丁寧に慧斗を自分の膝に引き寄せ、温かい浄化の気を両手から贈った。
「…生傷はどうにもならないけど、正氣を足してあげられるハズ。」
梅吉と武仁は末恵の両側に立ち見守った。
「俺、管理室にいる徳人達に電気を復旧するよう伝えてくる。」
電波送受信施設から出てきた九条刑事はそう言ってからカラスの姿に化けると、もと来た階段を猛スピードで下った。
三十分後、東塔タワーの電気が再び点いた。
その復旧作業の間に、舞踏館で経を唱えていた化人協会の数名が、状況の変化を察知し東塔タワー付近までやって来ていた。
既に満月は姿を小さくし、太陽が東の地平線の向こうで、今にも姿を表そうとしている。
「はぁはぁ」
やっとそこで黒井も特別展望台に辿りついた。
ボーカルブースのバラバラになったガラス越しに、黒井と白雪は目を合わせ、小さく微笑み合う。
「全国に散らばった妖精達!今すぐ東塔タワーの周りに集まりなさい!」
白雪がマイクに向ってそう叫ぶと、東塔タワーの周りに無数の小さな青い光が現れた。
妖精達は甲高い声で笑いながら、塔の側面に添って螺旋を描き、きらきらサファイアの様に瞬いている。
そして次の瞬間、下から上へ青が真赤に染まっていった。
大きな狐の姿をした真赤な紅蓮の炎が青い妖精達の描いた螺旋を電光石火で駆け上がり、飲み込んでいく。
狐が青い螺旋を通った後には、炎の中で黒く焦げた物体が、甲高い音波を鳴らしながら、下へ下へ落ちて行った。
狐の炎は一番先まで上りつめると、ふっと空中に消えてしまう。
タワーの外に出て様子を見ていた徳人は大きな如来に化け、焼け焦げ落ちていく妖精たちに、片手を差し伸べ、そこから息を吹きかけた。
すると妖精達はきらきら光る白金色の梅の花の炎に包まれ、次にはぱんぱんと、小刻み良い音を立て花火になって破裂し、ぱらぱら火花となって散って消えた。
後は朝日に照らされ白く輝き、さらさらと宙に舞うだけ。
離れた場所で様子を見ていた化人協会の面々は、妖精達が散り散りになると、タワーの周りを囲み、地蔵に化け手を合わせた。
「浮かばれておくれ、何も出来なくてごめんよ。」
九条刑事は化人協会の仲間たちが地蔵の姿で塔を囲むのを見下ろしてから、塔の外壁の通路の上に仰向けに倒れ、意識を手放した。
化人協会の狸のアイドルトリオはただ主人公の都合に合わせただけのモブにしたく無かったので、裏設定を色々組み込みました。またプロの声優さんの声を聴いてイメージして書きました(●´ω`●)
良かったらご覧ください。
徳人(CV日野聡)
行動理念:仲間への忠誠心(いつも最高にかっこよく場を仕切りたい)
「かっこいい!」を地で体現するアイドル三人組のリーダー。アメリア合唱国サフランシスコ生れ。
日本ファンのアメリア人だった父が日本旅行中、化け狸の徳人の母に一目ぼれし、母国へ誘拐。
徳人は幼い頃はアメリアで育つも、母が徳人の将来を考え、同じ化け狸のいる日和の国へ帰国。
東塔の端の端、都内とは言い難い田舎の日蘇で恩途や慧斗達と育つ。
アメリアで自分が化け狸である事で疎外感を感じていたので、自分と同じ体質の者が多い化人協会まは日蘇や恩途、慧斗にとても執着している。
恩途(CV近藤孝行)
行動理念:献身・庇護(天性の苦労人気質)
東塔日蘇生れ。下に双子の兄弟がいる。
父は高卒のタクシー運転手。母が化け狸で、タクシー内で眠ってしまい正体がばれてしまう。
父のタクシーの整備を良く手伝っていたので、車が好き。
車を見ただけで、何時のどこのメーカーか分かる。
徳人という名君主とトリックスターな慧斗の間で何時も四苦八苦している。
本当はトリオの中で一番イケメンなのだが、何時も二人のフォローに回るため、知名度と人気は一番低い。
どちらかというと職人気質。
慧斗(CV小野大輔)
行動理念:先だって場を盛り上げるオレ超イケてる。
茶目っ気トリックスター。誰よりも愛嬌があり、天性のアイドル体質。
父親が化け狸でタクシードライバーだった。
小さい頃何度か一緒に乗せてもらった事があり、そこで聞いていたラジオ番組が今も好きで、何時か自分も自分のラジオ番組を持ちたいと思っている。
兄弟が本人合わせ7人。慧斗は下から2番目で自己主張は強めに育った。
美意識と狂気の間をいったり来たりしているので自由人に見える。
実際は空気を読み過ぎる性格で落ち着きがなく、本人は自分を自由人とは思っていない。けど自由人。
香取慎吾君見たいな感じ。
目がくりくりして、常に口端が上がっている。




