火種を取り上げる方法
露帝国と米国から同一の文書が届いた、
内容は、フリーダムの独立を認めない・・・単純だった。
然し、
時間稼ぎなのか? 最大限の妥協なのか?
両国としては腰の低いとも思える代案が書かれていた。
「流石は流人様がお認めになった国、
批判だけでなく、ちゃんと代案を提示して来ましたか(笑)」
「・・・」
「慌ててはいけませんよ(笑) 内容はですね・・・」
クロウが代案を僕達に説明する・・・。
一つ、フリーダム支援の為、両国は最大限の協力をおしまない。
一つ、太平洋地域の管理をフリーダムに委任する事を認める。
一つ、毎年、協力する意思表示として合同訓練を当地域で行う事を認める。
一つ、フリーダムの行動に関しては、
許容範囲以内なら軍事行動も含めて容認する。
「軍事行動を容認するですか? 笑えますね♪♪」
「「「(笑)」」」
大国として建前でも管理下に置きたいと言うプライド、
予想した通りと笑うクロウは、大国、特に米国に哀れみさえ感じている。
「最大限の協力ですか(笑) それでは火種を貸していただきましょうかね♪♪」
クロウの言う火種とは、日◯が所有している尖閣地域、
この地域の海底には豊富な天然資源が眠っているとして、
C国と台湾が領有権を主張し、争いの火種となりつつあった。
「・・・」
「何故今頃? (笑) それはですね、平和で裕福になって来たからですよ♪♪」
「・・・?」
「そうです、 人とは強欲で裕福になれば、無用な消費、不要な欲を満たす為に、
大量の資源を消費するのですよ、魑魅魍魎の如くね♪」
そのいい例が日◯だった、敗戦後の復活には世界中が驚き称賛した。
それは、純粋で真面目な国民が団結し為し得た偉業であり、
現在のこの国の国民では不可能な事だった。
「・・・」
「同じ民族ですが性質が全く違いますよ、
敗戦で貧しい世の中から脱出する為に努力と我慢を積み重ねて来た人間と、
その成果に胡座をかいて、先人の財を喰らい尽くすだけの温室育ちとでは、
内なる精神力が違います。」
「・・・」
「分かりません、 その様なゴミ同然と化している国を
何故流人様は守ると思うのか? 然しその様な事は重要では無いのですよ、
流人様の望みを叶える事が我々の努め、流人様の笑が我々の至福なのです。」
「「♪♪」」
「キットの予測では近い将来、尖閣地域で衝突が起こる!
かなり高い確率の様だと当人?が述べるくらいだから間違い無いのだろう」
「・・・」
「その前に大義名分が必要なのですよ!」
「・・・」
「我も同意見である、面倒だがしかたあるまい!
尖閣地域は太平洋では無いのだから、我々が直ぐに行動を起こせぬのだ!」
「・・・(汗)」
日本と協定も同盟も結んでいないフリーダムにとって、
尖閣で有事があっても行動に移す理由が無い、
C国と同類の侵略行為に過ぎない為、その後の大義が認められない。
「・・・?」
「沖縄を我らが占有するのです。」
「・・・?」
「その為の布石として、米国には精々協力していただきましょう(笑)」
2期目に入った米国大統領の任期は後3年、
次の大統領ではC国に情報が流れる恐れがありC国に先手を打たれても面倒、
我々がその前に対応するため・・・
「流石に60万人も虐殺しては、流人様の機嫌が心配であろう?」
「売国を企むゴミを知事に推す為にこれほどの数が巣食っておようとはなぁ」
「どうするのだ?」
クロウは計画を秘密裏に黒天、紅丸に打ち明け、
キットと共に作戦を協議していた・・・勿論、流人様に内緒でね。
「潜伏させている眷属と僕達を合わせて県民の総人口は140万人、
C国とK国から工作員や諜報員、在日運動家などが10万人か?」
「その10万に唆されて反対運動に参加している無能が20万人、
その対象の家族を含めると全部で60万の駆除対象者がいるわけだ」
「秘密裏に駆除するか?」
「それは止めた方がいいよ! 流人が気がつくからね♪」
「どうするのだ?」
「キットお前は既に計算しておるのであろう?」
「うん♪♪」
まず大きな暴動を起こさせる、
知事主導で起こった暴動の矛先をフリーダムに向けさせる、
そして一斉に本島を制圧して、暴動者達を駆除し排除する。
「それでは流人様の目に60万の虐殺光景が映り問題になろう?」
「その対応は出来ているよ♪」
制圧前から、暴動をカメラで放送し続け全国に流す!
そして制圧する光景もカメラで写して放送すると言う
「テレビで放送? 出来るのか?」
「それは、こちらで行うから問題ないが、テレビでは逆効果ではないのか?」
「残忍すぎるであろう?」
「そこが狙いだよ♪♪」
制圧するまでは一切死者は出さない、武器の発泡も控え紳士的に制圧する、
そして、罪状を述べて暴動者を公開処刑して行く事で、
国民全員に、言論の自由と行動の自由に対しての責任を自覚させる
「確か、流人様もその様な事を申していたな?」
「発言に対して行動に対しての責任を追及したいと申していたはずじゃ!」
「うん、その概念を利用すれば流人の批判は避けられると思う♪」
「「「なるほど」」」
「問題なのは他にあるんだ・・・」
当初の計画では、本島を占領し工作員や諜報員を駆除、
その他の一般人は他県へ移送させる予定だったが、問題が生じていた。
「善良な県民が少なくないんだよ♪」
「良い事ではないか?」
「善良な県民から、搾取したら流人がどうなる?」
「「「・・・それは不味い(汗)」」」
「でしょう♪」
数百人程度なら島内に住まわせても構わないと予想していたが、
数が多い、善良な県民が1万人近く居るのだ!
「そんなにか?」
「まぁ〜、140万人居るのだから1万程度は普通かぁ?」
「普通じゃないよ、この善良な県民ってSSクラスだからね♪」
「「まじか!」」
一般人がC〜Bクラス、世間で言ういい人でAクラス、
societyのメンバーでもA〜Sクラスで、それ以上の存在だった!
「待て! ではA〜Sはどのくらい居るのだ?」
「その者達からの略取も問題であろう?」
「A以上と思われる県民は全部で7万人だね♪
でも、この殆どの県民が家畜的思想なので、
手厚く移住を補助すれば当人達も了承するよ♪♪」
「家畜的思想ってな・・・」
「酷い言い方だのぉ・・・」
仕方ない、お上の言う事は絶対、自分達平民は従う事が当然・・・っと
自分達の意思があるのか?ないのか?
判断出来ないが、仕事と居住環境を提供すれば従順に従う人間だった。
「その者達の方が労働者としては都合が良くはないか?」
「なるほど、農作業や畜産、漁業など仕事を与え
住まいを提供すればいいのだからな」
「待て! 7万も居住させては守りきれぬであろう?」
「どうなのだキット?」
本島を占有する目的の一つが、
敵国との武力衝突時に敵の攻撃目標を首都から沖縄本島又は、
フリーダム本部に向けたいと思っていた。
核と言う大量虐殺兵器を有する国から、無警戒の首都を防衛するのは無理!
先にフリーダムが交戦して、矛先をこの島に向けたかった、
「プロジェクトRにドームの建設を依頼する♪」
「「なんだと?」」
本島制圧後、再整備をする上でプロジェクトRに協力を要請すると言い出した!
「表向きは全く無関係なのだぞ?」
「何故侵略して来た相手に協力するのだ! 道理が無いだろう?」
「まぁ待て、感情論はあとだ、理由を全て聞いてから異を申せばよい!」
「「うむ・・・」」
既に、プロジェクトRの警備をフリーダムの日◯法人が行っていて
無関係では無いし、帰島を条件に島民の安全を説けば民意は納得するだろう。
「7万人全部でなくても、迎え入れる島民が多ければ無視できないはずだよ♪」
「なるほど」
「予算はどうするのだ、ドームに7万人の住居だぞ?」
「他にも必要であろう? 病院やスーパーなどもなぁ?」
「7万人だからね♪ それら必要な従事者が揃うと思うよ♪」
「そうすると、残すは金か?」
「それも心配いらないと思うよ♪」
「どう言う事だ?」
「少なくとも兆は掛かるぞ?」
「日◯政府に出していただく、賠償としてね♪♪」
「「出すか!」」
「いい案であるな(笑)」
「でしょう♪♪」
本土の再整備事業費や、島民の移動費や新たな生活居住費用を国に負担させると
キットが暴言を吐くがそれに賛同したクロウだった。
「待て! 費用がいくら掛かると思っているのだ!」
「そうだぞ! ドーム一つ建てるだけでも数千億は必要だぞ!」
「7万人の仕事って考えると、
農業用のドームが10個、果樹園用が3個に家畜用が5つは必要だね♪」
「その他に島民の住居と生活環境の施設であろう?病院に学校もか?」
「大凡で、10兆円かな♪♪」
「国家としてなら・・・妥当であるか?」
「そうだね♪♪」
「いくら人気がある総理でも無理であろう?」
「だか北に莫大な援助金を差し出したんだから出すのではないか?」
「問題はね、どの総理の時に行うかだよね♪」
「「どの総理?」」
現総理は人気が有り過ぎる為、参戦して来る気配も感じられる
それは流人が望んでいない事だから避けるべき、
任期は来年、次の総理がどんな人物なのか?
米国の任期満了までに対処したいが、誰にするか難儀していた。
「致命的だからなぁ」
「辞職、総選挙、大敗は避けられまい!」
「そうすると・・・国政が混乱するなぁ」
「それは流人様も望まれておらんだろう?」
「そうだね♪」
いつでも行動を起こせる準備だけは行っておこう・・・
明日もございますので、宜しかったらお楽しみください。