電光石火
クロウとの会談を終えると早々に輸送機が飛来、
サルマン王太子殿下やムハンマド殿下は周辺国に出向き
新都市開発を事前に説明し承認を得ている為
フリーダムの輸送機が多数飛来しても混乱は少なかった。
自国の立場を誇示する為
海上周辺には小型の警備艇が遠巻きに警戒しているが、
200万トン級の貨物船には近寄らず黙認していた・・・
ジュバイルと言う工業都市にある空港に
フリーダムの輸送機が次々と着陸して建設機材や作業機械を卸し飛び立って行く
降ろされた機材や機械は次々とプロジェクトRの社員として派遣された
眷属や僕達でチェックを受けて開発エリアへ向かっていた。
途中護衛に王国軍が巡回警護を行って至り
万全の様子が王国放送局から国内に放送されている・・・
「ご覧ください!(汗)
新たな100万人都市を建設する為に日○より来た最新の機材です!」
「アブドラ国王の承認を得て行われる大事業は・・・」
「どこのマスコミも似た様に騒がしいですね」
「・・・」
「・・・」
「確かに(笑) 王国の監視下で行われて言う分自重は感じますね♪」
「・・・♪」
プロジェクトRの社員として3万人の眷属と僕達が参加
治安がいいとは言えないこの現場の警戒と守護を任されているクロウ!
烏達に盗賊やテロリストなどの警戒を厳重にさせ、
傭兵部隊は施設や物資の警護を王国軍担当した。
サラサラした砂が穴を掘っても埋め(汗) 作業が難航すると予想されていたが
プロジェクトRの作業はそのサラサラした状態を利用して吸引機で吸い込み
別の場所に飛ばして周囲一帯の砂を退け!
50m地下の岩盤迄作業を続けている・・・
「あんな方法が・・・」
「考えられん(汗)」
岩盤が見えるとそこに特殊鋼を打ち基礎を作り周囲へと拡大して行く
そして海岸迄到着した基礎に建設用の柱などを設置して港を作り
今度は吃水下げる為に海底の砂を吸い込み始める・・・
「海水と交じって砂がどんどん陸地に上げられてくるぞ!」
計画通り水深50mを維持した時点でU字溝の様にコンクリートを嵌め
吸い上げた海底の土砂を戻して監視している周辺国に対して火種を回避した。
「あれなら大型のU字溝を埋設している様にしか見えないでしょうね」
「・・・♪」
「・・・♪♪」
周囲の目を気にしていたクロウだが、
周囲の目はプロジェクトRの作業の速さに驚愕!(汗)
「噂では聞いていたが・・・」
「これ程・・・可能なのか?(汗)」
2500㎢のエリアに次々と作業機器導入され、港や巨大な穴が掘られて行く
今まで見て来た作業とは異なる手法に驚きを隠せないでいた(汗)
簡易的な港が完成すると巨大貨物船が入港して大量の物資を降ろす。
その物資を社員達が次々と組み立てると色々な建築機器が出来上がった♪
「これは?」
「簡単に説明すると大型の土嚢袋を作る機会ですかね(笑)」
「土嚢袋?」
岩盤迄堀基礎を埋め柱を建てたあと砂を直接戻さず土嚢袋に入れて固める
「流砂対策とお考え頂ければ宜しいでしょうか?」
「なるほど」
地下水などが流れ周囲の砂を巻き込み
時には地上の村を飲み込んでしまう程の大穴を作る事もある流砂を
土嚢で流れない様に対策していると説明を受けて関心をしていた。
土嚢の隙間を砂で埋め地盤を慣らし固め
水平が取れたところで基礎として建設を始める・・・
夜になっても作業は交代制で続く・・・が、
暗闇に紛れて招かざる客も・・・
「ダ~ン!」「ダダ~ン!」
「ダ~ン!」「ダダ~ン!」
銃声に驚き駆け付ける王国軍、
彼等の前には狙撃された身元不明の男達の死体が転がっていた!
「これは?(汗)」
「資材を盗むつもりだったのか? それ以外か?」
「隊長!」
「それ以外の方だった様ですな!」
死体を物色すると、ビデオカメラと護身用の銃が見つかり王国軍が動揺した
「我が国の・・・」
「(笑) 違うでしょう 恐らく隣国のでしょうね」
「・・・(汗)」
王太子殿下に敵対する勢力ならビデオカメラなど持ち込まず
妨害もしくは破壊活動を行うだろうと伝え、
映像で確認したいと言う事はその情報を誰かが確認したいと言う事・・・
「技術を知りたい、情報を得たい誰かでしょう」
「・・・(汗)」
直ぐ王国軍から警察隊に連絡が行き、詳しく調べる為に死体を回収して行く
「・・・」
「必要ないでしょ(笑)」
「・・・」
「・・・」
「ダンジョンの糧としてはここは遠過ぎます(笑)」
獲物を獲られ不服そうな烏達にまだまだ来るだろうと諭し
警戒を続ける様に命じ持ち場に消えていく・・・
夜中は肌寒い程の気温だったが、陽が昇ると一気に温度が上昇して行く(汗)
昼と夜の寒暖差に音を上げる眷属と気にしない僕達!
ムハンマド殿下は興味があるのか?
毎日欠かさず現場に来ては作業工程を訪ね
参考に出来る物は取り入れる様に務めていた。
「発電所を地下に設置するのですか?」
「治安がよろしくないとお伺いしております。」
「(汗)」
テロ襲撃や他国からの砲撃などを想定すると地上に建設するより安全
コストは嵩むが地下施設なら監視、防衛もし易いと回答が帰って来た。
火力発電システムと併用して脱塩処理装置システムも建設
施設の8割が地中に隠れその大きさは建設を見ていた者達しか伝わらず
完成後は砂漠の砂で偽装する為場所も特定し辛い(汗)
「あれは!」
「今日から工事が始まりました室内農場施設です。」
「これが・・・(汗)」
発電所などと同様に基礎を打ち込み地盤を強固にしてから、
全長1000m幅600mの巨大なドームが10基!建設されて行く・・・・
ムハンマド殿下は当初これ程広大なエリアが必要なのか?
疑問を感じていたが建設される建物全てが見た事も無い巨大さに
2500㎢の広さが狭く感じている(汗)
道路は大型重機の移動も考慮して片側100mと
緊急移動用に中央に40mの専用道路を設置して240mを基準とし
他の主要都市と直線でっ結ばれる様に整備をして都市計画を進め
中央道の地下には直径5mパイプラインを通して
電気や上下水道などのインフラを通し補修点検がし易い様に考慮され、
新しい都市内ではサテライトシステムズ社の通信環境が利用出来る。
完成後は海外企業や富裕層などを受け入れる事を念頭に、
高層マンションは広く使用人などの生活住居も備えた物が望まれ
敢えて他国の様な高さを競わず上限を50階と定め、
景観を重視して設計して互いに建物が視線に入らない様に
建物が景観を壊さない様に配慮工夫して計画、
プロジェクトR一社の独占建築だから可能な大規模な構想を実現させている。
富裕層に人気のある最上階の家賃は数十万ドル以上と
世界一高額に設定したにも関わらず契約は最上階から次々に契約が結ばれ
話題性と富裕層の私欲に驚かされていた(汗)
「これだけの物件・・・埋まるのでしょうか?」
「分かりませんw でも魅力はあると思っております。」
自国の天然ガス?で発電した電力の余剰で無尽蔵に生活用水を製造!
かつては石油より水が高価な時代があったが
新都市の中を小川が流れ緑地公園には人工芝ではなく天然芝が生え
人々の寛ぎの場所として提供される。
サルマン王太子殿下が各国に申し出て
世界中の有名レストランの誘致を行い観光客も受け入れる為にホテルも完備
スポーツを行う為にドーム状の競馬場やサッカー場も建設
都市全体の施設を発電所の制御システムが管理して、
施設内の温度や湿度を調整出来る。
公共施設として小中高までの一貫教育学校と総合病院、
ネット通信などで情報を検索出来る図書館や職業訓練所なども完備
規制監視の厳しい王国ではあるがこの地区での規制は比較的柔軟に対応すると
王太子殿下も公言していた。
緑地化を進め砂漠を緑に変え、CO²削減に貢献する姿勢を見せる事で
石油産出国の印象を少しでもクリーンに変え王国発展へと繋げたい!
流人達が王国に求める、この地域の大国となる為に・・・




