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中東王国との密約

 TOUKYOU特区でプロジェクトRとの調印が終了して

帰国したムハンマド殿下、

父であるサルマン王太子に報告を済ませ対応を仰いでいた・・・


「ご苦労だったムハンマドよ」

「それで・・・王太子、 次は如何致しましょうか?」


「(笑) 其方ももっと学ぶ必要があるだろう(笑)」

「学ぶ・・・・?」


「何事!」

「殿下! ・・・王太子殿下!」


「慌てるな! 来たのだな?」

「はい!(汗) 王太子殿下の予想の通り・・・」

「やはりのぉ(笑)」


 200万トン級の超大型貨物船3隻が王国へ向けて出港

数日中にペルシャ湾沖合に到着すると知らせが来ていた!


「数日(汗) いつ出港したのだ?(汗)」

「調印前だろう」

「そんな・・・」


 流人達に元々拒否するつもりはない、

どの様な内容でも受け入れる覚悟があったと感じていた王太子殿下、

だからこそ一括送金を行う事を決め流人達に報いる為に決意を示した。


 貨物が到着する前に流人の代理と申す者が謁見を求め来たのだが

国王は療養中の為代わりにサルマン王太子殿下が対応した・・・


「国王は現在療養中につき私が代わりに話をお聞きしよう」

 「決定権があれば私は誰でも構いません。」


 サルマン殿下の前に敬意の姿勢を示していたクロウ

改めてフリーダムの総司令と名乗ると周囲の衛兵達が緊張した!


「すまない! 我々に敵意はない! それだけは分かって欲しい(汗)」

 「気にしてません(笑)」


 付き添いも無く、

独り謁見に来たクロウを見てサルマン以下広間に居る全ての者達が

絶対的絶望を感じる程の恐怖を感じ取り怯え緊張している・・・


 「話を進めたいのですが?」

「!!」


 黒天や紅丸達が修正した開発計画の報告と、

その許可を求めに来たクロウに少々慌てたサルマン殿下(汗)

「計画の見直し?(汗)」

 「貴国からの誠意に対して流人様のご返礼とお考えいただいて結構です。」

「誠意の返礼?」


 クロウから資料を受け取った役人が王太子殿下に献上

殿下が内容を確認すると驚く様な内容に変わっていた!!(汗)


「ま! 待って頂きたい! これは・・・これは事実なのか?(汗)」

 「流人様は出来ない事は申し上げません! 

 許可頂ければ早速工事に掛かりたいと考えております。」


「・・・(汗)」


 王国向けに特別に設計した超大型室内農場施設(ドーム)を10基

前の予定より大型で予想収穫量は3倍以上!!

国内で消費する小麦の4割を賄う収穫量が可能と記されその他にも

最大出力量800万kwの火力発電所の建設!

100万人が居住可能な新都市計画と必要な生活用水を海水から製造する。


 更に5基分の超大型室内農場施設を提供して、

王国民が必要とする農作物の生産に使用して頂くと書いてあった!!


「クロウ殿・・・」

 「なにか?」

「申し訳ないが・・・」


 10兆ドルの見返りとしては多過ぎる!(汗)

原発8基分の火力発電所だけで1兆ドル以上予想され、

全長1000mの室内施設の建設15基分も軽く数千億ドルが超えるだろう(汗)

その他にも100万人の都市建設や港の整備、脱塩処理装置等々、

想像を絶する技術や資材などを考慮しても

釣り合いが叶っているとは思えなかった(汗)


「我々にこれ以上の追加出資は・・・」

 「流人様は無理は申しません」

「然しのぉ・・・」


 10兆ドルも王国にとっては大変な出資(大汗)

これ以上は不可能と考えていたがクロウからは別の提案が・・・

「天然ガス?」

 「はい、 如何でしょうか?」


 流人達の当初の提案では褐炭を輸入して蓄電を行うつもりだったが

それだと安価とは言っても資源を購入する資金が必要になる。

そこで王国内の天然ガスを活用して

蓄電技術が進歩するまで自給しては如何かと提案されていた。


「天然ガスは需要が高く余裕が・・・」

 「新たに開発すれば宜しいのでは?」

「簡単に申すな! その様な場所が簡単に見つかれば苦労はせん!」

 「こちらで候補地は用意しております。」

「!!」


 何十年も・・・何度も・・・調査を繰り返した場所で、

今回流人達に提供する事になった地区、厚い岩盤があり油田が避けているので

建設には向いているが地下資源は望めない。


 「確かに原油は皆無の様ですが、天然ガスは中々望めるそうですが?」

「誠か!」

「殿下」


 嬉しい知らせだが問題が出る!

王国では地下資源の権益は王国が管理する為外国企業には認めていない

その為今回の朗報を受けても流人達に権益を与える事が出来ないと答えた。

 

 「流人様は、権益など求めておりません(笑)」

「!!」

 

 ガス田開発とそれに伴い

そのガスの使用を新しい都市で活用出来る様求めていた。


 「将来的に発電所を増設する事も考慮致しまして生産量の20%を

 発電所稼働に確保して頂きたい!」


 ガス田の発掘作業には膨大な予算が掛かるがそれを全て流人側が負担する

その上で自国の都市にも関わらず発電の為に20%確約を求めていた。


 「これが流人様の貴国に対する誠意の対価にございます。」

「・・・」


 長年大国に騙され企業に足元を見透かされ不利益な契約を結んで来た

その結果自国の資源が安価で買われ他国が裕福になり

王国の民は貧困に苦しんでいた。 


 その記憶が残っている為、

国力を付け他国と対等に協議が行える様に励んで来た結果が今に至り

世界でもそれなりの発言力を持つまでに成長したと自負している。


 その中で日○人は○○で呆れるが誠意ある態度には誠意で応える

正直者で真面目といった印象だったがそれも過去の話と思っていた。


 埋蔵量が分からないが

800万kwの発電を行うのに20%程度必要と考慮すると残りの権益だけでも

年間数億ドルの利益に繋がる。


「それが・・・至宝殿が求めた事なのか?」

 「(笑) 流人様は御存じありません。」

「!! どう言う事だ(汗)」


 厚い岩盤がある為本来なら資源採掘は出来ないし抑々資源が無い

「資源が無いだと!」

「さっきまでガス田があると言ってたではないか!」

 「(笑)」


 原油産出国が囲むペルシャ湾は各国が領有を主張し合う火種

その為各国が自重して海底油田などの採掘は控えている・・・


「厚い岩盤が・・・ガスを!」

「そんな事が・・・(汗)」


 「はい♪ 内々に行えば苦言は出ませんが、

 流人様には不向きにございますから(笑)」


 正直に報告すれば周辺国から苦言が起こり火種となる事は王国も理解出来る

自分達も他国が同様の事を行えば戦争も辞さない抗議を執るだろう!


 然しクロウの提案では岩盤の隙間を天然ガスが駆け上がり

結果採取する事が可能だと説明を受けて殿下達は決断する・・・


「他国が行う前に!」

「然し殿下(汗)」

「原油の採掘なら拒否する! 然しガスは何処へ流れるか分からん

他国に流れておる事も十分考えられるが、先に我々が抜き取れば・・・」


 ペルシャ湾周辺国で脅威なのは対岸の革命軍が統治している軍事国家

それ以外が話し合いで解決も可能だがかの国相手では戦争にもなりかねず、

他の小国が同じ様な事を行えば武力行使を執って来るだろう


「抑止の為にも密かに管理が必要だ!」

 「我々と同意見で嬉しく思います♪」


 綺麗事だけでは・・・

光が強く差せば差すほど影は濃く、

それを承知しているから光を放つモノに憧れ尊い・・・


 フリーダムと流人が輝き続ける為の影の存在だと悟ったサルマン王太子殿下、

流人を監禁した際のフリーダムの行動もこれで納得した・・・。



 

明日も0時に更新致します。


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