最強部隊育成法
太平洋上にある一つの岩礁を埋め立て建設されたフリーダム本部、
ここは眷属や僕達が殆どで、
人間は、ニュ◯◯ーク州の北西にある湖の孤島で訓練などを受けていた。
新人の訓練は主に、体力と忍耐力の強化を中心としたメニューで、
兵士達には、悪魔の訓練と皮肉を言われていた。
「皮肉が言えるだけ、まだ元気なのでしょう(笑)」
「・・・」
「死なない程度に指導てあげなさい(笑)」
「・・・♪」
どの様な状況下でも諦めない、必ず見方が救出に来ると信じさせる
その為に耐える忍耐力を養う為に、地獄の特訓が連日行われている。
傭兵としては高収入で、当初は応募も多数押し寄せて来たが、
訓練の実態が周囲に漏洩すると応募者も激減して現在は志願者のみになっていた。
応募者と違い志願者は優秀だ、帰る場所が無かったり、逃げる当てが無かったり
個々で事情は違うが、
甘い気分でここに来ていないから苦痛に耐える事が出来ていた。
夏場でも5度以下、冬場なら零下の遠泳は、指導する僕達の楽しい訓練でもあった、
「ほら、波を立てるな! 見つかるぞ!」
「はい!」
態と水の含みやすい装備で泳がせ、体の自由を奪い!体力を消費させ、
苦痛と生命の限界まで追い込む事で、
生きている喜びとチームの絆が強まって行く!
「この国の兵士は最強と言うが、精神は貧弱だな?」
「敗北を知らぬそうだ!」
「なに? 負け知らずか! それでは精神が養われんなぁ(笑)」
僕達が嬉しそうに次の訓練を考え、半死状態の兵士に命令する!
「次は楽しい穴掘りだぞ!」
「・・・sir!」
「聞こえませんよ♪」
「Yes sir!」
「はい♪ 頑張ってくださいね♪♪」
教官の笑みが悪魔の様に見えると新人達は毎年語り継がれて行く・・・♪♪
毎年、1,000名の新人が来る、
その中で実戦に使える人材は400名以下、
戦闘に使える人材は10程度居れば豊作と呼ばれている中、
今年は早々に300名以上が除隊と心配していたが、
半年の訓練を終えてもそれ以降の除隊者が現れず、
銭湯で使えそうな人材も100名を超えていた!
「困りましたね・・・」
「どうしたんですか統括?」
「丁度よかった、大佐!」
クロウはハンニバルに今年の訓練兵の様子を相談する。
「いい事じゃ無いですか?」
「100名だと10チームです、
サポート要員だけでも1,000名新たに必要になります。」
「う・・・人員不足ですか?」
「それも補助のね・・・どうしたものか?」
「本当に使えるか、実戦に出してみてはいかがでしょうか?」
「実戦? 間引くおつもりですか?」
「そう意味での発言では無いですよ!(笑)
敵と対峙て見て、本当に使えるか? 分からないですからねこればかりは・・・」
適当な依頼任務がないか? 調べていたら適当な案件が見つかったが・・・
「アフリカ新小国の反政府軍の壊滅ですか?・・・」
「依頼料が良過ぎるんですよ・・・」
「こりゃ〜、あからさまですね(笑)」
「お守りと引率頼めますかね?」
「言い出したの自分ですから・・・面倒みましょう(笑)」
ハンニバルがクロウの敬礼をし、任務にむかう・・・
数年前に民主化運動で新政権が誕生した小国、
国際機関の調査で地下資源が豊富と評価され各国から支援を受けていた。
当然反する者も多い、
自分達の貴重な地下資源を国外に流出させている政府に不満を持つ者達が、
反政府組織として武装発起していた。
小国政府軍が2,000名に対して反政府軍は8,000名も、
武器は露帝国からの中古品が、
両側に安価で流れている為単純に数が勝敗を分けていた。
深夜に敵アジトへ奇襲を行う為に、輸送機で向かう新兵40名と、
大佐率いるアイアン・ブルのトップチーム20名が合同で夜襲を行う!
「訓練の時より軽いな?」
「通気性も良くて快適だよな?」
「あの訓練は・・・なんだったんだ?」
遠足気分の新兵に強烈な一言を大佐が説く!
「お前達が、生還する為の訓練だ!」
「「「・・・」」」
新兵全員に聞こえる様に大佐が説く!
今回の任務の内容、敵の数、装備、そして訓練ではない、殺し合いだと・・・
殺し合いなのだから、自分達も死ぬ可能性がある事、
油断して隙だらけで、生き抜けるほど甘くない事を威圧的に叩き込む!
「お前達が訓練で覚えた事が、全て実戦で役立つと思うな!
与えられた快適空間での射撃訓練と戦場は違う!」
脳筋系が多い軍隊の世界だが、フリーダムには学習時間が設けられている。
装備の手入れの重要性、温度湿度、緊張と恐怖で集中力が変化する事など、
あらゆる環境下での対応や生存確率を上げる為の勉強を徹底させている。
「最後に一つだけ言っておく!
どんな状況下でも諦めるな、周りを確認して生き延びる事を考えろ!
生き延びる為に敵を殺せ! そしてどんな状況下でも生き抜け! 必ず助ける!」
「「「Yes sir!」」」
「大佐♪ その言葉好きですね(笑)」
「なんでだろうな・・・必ず助けが来る気がするんだ!」
「「「俺らもですよ(笑)」」」
古巣のメンバー達の記憶に無い、思い出の言葉が今でも彼らの中で生きていた・・・
輸送機がエンジンを切り滑空し降下して行く!
「スタンバイ!」
格納庫が開き次々と飛び降りて行く!
最後に大佐が降下してパラシュートを開くと
輸送機がエンジンを始動し現場を離れて行く・・・
訓練通り無事着地してパラシュートを放棄、
所定の持ち場に向かい周囲を警戒する新兵達だったが、
異様な感じは掴めていなかった!
「大佐!」
「政府軍がいませんよ!」
「やっぱりなぁ・・・露骨すぎだよなぁ!」
「どうしますか?」
「このまま襲撃に向かう、売り飛ばされていないと思うが注意しろ!」
「「了解!」」
着地地点で政府軍の偵察隊と合流する筈だったが、偵察隊の姿が見当たらない
裏切りを予想して、周囲を警戒しながら任務を継続して行く!
1kmほど進むと敵のアジトがあった!
どうやら作戦を敵に売り渡してはいない様だ、
「そこまで馬鹿じゃないって事だな・・・」
「それでも大佐、
ここのアジト200って聞いてましたけど800はいますよ!」
「その程度が合衆国でも誤差の範囲だろ(笑)」
「そうっすね(笑)」
敵を前にして緊張する新兵達、戦場で笑えるのは歴戦の猛者達だけだった。
4つのチームに分かれて攻撃を開始するが、
装備と練度の違いでフリーダムの相手にはならなかった。
それでも掃討するのに1時間以上掛かり、大佐の中では赤点を付けていた時!
「大佐何か来る!」
「新兵達を地下に待機させろ!」
「「「Yes sir!」」」
アジトの状況を確認しに来たのか?
政府軍のマークが付いた攻撃ヘリ2機がアジトの周りを周回している・・・
「あいつら、自分達を探してますよ!」
「どうしましょう大佐?」
「出て行ったら・・・」
「蜂の巣でしょうね(笑)」
「だろうな(笑)」
「「「(笑)」」」
一流企業並みの高額報酬、いくら資源が裕福でも支払える額じゃ無い!
依頼して、任務を確認した後に部隊を攻撃して無かった事にする・・・
傭兵なら頭の中に置いておく常識だ、甘い話には裏がある。
「一応な、確かめないと問題だろうからな、 バッカス!」
「ウッス!」
2m近い大男が、死体を担ぎヘリが照らしているライトの中へ放り投げる!
ダァ! ダァダァダァ!
「いい反射神経しているじゃん!」
「躊躇なく打ち込みましたねあいつら!」
死体の周りを旋回してライトで確認していた!
「敵対行為確認って事でいいよな!」
「ちゃんとビデオに撮ってあります♪」
「よし! 弾変えてローター撃ち抜くぞ!」
「ウッス♪♪」
アサルトライフルの弾を特殊鉄鋼弾に代え2機のヘリを狙う!
「「「準備OKです。」」」
「shot!」
ダ! ダダダ! ダダダ!
あっという間にメインローターから火が吹き、ヘリは近場に不時着した!
「全員警戒しながら行くぞ!」
「「「Yes sir!」」」
不時着から這い出て来た政府軍兵士3名、
数が合わないと思ったら中で1人息絶えていた。
「・・・助けて」
パーン!
頭を撃ち抜く大佐!
「都合がいいんだよ!」 パーン!
残された1人が怯えながら後退りして行くので、両足を撃ち抜いた!
パパーン!
悲鳴を上げながら悶える兵士に冷たく問い詰める!
「誰に言われて、俺たちを狙った? 素直に話せば楽に殺してやる(笑)」
新兵達がゾッとする、
ハンニバルの笑みが地獄の教官達の笑みに見えたからだ!
「だ・・・大統領。」
シュッとナイフで首を落とす!
恐怖で歪んだ顔を手に持ちハンニバルは別行動を取り、
他のメンバー隊は集合ポイントへ向かった。
明日もございますので、宜しかったらお楽しみください。




