表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

ずっと友達だよ

 シフの魔法によって、昨日とは打って変わってとても寒い冬が訪れた。昨日シフが出会った三人が冬だけにしかできない遊びをみんなに伝えたおかげか、世界中でそれを試してみる者たちが現れ始めた。中には雪合戦を勘違いして雪玉を祠に投げつけるという者もいたが、シフは嬉しかった。


 「ベルシー、カーヴァ、ウィリー。ありがとう」


 この世界のみんなが冬を嫌いにならなくなっていく。それがたまらなく嬉しかったのである。世界中のみんなが苦手な冬も楽しく乗り越えられる。それを教えたのは何者でもない、シフだ。今頃三人は何をして遊んでいるだろうか。


 ベルシーは絵を描くのが好きだと言っていた。カーヴァは世界一大きな雪だるまを作れるかもしれないと言っていた。ウィリーは雪合戦が面白そうだと言っていた。


 「ふふ、きっとあの三人なら今頃雪合戦だろうな」


 押しの強くて喧しいウィリーのことだ。きっと彼女のやりたい遊びに二人が付き合わされているだろう。そう考えるとシフは自然と笑みがこぼれた。一日だけのお喋り。だが、貴重な一日を体験した。


 三人はシフにとって心の友達になった。


 「ボクが見守っているよ。世界を。だから――」


 (ずっと友達でいようね!)


 シフは手のひらにある数枚の桜の花びらを見て、ニコッと微笑んだ。




 END.

最後まで読んでくれてありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 人間に魔物にと、みんな仲良しな世界で、魔王さま一人だけ祠から出られないとか。 どれだけ孤独だったことでしょう? それでも、一人で秩序を守るとか。 どれだけ辛かったことでしょう? で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ