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吉田  作者: 右のような左手
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人生は、ほんの少しのきっかけで変えることが出来る。


誰だってそのチャンスに出会うことが出来て!もしかしたらすぐそこまで来ているかもしれない。


そう、僕みたいに。



6月下旬、直に始まるテストに憂鬱さを感じるこの時期。それは僕も例外じゃなかった。


八万高校に入学して3ヶ月、ようやく慣れてきた学校生活の基盤をひっくり返すようなイベントに加え、梅雨のジメジメした蒸し暑さが僕らを包み込んでいた。


「暑いねー、加藤くん」


僕は隣の席の友達、加藤雅紀君に話しかけた。


「もう何も言うな…。余計に暑くなる…」


加藤くんは机にうだりながら溶けそうな声で呟いた。


時刻は13時過ぎ。昼休みもあと少しで終わり、また授業が始まる。


「次はアレだろ?何とかっていう――」


「講演会ね。何かすごい人が来るんでしょ?ライフコーディネーターとかいう肩書きの人。」


「コーディネーターだかアキネイターだか知らないけどさ、この暑さの中で体育館に1時間は勘弁して欲しいよなー。せめてエアコンつけろっての。」


そう、我が八万高校には体育館にエアコンがついてないのだ。田舎だから。


「エアコンは確かに欲しいよね〜。それと加藤くん、知らないの?確か講演会は2時間あるはずだよ?」


うへぇと言ったっきり、更に机に突っ伏した加藤くんはそれきり動かなくなった。多分お昼寝でも始めたんだろう。


教室のドアが若干空いて蒸し暑い空気が流れてくるとはいえ、エアコンが作動している分教室の中はまだ涼しい方だ。


「――っと、加藤くん。そろそろ移動しないと間に合わないよ?」


うだうだな加藤くんを引きずりながら、僕らは体育館へと向かう。途中、クラスの女子数人が体育館へ向かっているのを見つけた。その中には、僕の憧れ、双葉花菜さんの姿もあった。

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