共同戦線5 暗き光
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地下は肌寒く、レイナは思わず手を擦り合わせた。
地下道はあまりにも広大で、現在使われている路線だけではなく、廃線になった路線も含めて膨大な空間が残されていた。
「ビンゴだな。レイナ、探査障壁を張ってくれ。何か反応が有れば言ってくれ。」
スワンソンがレイナに探査を頼んで、自身はロザリオで魔術書を2回叩き黒魔術を発動した。黒い靄がスワンソンの周りに現れる。ルートも、聖魔術を発動した。リンジーはいつでも治癒できるように後方に位置した。いつ戦闘にもなってもいいように4人は準備をした。
廃線は、どこまでもダラダラと延々と続いた。
暗闇の中を手持ちランプで照らして歩き、どのくらい経ったろう?
突如として巨大な扉が現れた。ランプで照らすと魔術式が描いてある。
「皆さん、この先に強い反応です。気を付けて下さい。」
扉はとても重く、スワンソンとルートは2人で押した。ジリジリと擦れる鈍い音を出して扉が徐々に開いた。
扉が開ききると中は、眩しいくらいの明るさでとても巨大な空間だった。がらんとした巨大な。
暗い道を歩いてきた4人は明るさに目を細め、一番初めに順応したルートはある物を捉え吐息までも殺した。
四肢を捥がれた背を向けた裸身の女体、魔術式と逆十字が背中には刻まれ天井から吊るされていた。
黒い綺麗な髪が顔を隠していた。
レイナとリンジーは口を手で押さえた。
「姉さん!」
巨大な空間にルートの声が反響した。
「まさかとは思ったが酷いな。」
思わずスワンソンも目を伏せる。
ルートは、無残な姿となった姉の下へ駆け寄った。魔術でナイフの形を作り体を抱えロープを切ろうとした。ルートの魔術服に血が染み込む。捥がれた四肢の部分は焼かれて傷は塞がれていた。背中に刻まれた傷から滴る血だった。
「だめだよ、ルー兄。下ろしたら意味がない。」
ルートは、目を見開き声の方に振り向いた。信じたくはないが聞きなれた声。その声の主は、笑みを顔に張り付けていた。
「ロカ。・・・・・・どうしてお前が此処にいるんだ?それより今なんて?」
ロカがそこには立っていた。母親の惨い姿に笑みまで浮かべてルートの方へ歩いてきた。
「触るな、と言ったんだよ。まだ儀式の途中だ。それに分かっているだろうその女はもう・・・死んでいる。」
理解はしていた、ルートを除く3人は。ルートはその答えを理性が拒んでいた。
「どうしてこんな事を?なぜ、お前が此処にいるんだ?」
ロカの顔から笑みが消え軽蔑の視線をルートに送った。
「意外と鈍いんだな、ルー兄。その魔術式、見た事あるだろ。あんたの親が遺した物なんだから。」
ルートは、ハッとした。
「まさか、お前。輪廻の門を開く気なのか?」
「輪廻の門だと、魔空間への扉を作る儀式なのかこれは。」
「ほぉ、そちらの馬鹿そうな兄さんの方が理解が早いみたいだな。その通りだよ。ハハハ。」
「てめぇ、禁忌を犯そうってか?・・・ルート、お前は知っていたのかこんな物をお前の親が遺していたことを。」
スワンソンの体の周りの黒い靄が濃くなる。
「知っていた。・・・俺の親は魔術書の研究もしていた。それで、各地を転々としていた。ただ、輪廻の門を二度と開かなくするために研究をしていたんだ。ただ、心半ばで大戦が起きてしまった。」
ルートは姉の亡骸のロープを切り床に置き自分の魔術服のコートを掛けた。
「ロカ、誰がお前をこんな禁忌の道に誘ったんだ?」
「その前に、勘違いしている様だから一つ言っとくよ。・・・・」
「僕はその女の、子供じゃない。」
ロカは深く頬に皺を刻み笑顔を浮かべた。




