久々の学校
バリバリの執筆初心者なので、色々間違ってる所があるかもしれません。もし、何か至らない箇所がありましたら厳しくご指摘ください。
今回は瑞樹パートです。
富士野瑞樹は、もともと普通に現役女子高校2年生をしていた。ところが、いつもの登校中に突然足下に現れた転移魔法陣に飲まれて、流れから異世界の人族を救う勇者をやっていたのだ。
そしてつい先程、魔王サレガを含め色んなゲスい魔族を倒しまくった褒美に、異世界プルドでできた大事な人を賜って、一緒に日本に帰還してきた。
向こうの世界には二年近くいたから、こっちでも二年が経っていつの間にか卒業してる、的な展開を瑞樹は覚悟していたけれど、自分が異世界に飛ばされた6月16日の朝7時頃から、一年ばかりか3時間しか経ってない事実に驚きを隠せなかった。
でもそれよりも、久しぶりに高校へ行きたいって気持ちが強くって、ウズウズとその場にいてもたっても居られなくなり、彼を置いて家を飛び出してしまったという次第である。
今からだと、三限目の途中だろうか。そういえばこの通学鞄も、儀式直前に渡されるまであっちに持ってきてたのすっかり忘れてたから、思い出してわざわざ探し出してくれたあの受付嬢に感謝しなければならない。
「って、この格好のまま学校に行くわけにはいかんな。えーっと、“衣服”」
瑞樹は家の外に構えた門を抜ける手前で、自分が異世界での格好をしているのに気が付いた。
なので、向こうで教わった生活魔法で服装を動きやすい狼毛の服から学校の制服に一瞬でフォルムチェンジした。
この生活魔法は魔力の消費量が非常に少ないため、魔力が超絶薄いこの地球でも簡単に火を熾したり、物を収納したり、色々と使える優れ魔法なのである。
「身体強化とか、できるかなぁ」
瑞樹の体は鍛え上げられていて、足の速さも人並みより迅速なのだが、余りにも早く学校に着きたくてそんなアイデアが脳裏に浮かぶ。
「でも人目があるし、やっぱ止めとくか」
もし身体強化しても、自分が尋常じゃない速度で走っている所を道行く人に目撃されたら、たまったものじゃないし。
「しゃーない、全力でとばすしかないか」
それから疾走して、瑞樹はようやく学校の前に到着した。
「よっ、と」
校門は閉まっていたが、柵を難なく跳び越える。
「久々だなぁ~我が母校!全然変わってないや~、そりゃそうだけど」
昇降口に続く広い一本道を駆ける。
一昨年に築120年を迎え、古びてもなお歴史を刻む本校舎。
体育の授業中なのだろうか、生徒達の足音や掛け声が響いている体育館。
本校自慢のロンドン大火記念塔をモチーフにした時計台。
だだっ広い校庭と、リア充共がよくいちゃついてるベンチ(破壊したい)。
今はそのどれもが懐かしく、そして愛おしく映るのだった。
キーンコーンカーンコーン
「すみませーん、遅刻しましたー」
瑞樹がちょうどクラスの後ろ扉を開けたときに、チャイムが校舎内に鳴り渡った。
「はい、じゃあここまでね」
先生がそう落としをつけると、
気をつけー、礼、ありがとうございましたー、の三拍子がとられる。
瑞樹は先生に遅刻届を提出すると、後ろから誰かが自分の背中にダイブしてきた。
「みずきー、何で今朝いなかったの?美沙、ちょー心配したんだから」
「全くだよー」
抱きついてきたのは、サイドツインテのカワイイ系女子、千崎美沙と、その後ろで腕組みしてるのはおっとり系女子、名倉真奈華だ。
彼女達は入学してすぐに仲良くなり、召喚前からよくこの三人グループで遊んでいた。
「おー久しぶり、美沙、真奈。なに、お腹痛かったからちょっと病院行ってただけだよ」
目尻に大粒の涙を溜めている美沙の頭を撫でながら、真奈華にも目を向ける。
「久しぶり……?まあいいや。私たち、放課後にこの前新しくできたカフェに寄るつもりなんだけど、無論瑞樹も来るよねー?」
頬に手を添えながら、真奈華はそう訊いてきた。
「もちろん!」
瑞樹は、自分のチャームである笑顔を浮かべて、迷わず大きく頷いた。
★☆★☆★
「私は何をすれば………?」
ーーーー家にて未だ途方に暮れているアルスを完全に忘れながら。
感想をくださった方、有難うございます。