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はじまり はじまり
むかしむかし、あるくにのおしろで、あみものをしていた おきさきさまは、ゆきのふるひに、そのゆきをみていいました。
「このゆきのように はだがしろく、ちのように ほおがあかく、こくようせきのように くろいかみをもつ おんなのこが、うまれたらいいのに」
そのねがいは、かないました。
ゆきのように はだが しろいおひめさまは、しらゆきひめ となづけられました。
しかし、おきさきさまは しらゆきひめをうんだあとすぐに なくなってしまいました。
そのうち おうさまは、あたらしい おきさきさまを まねきました。
あたらしい おきさきさまは、じつはまじょでした。
あたらしい おきさきさまは、まほうのかがみをもっていて、まいにち といかけるのです。
「かがみよ、かがみ。このよでいちばん うつくしいのはだれ?」
「それはおきさきさま、あなたです」
かがみは きまって そうこたえます。
それをきくたびに、おきさきさまは あんしんするのでした。
なぜなら、このかがみは うそをつかないからです。