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はち。

もう、いいよ。



ゴミはゴミ箱へ。


全部捨てたい。


僕の感情の、全て。


泣きたくなるようなこの悲しさも、


聞きたくてそばに行きたくなるのも、


君のこと、好きだっていうほんとの思いも。



...ぜんぶさ、なくなったらいいんだよ。



捨てたら、ラクになるんでしょう?



....そっか。命を捨てる方が現実的なのかな。


百円のさ、ロープやら、ナイフ持ってきて。


別に僕も他の人に迷惑をかけたいわけじゃないから


部屋の中でひっそりと。誰にも知られず。


ああ、それなら遭難の方がいいのかも。


でもさぁ....足が、手が。...まだ失ってない感情が。


僕に、生きろって。



君が、僕に生きろって言ってる気がして。




拝啓、あなたは今、どうしていますか?



僕は震えて堪えて、必死で今を生きています。


そっちに、行きたくて。


なんで行っちゃダメなの?


だって、君がいうからさ。


君は毎日辛くても、僕より楽しそうで。


君の声が聞きたいんだ。


君の髪に触りたくて、君を抱きしめたくて。


君との思い出さ、全部頭の中回って。


毎日それだけを頼りにして生きてるの。



今だけだよ、愛してるっていうの。



なんでなんにも話してくれないの。



....なんでそんな穏やかに笑ってるの。



君はさ、僕の作った料理を散々酷評して、


君が料理を作ったら、僕より壮絶に下手だったよね。


しってる。だって、君は。料理がうまかった。


なのにあの時はなんて不味くて。


だから君も僕も笑っちゃってさ。


他愛のないことで笑えるのって、幸せなんだよ。



もしもさ。


今を頑張って、君の分まで。


いや、そんなこと言ったら、


私のことなんて気にしないで生きろって。


結構優しく怒られるだろうから、僕の分精一杯さ。


せいいっぱい。生きたら。


褒めてくれる?



君も、好きだって。



一緒に、料理しようよ。


その時までに僕、君より何倍もうまくなってさ。


きっと、そっちでの初めての料理は、不味くなるけど。




生きるよ。



君との思い出さ、忘れたくないから。

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