ろく。
可愛いって言われるの、大して嬉しくない。
だってみんな、その言葉軽くってさ。
子供みたい。
ちっちゃい。
きれい。
可愛い。
挙句の果てに、全部まとめて好きって。
あーあ、馬鹿らし。
みんなが私のこと可愛いっていう度にさ。
私の心の中、段々濁ってく気がする。
なんで、縛り付けるの?
そうやってさ、見てくればかり。
内面を見てくれる人なんていない。
嫌いだよ。みんな。全て。
変な人からお菓子をもらってはいけません。
知らない人からお金をもらってはいけません。
....有名な人でも、ダメです。
なんなの?
可愛いからってさ、ちやほやしないでよ。
私、こんなにおかしいのに。
どこか狂ってるのに、だーれも見てくれない。
私は輝いてるらしい。
でも私は暗くて前も見えない。
そんなときさ、ちょっと。みえてしまった。
この地球にいたら、何百人の人はいる。
盲目の男の人。
不謹慎だなって。自分でも最低って思う。
でも、ついていっちゃった。
知らない人に。
そこでもらった優しさは、私に好きを教えてくれるくらい、最高なもの。
そこで彼が言ってくれた可愛いっていう言葉は、
私を一日中悶えさせるくらい、幸せな魔法。
真っ暗な道に、色を与えてくれた。
でも、そんな彼は見えない。
なんにも。
私が日々を灰色に生きてた以上。
目を瞑って歩くのと同じくらい。
なんにも見えない。
彼に、見てほしいって思ったの。
見てくれも、中身も、愛して欲しくて。
だから今日も、私は探してる。
君が私が盲目だと知って近寄ってきたことは、君の口から何度も聞いたよ。
それでも、いいんだ。
私が盲目になった理由は君に愛してもらう為だったのかもしれないね。