表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/26

じゅうはち。

「君が全然俺って言わなくなった」



そ、そりゃあねぇ?


幼稚園や小学生のガキの頃はまだしも、中学やら高校になるとからかわれると思ったから。


事実として、予想より早い、小学の高学年にはもう男女なんて呼ばれてた。


大体、君が大人しくて可愛い女の子が好きって言ったんだから、そんなこと言われても困る。


「えぇっ、嫌だよ...」


ほら、ちょっとあざとく頬を赤く染めてもじもじして上目遣いで君の顔を窺う。


こういうの、好きなの知ってるんだから。



....あれ、いつもみたいに狼狽えない...


今度は私が目を回して、多分頭の上にたくさんはてなマークを出してしまってる。


らしくない真剣な顔をつくって、おどおどせず、私の目を見てる。


私は目を逸らして、理由を聞いた。


「なんで?...頑張ったのに」


間髪を入れず大きな声で君は叫ぶ。


「ギャップ萌えだ!!」



1take



「俺....お前のこと好きなんだっ...って言って」


「どーしても言わなくちゃダメ..?」


「絶対!言わなくちゃダメだ!」


「私...君のこと大好き。...これで許して?」


「ぐはっ....」


轟沈。



2take



「俺と一緒に水族館遊びに行かないかっ.....って言って」


「えー!この前遊園地行ったばかりなのにまだ遊び足りないの?」


「違う!例えだ。言うだけでいいんだ!」


「カフェオレと一緒に水族館行かないかっ!」


「飲み物と遊びに行く趣味はないぞ!...ぐぬぬ」


轟沈。



3take



「な、なら妥協しようじゃないか。“俺”じゃなくて少しがさつな喋り方になるだけでいいぞ」


「・・・」


「そんなに嫌なのか!ひ、一言でいいんだ」


「私、付き合ってられないしご飯買ってくる」


「待ってくれ、悪かった。一緒に行こう!」


轟沈。



4take



「んー、今日の晩ご飯は何がいい?」


「ナポリタン風ピーマンの肉詰め〜俺を添えて〜」


「わかったよー。ピーマンの挽肉は君を使えばいいのね。じゃあノコギリ買って」


「嘘だごめん。だから鞄からノコギリらしきもの出すのやめてくれないか」


「じゃあピーマンの肉は無しねー」


「許してくれなんでもするから」


轟沈。



5take



「俺のために毎日お味噌汁を作ってくれないか...っていt」


「君のために、毎日お味噌汁を作ります。なので、私を幸せにしてください」


「えっ...」


「して...くれないの?」


「幸せにします!離しません!!」


爆発。




君はなんで私のそういう姿を思い出させるのかなぁ。


あの頃君のこと変な風にからかっちゃったし、忘れたい思い出なのに。


「昔の君も大好きだから」


...馬鹿。


「俺...う.....やっぱり無理。私もいつの君も好き。」




もちろん君が我とか言ってた時期のことも。


「ねぇねぇ、君さ、我って言ってたよね。言ってみて!」


「嫌だ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ