フラグ折は大変です
光希の告白イベントから数日が過ぎ
あれ程の断り方をしたにも関わらず
明は何故か絡んでくる。
どうにかフラグを立てようとするのだ、叩き折ってはいるのだけど。
そして例の彼女が話し掛けてきた。
そう嵐子である、私は彼女が嫌いだ
誰にでもニコニコしてカマトトぶっている所が特に。
「貴女が桜さんよね?」
「えぇ、そうだけど?」
「単刀直入に聞きますけど、光希君とはどうゆう関係なんですか?」
「どうって、ただの幼馴染だけど」
「そうですか、ならいいです」
と言い残し嵐子は去っていく。
なんだ?関係が気になっただけか
実に不愉快だ、むしろ私は応援しているのに。
だが今はそれどころではない、明のフラグを如何に伐採するかだ。
ほら、また来た・・
「桜!今日こそ一緒に帰ろう!」
なんだこいつは次第に長髪を掻き分けて死にませんとか言い出すのではないだろうか。
「だから結構Death。もう誘わないで下さい、迷惑Deathから。」
「そ、そうか・・」
渋々帰って行く明。
すかさず友人が話し掛けてくる。
「桜あんた、Deathはないでしょ?」
こいつ文面がわかるのか!
などと思案していると。
「あんたが、です!だけ強調しているからよ」
「ああでも言わないとしつこいのよ」
学校も終り帰宅するとメッセージが入る。
光希(最近会ってくれないね)
桜(私も忙しいのよ)
光希(今度の日曜日会える?)
桜(ゴメン、用事あるや、またね)
無理矢理気味にメッセージを終了させると胸にチクっと痛みが走る。
そんなギクシャクした関係が数ヶ月続き学校では学園祭なるイベントが
始まっていた。
この学校の学園祭は結構な規模で
毎年近所の学校からも訪問者が多く
校内ライブの観戦や各屋台や校舎内の喫茶店なども人気が高い。
実にカップル向きのリア充イベントだ。
そして、ここにも・・
「桜、一緒に周らないか?」
また明だ、どうしてこいつは懲りないのだ・・
「忙しいので一人で周ってください」
事実忙しいのだ、暇があると光希が誘ってくるだろうと朝から休憩もしないで自分のクラスの受付を率先してやっている。
はぁ・・
何をやってるんだろぅ・・
光希を避けて、明のフラグを折り続けるとか、せっかく人生をやり直し
たのにこれじゃあ無駄に時間だけが過ぎていく。
元々女子力の無い私がモテるとは思わないが、明しか寄ってこないとは
何か良くない力がかかっているのではないかとも思える。
光希視点。
最近、桜が俺を避けている。
前は言葉こそ冷たかったが毎日の様に一緒に居たのに。
何かあったのか、悩み事でもあるのだろうか・・
そんな時こそ傍に居てあげたいのに
それすらも許されない。
ここ最近、工藤さんが付きまとってくる。
正直迷惑だった、俺は桜にしか興味がないのに、いくらアプローチされても応える事はできないと言ったのに彼女のアプローチは止まなかった
それに明が、桜にモーションを掛けているみたいだ、爽やかでモテる奴だから心配でたまらない・・
嵐子視点。
どうして光希は振り向いてくれないんだろう?
こんなに毎日アプローチしているのに、彼が生徒会にいるから勉強もスポーツも頑張ってスタイルも完璧なのに。
リサーチでは彼女はいないはず、桜も
幼馴染みと言ってたし
なら何故?
片思い?
やっぱり桜に?
桜か・・
三人はそれぞれの想いを胸に学園祭を終えた。