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神様へ抗議する

今、私は死後の世界にいるらしい

きっとそうなのだろう、目の前の

非現実的な世界や先程から存在する

こいつも変だ。

こんなの現実な訳が無い、それに私は死んだはずだ、誰にも看取ってもらえず・・

一人淋しく・・。


「やぁ、ここは死後の世界。

訳あって君は人生をやりきれず

ここに呼ばれた。」


「死後の世界ですか・・

貴方は?」


「僕はこの世界の神様だよ。」


なに?

この黒スーツを着て白銀の髪に怪しい瞳、イケメンなのは確かだけど、

ビジュアル系?ホストにも見えなくは無い、これが神様?

ブチッ!そこで何かが切れた。


「神様・・。

どうして私ばかり不幸にするの?

やり直しを要求する!!」


「おやおや、元気な娘だね。

勿論そのつもりだよ、ただし今回の君が経験した不幸を頂くよ?」


「不幸?」


「そう、他人の不幸は蜜の味ってね♪」


「そんなもの、くれてやるわよ!」


「そうかい、ありがとう。

なら僕からもプレゼントだ、特別に前世の記憶を残してあげるよ。

次こそ失敗しないようにね。」


「やり直せるの?」


「勿論、そろそろ時間だ。

良い人生を・・」


・・・

これが17年前の事、久しぶりに夢を見た、チャラい神様の夢。


「桜・・、桜、起きてよ。」


「う〜ん、あと5分・・」


「もう起きないと遅刻するよ。」


重い瞼を無理矢理持ち上げると

そこには眩しいばかりのイケメンスマイル。

彼は幼少の時からの幼馴染、名は

光希みつきという。

家は隣で昔から両親が留守だと泊りに来て夕飯や家事やら甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる生粋のイケメンだ、前世では運悪く結ばれる事の無かった人だが。


「やめてよ、その眩しいスマイル

目が潰れる。」


「早く着替えなよ?

朝ご飯用意できてるよ。」


はぁ、なんて女子力の高いイケメンなんだろう。

いつものようにイケメンと登校する

彼は学園では生徒会書記を務める

ここの生徒会は異常で役員全員がイケメンという、その中でも光希は群を抜いている。

ファンクラブが存在する程だ。


長い一日が終わり光希は生徒会の仕事があると一度別れ自身も下校の準備をする。

教材を鞄に詰め席を立とうとした時

一人の男子生徒に声を掛けられる。


「桜、一緒に帰らないか?」

この「やらないか?」の雰囲気で話し掛けて来た男は、明といい校内でもイケメンランキングに入る爽やか系スポーツ男子、もちろんサッカー部である。

そして将来、DV旦那になる才能も持っている。

そう、桜が前世で失敗した第一原因だった。


「帰りにマ⚪︎ク寄ろうよ、奢るからさ。」

そうそう、こいつは最初は優しいのだった、典型的なDV男だな。

私は、前世での経験もあり騙されないが他の女子なら着いて行ってしまうのだろう。


「奢りですか・・だが断る!」


「はっ?俺が誘ってやってるのに?」


「えぇ、結構ですからお帰り下さい」


「チッ、後悔するなよ!」

そう言って彼は教室を出て行った。


桜は一人残され考える。


・・ふっふっふ、言ってやった。

俺が?何様だよ!

後悔?絶手ェしね〜。

明日にはお前が振られた事が校内に

出回るんだよ!


桜は前世での恨みを少しだけ返せた気がした。


帰宅した桜は部屋に入るなり制服を脱ぎ散らしラフな部屋着に着替え

机の写真立てを見る。

その写真は桜と、光希が幼い頃のもので、泣いてる光希を桜が頭を撫でているところだった。


この頃は泣き虫で可愛かったのになぁ。


すると桜のスマホにメッセージが入る、光希からだ。


光希(今晩も一人でしょ?行っていい?)


桜(え?)


光希(ダメかな?)


桜(勝手に来ると思ってた)


相変わらずの返信スピードに感心しているとインターホンが鳴る。


玄関先にいたのかよ!

ならもう勝手に入ってきたらいいのに。

なんて考えながら玄関を開けると

優しく綺麗な瞳を更に輝せた光希がいた。


犬かこいつは。


「そこまで来ているなら勝手に入ればいいじゃん、鍵も持ってんだし」


「それが、緊張して。」


「はい?今更?

あんたは家族みたいなもんだから

ただいまでいいんだよ」

なんて桜が微笑んでいると光希は微妙な顔をする。


「家族じゃダメだよ、俺は桜の事が・・」


「はいはい、私は辞めときなって

あんたならもっと良い娘が見つかるよ」


「そんな事!」


「それより晩御飯どうする?

なんか頼もっか?」


「う、うん」


光希には幸せになってもらいたい

これは本心だ。

だから私なんかを選んじゃいけないんだ、前世の記憶のある私なんかじゃ彼を幸せにする自信がない。

だから良い人が現れたら心良く見送って?やろうと思う。


その日は二人で出前をとり、同じ部屋で寝る、もちろん布団は別々だ。

翌朝、桜が起きると光希は綺麗に布団を片し部屋には居なかった。

欠伸をしながらリビングに入ると

やはり爽やかなイケメンが制服に巻きエプロンを付けキッチンで腕を振るっている。


あれか?モ○ズキッチンか?


綺麗に盛られた朝食をテーブルに並べ「どうぞ」と言わんばかりにこちらを見ている。


はいはい、食べますよ。


桜が一口食べ「美味しい」と言うと

その笑顔をパーッと輝かした。


やっぱ犬だな。


その日も二人は仲良く登校し、学校へ着くと教室が違う為別れる。


しかしなんだろう、光希は毎日教室に着くと悲しそうな顔をする。

まるでオヤツの貰えなかった子犬の様な顔を・・


そして午前の授業が終わり、お昼休み。


「桜っち!

あれ?今日は彼氏と一緒に食べないの?」


「ん〜、わかんない。」

いつもならチャイムが鳴ったと同時に訪問してきて餌を、じゃない弁当を食べようと言ってくるのに。


あっ!今日の弁当あいつが持ってたんだ・・

探すかぁ・・


弁当を、いや、光希を探していたら

気まずい所を見てしまう。

光希が中庭に呼び出され告白を受けているではないか。

彼女は一年生の工藤 嵐子。

あらしこと書いてらんこ。

前世では光希と付き合い結婚したという噂を聞いた幸せだったかどうかは知らないが。

これはチャンスかもしれない、ここで私が突き放せば工藤さんと幸せになれるかも、何より私に依存しなくていいようになる。


桜はその場をスルーし弁当を我慢する事にした。


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