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こんぺいとう/文字の海
『こんぺいとう』
きらきら、光るお星サマみたいな砂糖菓子は、瓶詰された世界の中でどの光も通さないで、私の想像の中だけではじけきらめく。瓶詰世界は狭くて暗い、少しだけ、息苦しい教室にも似ていた。星の形の砂糖菓子はがりりと噛むとひどく甘くて、それだけは私の目に見える苦い世界と違った。
『文字の海』
「この文字の中で私たちは漂流している。それはあたかも水の中でエラ呼吸をつづける魚のように。ただ、この海は膨大な文字のものだ。だから自分の居場所を理解しなくちゃあならない、だって、そうでもしないとすぐさま溺れて沈んでしまうのだから」
2013.Mar15