わたしの恋のすべて
全体的に女々しいです。
作者淡の個人的体験によるぽえみーでえっせい風味な文です。
さよならしようと言ったのは、わたしからでした。
『ごめんなさい。ほんとうにごめんなさい。
今までずっと悩んでて、言おうか迷ったけど、
また、ゼロからはじめさせてください……。
前からわたしはあなたが好きで、今も本当に大好きだけれど、よくわからなくなって。
わたしは本当はどうしたいんだろう、って、どんな種類のすきなのかなあって、一生懸命考えたけれどわからなくなって、
だから、いっぱい迷惑かけて、困らせてごめんなさい。
わたしは今も大好きだし、愛してる。しあわせでした。
また友達から、なんて甘いことを言うつもりはないし、嫌いになってもいいよ。
でも、わたしはこれからもあなたと、仲良くしたいと思ってる。
陳腐な言葉を並べただけに聞こえるかもしれないけど……、これがわたしの本心です。
どうか、信じて欲しいです。』
あのひとからの返事は、大丈夫。気にしなくていいよ、だった。
今の自分たちの生活が幸せなら、それでいいと思わない?
そう言ってくれることが嬉しかった。
でも、
本当は、ずっと一緒にいたい。
ずっとずっと、一緒に歩いていきたい。
手を繋いで、抱き締めて、抱き合っていたい。
好きだよも愛してるも言い足りない。
まだまだ、いっぱい、したいことがあった。
あのひとがくれた分だけ、あいしてるを言いたかった。
だけどわたしたちはもう、遊びで済まされるような子供じゃない。
ただの遊びで、済ませられるような関係でもない。
遊びで終わらせるには、本気になりすぎた。
ただの友達だと言うには、深すぎた。
結局私たちはなんだったんだろう、ってあとから聞いたときに、
恋人だったんだよね、って笑って言えるような関係でもなくて。
あやふやで曖昧で、よくわからない関係で。
ねえ。
もしも、って思ったことはない?
もしもあなたが男だったら、ずっと一緒に居れたかな。
もしもわたしが男だったら、ずっと一緒に居れたかな。
堂々と手を繋いで歩いて、抱き締めて、抱き合って。
結婚をして、子供が産めたのかな……って。
でも、現実はわたしもあなたも女で、結婚することも、子供を産むこともできなくて。
わたしはあなたのために何も残せない。
あなたのために何もできない。
お互いのためにベストな選択をしたいと思ってた。
ふたりで笑いあえる未来があるなら、それが一番だと思ってた。
ふたりで生きていける未来があるなら、それを選びたいと思ってた。
だけどそんなものはなくて、ただ、どうしようもなくて。
あなたが悩んでるなら別れることだって辛くない。
なんて言えないよ、言いたくなかったよ、本当はすごく辛かった。
選んだ道は間違ってはいないと思うけれど、でも後悔してる。
ほんとうは今も愛してる。
あなたを好きになってよかった。
あなたを愛してよかった。
あなたに好きになってもらって、愛してもらって、すごくすごく幸せだった。
あなたのために何も残せない私だけど、傍に居られて幸せだった。
あなたと笑ったり泣いたりできてよかった。
あなたが愛してるを言うたびに、私は泣きそうになるんだ。
しあわせすぎて。
喧嘩した日も、満たされた日も、傷ついた日も傷つけた日も、泣いた日も笑った日も、怒った日も怒られた日も、褒められた日も、冗談を言い合ったり睦言を交わしたりした日も、全部全部宝物で。
そのすべてが、愛しかった。
あなたには悪いところなんかなくて、
強いところも弱いところも、たまに消えそうになるくらい儚いところも、強引なところも、優しいところも、全部全部大好きだった。
わたしはあなたを離れて、ひとりで立って歩いて行くけど、
疲れた時は、ちょっとだけ寄りかからせて。
わたしからの最後のわがままを、これから守ってね。
決して泣いたり、傷ついたりしない未来を選んで、どうかどうか幸せになってください。
活動報告の方で励ましてくださった先生方、大好きです。
今度は素敵な恋がしたい。