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ヤンデレ主人公の妃になってしまいました 〜実は溺愛されていた件について〜

作者: 二枝秋

目を覚まし、目の前にあった鏡を見ると見知った顔がいた。

(どういうこと?私、死んだんじゃ…それにこの顔って…)

ミアは、自分がやっていたゲームのヒロインツェシィになっていた。

(つまり、私は転生したってこと…?)

そんなことを考えていると、侍女がやってきた。

「ツェシィお嬢様!おはようございます!」

「お、おはようセレン…」

(ど、どうしよう…)

焦っているのも無理はない。

このゲームの主人公は、ヒロインが他の男と話しているだけで嫉妬をするかなりのヤンデレである。

(彼に会う前に何とかしないと…)

「お嬢様?どうされました?」

「なんでもないわ!」

「そうだ!お嬢様!」と突然セレンが言い出した。

「どうしたの?」

「レイル殿下がお嬢様に会いに来るみたいですよ!」

「へ…?殿下が…?」

「はい!」

(終わった…)とミアは絶望した。

「まもなく、来られるみたいですよ!」

「待っ、待って!まだ心の準備が…」と言っていたのも虚しく、レイルはスパンッと扉を開けた。

「レ、レイル殿下…ご、ごきげんよう…」

「ああ」

(多分、今の段階ならレイルがヤンデレになる要素はほぼないから大丈夫なはず…)

レイルはジッとミアを見つめる。

「セレン…すまないが、少し席を外してくれないか?」

「私がいたら、マズイですか?」

「そういう訳ではないが、少し2人だけで話したいことがある。」

「かしこまりました。そういう理由でしたら、私は席を外させていただきます。では、お嬢様失恋します。」

と言って、セレンは席を外した。

内心ミアは、(待って、行かないで!2人きりにしないで!)と言わんばかりに手を伸ばしたがセレンはウインクだけをして去っていった。

重苦しい空気が続く。

「あの、殿下…?侍女を下げてまでお話しとは一体…?」

少し、レイルは黙ってから言った。

「君は、ツェシィではないな」

「えっ!?私は、ユティですよ!?」

「私の目は誤魔化せない。素直に認めるといい。」

「は、はい…」

「やっと、会えた…」

その言葉にミアは少し疑問を抱いた。

(やっと、会えた?)

「あ、あの、それはどういう…」とミアが話してる途中に、レイルはミアを抱きしめた。

「⁉︎」

「ずっと、あなたに会いたかった!あなたの名を教えてほしい。」

「ミアです…」

(どういうこと?私はあのゲームのプレイヤーでレイルは主人公のはず…)

ミアが困惑していると、レイルは体を離し口を開いた。

「実は、私があなたがここに来るように願ったんだ。」

「え?」

「画面越しではなく、直接あなたに…いや、ミアに会いたかった。」

「え、えっと…」

「困らせてしまって、申し訳ない。ミアには私の…」

レイルが言おうとしたとき、侍従がやってきた。

「お話中のところ、申し訳ありませんがそろそろお時間です。」

「わかった。途中にして申し訳ないが、またゆっくり話そう。」

「は、はい…」

(殿下は何を言いかけたのだろう…)

モヤモヤしつつ、月日が経った。

「ツェシィは、いるか。」

「殿下!?」

ミアは着替え中だった。

ミアの周りには侍女だけでなく、レイル以外の男の姿もあった。

見たところ、侍従の格好ではなく自分と同じくらいの立場の男がいた。

「すまない、着替え中だったとは…ところで、何故ここに男がいる。私のツェシィの着替え中だというのに。」

「すまないが、男は出て行ってくれないか?」とニッコリ笑いながらレイルは言った。

(まさかここで、その要素を見ることになるなんて…)

レイルにそう言われた男は、「ご挨拶が遅れて申し訳ない。私はこの国の第2王子のルキというものです。私はユティ嬢に本日の社交界の相手をして欲しいと頼まれてここにいます。」と言った。

(この国の…と言ったか?)

「私は、君を見たことがない。」

「そのはずですよ、レイル兄さん。俺たち兄弟は碌に顔を合わせることもないまま育てられたのですから。」

「なるほど、分かった。では、その相手は私がやるからお前は帰れ。」

「えっ、でも…」

「帰れ。二度も同じことを言わせるな。」

鋭い目つきで、ルキを見る。

「わ…分かったから!」

そう言って、ルキはその場を立ち去る。

(そ、そんな…ルキ様、帰っちゃうなんて…疎遠だったとはいえ、兄には逆らえないものなの?)

そんなこんなでミアの着替えが終わった。

「レイル殿下…その…どうでしょうか?」

「とても綺麗だ…と言いたいところだが何故私ではなく、ルキにお願いしたのかを聞こうか。」

「あのですね、殿下は公務がお忙しいかなと思いまして…それでセレンに聞いたところ、ルキ様にお願いしようと言うことになったんです。快く引き受けてくれて…殿下?」

レイルの方をチラッと見ると、何故か悔しそうな顔をしていた。

ミアが、オドオドしている。

「いや、私のことは殿下と呼ぶのに弟のことは呼び捨てなんだなと思って」

「そ、そうですかね…」もミアが言うとレイルはミアの耳元に近付いて言った。

「普段は、私のことを名前で呼んでいるのだろう?」

「〜!!」

(それは、そうだけど!でも、それはゲームをやっていたからであって!!)

フッと笑ってレイルは去っていった。

すると、ミアは言った。

「待って下さい!その…社交界の件ですが、レ、レイル様に相手をお願いしたいです!それに…」

「それに?」

「あの時、言いかけていたこともお聞きしたいですし…」

「構わないよ。ミアがそれを望むなら」

そう言って、ミアの手を取り手の甲にそっとキスをした。

ミアの部屋を去った後、レイルが自室に着いた頃のことである。

「はぁ…まさか、私の願いが本当に叶うなんて…絶対に私の妃にする。他の男には指一本触れさせたりなんてしない。ミアは私のだ。待っててね、ミア。必ず私の妃にするから。」

と思いを爆発させていた。

侍従は少しため息を吐いていた。

そして、社交界当日。

レイルは、第1王子ということもあってか注目の的になっていた。

その隣にはツェシィが歩いていた。

「ツェシィ、この時を一緒に迎えることが出来てとても嬉しいよ。」

「私もです…レイル殿下…」

(そうよね、今は周りに沢山人がいるから本来の名前では呼ばないのよね…って、何を私は残念がっているの!本来のヒロインではないのに!)

「ツェシィ、私と踊っていただけますか?」

「是非!」

ミアは踊りながら、あの時言いかけていたことを聞いた。

「その…レイル様、あの時何を言いかけていたのですか?」

「そうだね。あの時、ユティに私の妃にならないか?と言おうとしたんだ。」

「私が…妃に?」

「そう。ユティが私の妃になれば変な虫が付かなくていいだろう?だから、私の妃になって欲しいんだ。」

「で、ですが!」

(そもそも、私は転生した身で…本来のヒロインじゃない…だから、レイルの妃になるだなんて…)

「ツェシィの素性のことは分かっている。不安なのは分かるが私は本気だよ。」

「少し、考えさせて下さい…」

「分かった。返事をする勇気が出たら私を呼んでほしい。」

「はい…」

ユティの自室に着き、さっきのことを考えていた。

すると、セレンがやってきた。

「お嬢様、素敵でしたよ〜!殿下とお似合いでした!」

「あ、ありがとう…」

(そうだわ、セレンに相談してみるのもありかもしれない!)

「ね、ねえ!セレン」

「どうしました?」

「私が、レイル殿下の妃になるって言ったらあなたはどうする?」

「そうですね…私は侍女として変わらずお嬢様に仕えると思いますよ!」

と、セレンは言った。

(腹を決めるしかなさそうね…)

「セレン、レイル殿下をここに呼んでちょうだい」

「かしこまりました。」

そうして、レイルがツェシィの部屋に来た。

「私を呼んだということは、心は決まったということかな?」

「はい。私は、レイル様あなたの妃になります。」

「そう言ってくれて、嬉しいよツェシィ。」

そう言って、レイルはミアに口付けをした。

「⁉︎⁉︎」

「あ、あの、レイル、様…何を…」

「嬉しさの余りキスをしてしまった。」

それを聞いてミアは口をパクパクとさせていた。

「嫌…だったか?」とレイルはシオシオしながら聞いた。

「嫌…ではないです。私も…」

とセレンがいる手前、前世のことを話してしまうことになるのでレイルの耳元に近づいて言った。

「私も、あなたにキスされたいって思ってましたし…」

(いつも、そんなこと妄想してたとは言わないでおこう…)

そう言ってミアがレイルの顔色を窺うと、とても嬉しそうな表情をしていた。

「そうと決まれば、準備をしよう。」

「準備…ですか?」

「ああ。婚約の準備だ。ツェシィは私の妃になるのだからな。」

「気が早いですよ…レイル様…」

「いいや、早くない!即行動だ!」

「そ、そんな!セレン、助けて!」

「諦めて下さい。お嬢様」

「なんで〜!!」

少し判断を誤ったと思うミアであった。

そんな2人が、正式に式を挙げとても仲睦まじい夫婦だと噂されるのはまた別のお話…

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