週間リーク 特集1 〜忍び寄るカルトの影〜
皆さんは、天の階教会というカルト教団をご存知だろうか。
最近、このカルト教団に関する黒い噂が絶えない。
この教団は「雲上」と呼ばれる一種の出家を推奨しており、「雲上」したものは神奈川県某所で共同生活をすることとなっている。
そこで、どのようなことが行われているのか、本誌は教団本部へ電話でアプローチを試みた。対応した感じの良い女性教団員が言うには「近く起こるインパクトに備え、清貧の中、修行している」とのことであった。
本誌が一歩踏み込んで、雲上に参加している信者の家族から、信者である彼らが囚われているという訴えが上がっている事をどう思うか、またどう対応するのかと質問を向けると、「そんな事実はありません」と電話は切られた。
しかし、そんな事実は、確かにあるのである。
カルトバスターとして活躍する弁護士の大藪悌悟氏は言う。
「天の階教会に家族を攫われたという相談がわたしの元に4件来ています。攫われたかどうかは疑義のあるところで、この事が問題を難しくしているのですが、ご家族が信者となり、雲上に参加した息子や娘、母親に会えない、連絡が取れない状況が続いています」
この元ラガーマンで正義の光を目に宿す大藪弁護士は続ける。
「今、わたしは教団側に家族との面談を求めています。また、司法にも訴えを上げています」
もう一つ、この天の階教会が登場する事件を一つ読者に提供したい。
それは昨年、長野県で起こった一家心中である。東京都港区に住む一家四人(二人の子供はまだ小学生であった)が長野県の山道で練炭自殺を図った。
この事件が、このまま終われば、不幸でありこそすれ、珍しくはないこととして片付けられたかもしれない。
しかし、一家には多額の保険金が掛けられており、その保険金の受け取りが天の階教会となっていたのだ。
読者諸氏はこの事実をどう考えるであろうか。
少なくとも、本誌は、天の階教会について調べ、分かった事を読者諸氏に知らせるべきと考え、調査を進めた。
天の階教会の設立は意外に古く1957年に千葉県佐倉市で農地開放によって落ちぶれた地主の娘、鈴木よねが17歳の時に聖母マリヤから天啓を得たことから始まる。
その活動は信者が物や金を持ち寄り、お互いに融通し合うという互助会のようなもので、細々と続けられていた。
1990年代には近隣の八千代市や成田市にも支部ができ、信者数は300人余りになっていた。1994年に鈴木よねが死亡。よねは未婚であり、子も無かったので、甥である鈴木佑が教団を引き継いだ。
本誌の取材によると、この頃、教団は解散の危機を迎えていたようである。
天の階教会は、鈴木よねのカリスマで保っていた。
よねは教えや、教典を残す事をしなかったために、よねの死により、信者を繋ぎ止めることが難しくなっていたようである。
そこで、佑氏は外部から人を入れ、教団の再構築を図った。ここからは、本誌の推測となるが、その人物が教団の教えや制度、教典の整えを行ったのだろう。
それは成果を上げ、今や、天の階教会は全国2万人の信者を有するカルト教団となっている。
さて、天の階教会の再興を担った人物とは誰か?
今、仮にミスターXとする。そのミスターXは、どこから来たのか?
その年代から、1995年のカルト争乱の残党が関わっているのではないかというのが、本誌の到達した仮説である。
今後、取材を進め読者諸氏に真実を届けられることを願っている。




