.
水商売は連絡先をどう交換するか、ガツガツしていると、お客様は逃げていく、
どのタイミングが一番自然か。
お客様のお財布事情も把握していないといけない。
お財布事情は最も大切だと思う。無理させて借金させることになりかねない。
そして家庭のあるお客様はお小遣いで飲みに来る。
会話の中からそういう情報をうまく引き出すのもホステスの腕だ。
失敗してお客様を怒らせることもあったが、
コツを掴み連絡先を交換するタイミングが早くなっていた。
フリーのお客様には約10分しか付けない。
もたもたしていると次の女の子が入れ替わりで来てしまい、
連絡先を交換できなくなったり、
自分を指名してくれるお客様がくるとその席から離れなければならない。
お店側も新規のお客様を開拓したいので、早く、そして確実に、
連絡先の交換が出来る子を付けたいのだ。
黒服に
「連絡先、交換できた?」
「うん、ちゃんと聞いたよ~」
「お前、早いなぁ。2~3分しか付いてないだろ?」
二の腕をたたき、
「こ、こ、よ。」
と笑いながら、あちこちのテーブルに回る。
お客様一人に対し、何人もの女の子が着き、そのうちの何人かは連絡先の交換も、きっとしているはず、私なんかは1番にフリーに着くが、
たくさん女の子が着くと忘れられてしまう。
なので、次の日のお礼メールでどう差をつけるかが、本当の意味で腕の見せ所だ。
みんなだいたい、当たり障りなく
『昨日はご馳走様でした、楽しかったです。また会えたらうれしいな』
というような内容のメールを送るが、もうそんなメールは見飽きているし、
大勢の中の一人になってしまう。
それを避けるには、一ひねりが大事なのだ。
私の場合、
『昨日はご馳走様でした。お話しされていたお子様(または奥様)へのプレゼントを買ってまいりました。気に入ってくださるかわかりませんが、
いつもお仕事でお忙しいので、お子様(奥様)へお帰りになったらいつも有難うと
お渡し下さいね』
と伝える、そして気を遣わせないように、安めの小さなおもちゃや、
奥様には小さなお花を買っておくと、だいたい喜んでくれて、
取りに来るついでに、その日の同伴や指名が取れる。
そして、奥様にも喜んでいただける。
こういう心遣い一つがとても大事なのだ。
独身の方で煙草を吸う方には、タバコをカートンで置いておき、
切れたらお渡しすると喜ばれ、タバコを吸わない方は、
お酒の飲み方、例えば、ロックなのか水割りなのか、
焼酎かウィスキーなのかをメモし、前回話した内容をメモしておくと、
良く覚えてたなと喜んでくださる。
どんな仕事も同じだと思うが、どれだけ気配り目配り心配りが出来るかで、
大きく差が出るのだと思う。
ましてや私たちは水商売、世の奥様方には毛嫌いされるのだ。
言い方は悪いが、奥様に気に入られるとお客様はお店に来やすくなるのだ。
「あぁ、怜奈ちゃんのお店ね。行ってらっしゃい」
と気持ちよく出してくれるのだ。
たまに奥様がどうしてもお礼が言いたいとご夫婦で飲みに来られる方もいた。




