表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
坂の上のりんご  作者: さくら れいな
10/24

3.高校卒業

高校を無事、卒業した私は社会人として社会にでる。

 卒業前に、会社説明会でトラックの運転手の会社に内定をもらっていた。

 何度か会社見学にも行ったが、家から電車で1時間、会社のある最寄駅から30分近くも歩く場所にあるため、朝は3時に起きて4時半に家を出る。

会社につくのは6時で、6時半から始業になる。

 朝は早く、また会社に着くまでに疲れてしまい、通いきれず、すぐに辞めてしまった。


 そして次の仕事を探すのだが、子供の頃に母の着物姿をみて、良く似合いカッコいいとさえ思った。

 毎日着物を着る仕事がしたいと思い、たまたまテレビでやっていたホステスの話を見て、「これだ!」と思い、勢いと着物への憧れだけで、何も考えず親には内緒で翌日には横浜の関内という飲み屋街にあるクラブに面接を受けに行った。

 お店を選んだ理由は家を出たかったので寮があり、関内でも有名な老舗のお店にしたかった。

 若かったこともあり、即採用され、その日から働くことになった。

 


 艶やかな色気のある大人の女性たち、女の私でも惚れそうなくらいみんな素敵な女性ばかり。

「場違いなところにきちゃったかも・・・」

 少し後悔したが、昼と間違えそうなネオン街に飛び込んだ。

「いつかお姉さんたちみたいになる!」


 この頃は、「仕事は見て盗め、聞く奴ほど無能」と言われた時代である。

 今は接客前に簡単に指導を受ける。

 灰皿の交換のタイミング、お酒の作り方、お客様のグラスはどのくらい減ったら作るのか、

その他諸々を教えてくれる。

 私の時代はぶっつけ本番で、いきなり何も教えられぬまま席に着く。

 なのでお姉さんから

「お酒作ってくれる?」

 と言われても、作り方がわからない。

 両親はいつもビールを飲んでいたため、ビール以外のお酒の作り方が分からず、

「すいません、お酒の作り方教えてください」

「なんだお前、酒も作れねぇのかよ」

 と嫌な顔をされた。

 ただお姉さんたちからは、

「いやだ、可愛い!じゃ、教えてあげるけど、なかなか教えてくれる人いないから、私の席で全部覚えなさい、名前は?」

「はい、玲奈です」

その日一日、彼女と一緒に席を回り、いろんなことを教えてもらった。

入店して1週間後、

「なかなか筋がいいじゃない。あんた売れるわよ」

 

実は彼女はこのお店のNO.1であった。

 NO.1の席に入店初日の女の子を付けることは、絶対にしない。

 万が一、お客様を怒らせ、そのお客様が来店されなくなればお店にとってもホステスにとっても大打撃であるからだ。

 だが、そのお店にはママとチーママがいたが、ママは私をその席に付けた。

 そして、NO.1の彼女は普段、絶対に入ったばかりの子に仕事を教えることはしない。

 だがなぜか、彼女は私に色々なことを教えてくれた。

 後々、彼女とママには心から感謝した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ