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前世で処刑された大聖女は、聖女であることを隠したい  作者: 延野正行
第二章

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30/73

おまけ

ここまでお読みいただきありがとうございます。

おかげさまで、アルファポリスのHOTランキングで初めて1位になることができました。

ひとえに読者の皆様のおかげです。

次の三章で、第一部完結となりますが、引き続きご愛顧いただけたら幸いです。

よろしくお願いします。

 こうして合格発表会が終わった。


 終わってみれば、最悪なシナリオだ。

 まさか学校を通り超して、もう軍人になるなんて。

 ちょっと展開早すぎないかしら。


 幸いお給金はそれなりに出るし、官舎があるようだから宿にも困らない。

 ヴェルちゃん、ルースが同期ってのも救いよね。

 それでもメンタル的にかなりやられてたわ。師団に入ったら、今以上に目立たないように気を付けないと。


「ミレニア、ちょっと聞いてるの?」


 ふと我に返った時、目の前にヴェルちゃんの顔があった。

 相変わらずお人形さんみたいに可愛い。

 私たちは講堂から指定された教室に向かっていた。なんでも、師団に入ることが決定した私たちだけで、これからの生活についてオリエンテーリングを行うらしい。


 ルースは何か用事があるらしく、後から来るという。

 今はヴェルちゃんと二人っきりだ。


「えっと? どうしたの、ヴェルちゃん」


「その……。ありがとうね。あんたにもお礼を言っておくわ」


「お礼?」


「あたしを説得するために、思い留まらせるために辞退するって言ったんでしょ? それぐらいわかるわよ。……悪かったわ。巻き込んで」


 うわ~~。ヴェルちゃん目線、そういう解釈なんだ。

 結果的にそういう風に見えるよね。


 うう、言えない。本当に辞退したかったのだと。


「き、気にしないで。ヴェルちゃんと一緒にいたかったのは事実だし」


「ななななな、なんで? ああああああ、あなたはそういうことを恥ずかしげもなく」


「二ヒヒヒ……。ヴェルちゃんの頬が真っ赤だよ」


「う、うるさいわね! 別に真っ赤になんか。……あ、あとあんたに言いたいことがあるわ」


 ヴェルちゃんはプルプルと指先を震わせながら、私を指差した。


「なに? ヴェルちゃん?」


「その呼び方よ。……子どもみたいで嫌なのよ」


「ええ……。でも、ヴェルちゃん子どもじゃない」


「あんた、本当に燃え滓にしてあげようか」


 ヴェルちゃんの手から炎が溢れ出す。


 ストップ! ストップ、ヴェルちゃん。それ以上はいけない。


 気を取り直して――――。


「だから……。せめて呼び方を変えて」


「じゃあ、ヴェルマジ天使とか」


「何よ、それ! ていうか、名前なの!?」


 早速、却下された。ええ……。これ以上、いい呼び名なんて考えられないんだけど。


「た、単純に考えなさいよ……。う゛ぇ、ヴェルでいいでしょ」


「へ?」


「その代わり、あたしもミレニアって呼ぶから」


 そ、それは……。「あんた」からの、名前呼びへの大昇格と考えていいのかしら。

 やった! やっとヴェルちゃん――もといヴェルが私にデレたわよ。


「むふふふ……」


「な、何よ、気持ち悪いわね」


「だってぇ。さっきまで私に対抗心剥き出しだったヴェルが、名前呼びを許すなんて。成長したなあって。お母さん、泣きそう」


「何をしみじみと! ていうか、いつからあたしのお母さんになってるのよ、あんた」


 そこはもう「あんた」じゃなくて、「ミレニア」を使っていこう。


 でも、まだ馴染めないのか。

 それとも激オコモードなのか。

 あるいは私の頬に平手でも打とうとしているのか。


 さっきからピョンピョン跳びはねるだけで、ただひたすら可愛いというだけだった。


「はあ……。やっぱりヴェルは可愛いなあ」


「ちょ! だ、抱きしめるなあ……」


 私は自分から近づき、ヴェルを抱きしめるのだった。


これにて2章が終わります。

ここまでお読みいただき如何だったでしょうか?

「面白かった」「続きを早く」「3章まだ?」と思った方は、

作者を唸らせるぐらいブックマークと、下欄に☆☆☆☆☆を★★★★★にしてもらえると嬉しいです。

めちゃくちゃ執筆が捗ります! よろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] ライバルに溺愛されてる(笑)ヴェルたん可愛い
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