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第十四話 ゴブリン討伐クエスト《終》

 書き忘れてたかもしれないので、ここで一応書きます。

 後から確認します。


 冒険者にはランクがあり、次のように上から順にランクが高いです。

 Sランク。

 Aランク。

 Bランク。

 Cランク。

 Dランク。

 Eランク。←オルガン&ソフィア。

 となっています。


 ランクアップにも条件があり、それをクリアしないとランクアップできないんですが、ギルドが特例と決めた場合のみ飛び級でランクアップできたりします。


 最強のSランク冒険者は世界で三人しかいません。

 一人一人で国の一つや二つは落とせます。

 





「御主人様ぁあああ!」

「うぐっ!?」


 二匹のゴブリンが倒れて、ソフィアがすぐに俺に抱きついて来た。

 というか、跳んできた。


「大丈夫ですか!? 御主人様!?」

「あ、ああ……っ!」


 ソフィアはペタペタと身体中を触って確かめた。

 俺の手足が付いてるか、どこにも穴がないか。


 結局、俺の傷は火傷だけだった。


「《回復ヒール》!《回復ヒール》!《回復ヒール》!《回復ヒール》!《回復ヒール》!」


 火傷だけなのにソフィアは白魔法《回復》を重ね掛けしてきた。

 そのおかげで火傷する前より元気になった。


「《回復》!《回復》!《ヒー》……」

「ソ、ソフィア! 大丈夫。もう大丈夫だから!」

「ほ、本当ですか!? 無理をしてるとか……!」

「してないから! 大丈夫だ!」


 そこまで言って、ようやくソフィアはやめてくれた。


 最後に討伐証明のためにゴブリンの耳を切り取った。

 ゴブリンの耳は上位種によって大きさや形が変わるから見分けやすい。

 だからゴブリンの討伐証明にはゴブリンの耳がよく用いられる。

 ゴブリンの耳を異空間に収納した。


 ゴブリンウィッチ一匹。

 ホブゴブリン二匹。

 ゴブリン二十一匹。

 合計で三十四匹の巣だった。






 俺達は外に出ると、ゴブリンの巣を崩壊させた。

 このままにしておくと、新しいゴブリンが住み着くかもしれない。


 まずエリーン農場に行って、討伐完了の報告をした。

 エリーンさんにはお土産として沢山の野菜をくれた。

 畑で作った自慢の野菜だそうだ。

 ありがたく貰った。


「私、料理も得意なんですよ」

「そうなのか?」

「はい。後でフランさんに台所を借りて、調理しますね」

「おう。よろしく頼む」


 ソフィアはやる気になっていた。

 フランさんの料理も美味しかったが、ソフィアの料理も楽しみだ。






 そしてギルドへ戻って報告を行なった。

 アンナがいたので対応してくれたんだが……。


「早過ぎますよ!?」

「そうなのか?」

「そうですよ! 普通、上位種のいるゴブリンの巣を正攻法で攻略するのには、かなりの時間がかかります! 洞窟型なら尚更です! しかも、これは移動時間を含めての“三時間”ですよ!? これが本当なら冒険者ギルド創設以来の最短記録になります!」


 それは大袈裟じゃないか?

 正直、あの程度なら誰でもできる気がするんだが……。


 まだ信じられないようでアンナが聞いてきた。


「も、もしかして時間を誤魔化してたり……」

「してないぞ」

「してないですね」

「それとも、誰か助っ人を呼んだり……」

「してないぞ」

「してないですね」


 驚愕の顔をしているアンナ。

 そんなに“三時間”で帰ってきたのが珍しいんだろうか。


「まあ、もしそうだとしたらソフィアのおかげだな。助けられたよ」

「全て御主人様の力です。私は何もしてません」

「いや、奇襲されなかったのはお前のおかげだろ?」

「私が出来るのは敵の察知くらいですから。ゴブリンを倒したのは御主人様です」

「ちょちょちょ、ちょっと待ってください!」


 またも驚愕の顔でアンナが聞いてきた。


「一度も奇襲されなかったんですか!? 本当に!?」

「あ、ああ」

「そ、そんな……。ゴブリンの討伐では奇襲が一番恐ろしいんですよ!? それを回避するのは不可能に近く、上位冒険者でも最低一度は奇襲されるほどです!」


 今度は青ざめた顔で信じられないものを見ているように俺とソフィアを見比べてきた。


「あ、あははっ、もしかしてオルガンさん達、滅茶苦茶強い?」


 乾いた笑みを浮かべるアンナ。

 何をそんなに驚いているのか。




「それより、話を進めよう」

「あ。そ、そうですね。こちらが依頼主からの報酬の一万ギルです。それと上位種を討伐したようなのでギルドからの特別報酬が出ます。ゴブリンウィッチの耳に五千ギル。ホブゴブリンの耳二つで二千ギルです」


 元々の依頼主の報酬と特別報酬で、合計で一万七千ギルが俺の前に並べられた。

 

 まあまあの報酬だ。

 初めてにしては中々じゃないか?


「もう。これも凄いんですよ? 新人冒険者がこの報酬は破格中の破格なんです。下手をすれば、Cランク冒険者よりも貰ってます」


 そうなのか。

 冒険者のクエストの相場がよくわからないな。


 聖騎士は基本給制だったから。

 どんなに働いても金は決まった額しか入らなかった。

 まあ、その分の給料は高かったからいいんだけどなぁ。


 まあ、貰っておこう。


 俺は異空間に報酬を収納した。


「ーーーーこれは、一度ギルドにランクアップの申請をした方がいいかもしれませんね……」

「ん? 何か言ったか?」

「あ、いえ! 何でもありませんよ!」

「そうか? それじゃあ、俺達はもう行くぞ?」

「はいっ! またのお越しをお待ちしてますね! オルガンさん! ソフィアさん!」

「じゃあな」

「お疲れ様です」


 俺とソフィアはそれぞれ、アンナに挨拶してからギルドを出た。






 

 俺とソフィアがギルドを出ると、冒険者達は一斉に語り出した。


「おいおい。アイツ、新人のくせに報酬を一万七千ギルも貰ってたぞ?」

「生意気だな。シメるか?」

「だがアイツ、この前デブンの奴を一睨みして怯ませた奴だぞ」

「嘘だろ? アイツはああ見えてBランク冒険者なんだぞ? 新人に花を持たせてやったってことは……」

「んなこたぁしねぇよ」

「うお、デブン!?」

「あんな殺気は初めてだった。あの時は死んだかと思ったよ。それに、隣の女の子も只者じゃねぇな」

「あの奴隷のおっぱい大きい子だろ? だが盲目だぞ?」

「俺はあの子の突きに反応できなかった」

「ははっ。見惚れてたのかよ?」

「馬鹿野郎、ガチだよ。仮にもBランク冒険者の俺が反応できないほど早い突きだったんだ。戦士の俺が、な」

「そんなの、Aランク冒険者クラスじゃねえか」

「ああ。あの女の子はな」

「はあ?」

「隣の男はそれ以上だ」

「それってSランクって事かよ!? 世界で三人しかいない、最強の冒険者なんだぞ!?」

「さっきも聞いてたろ? ゴブリンの巣を三時間で攻略したんだぞ? それも、ここから往復の時間も含めてだ。そんなのSランク冒険者にしかできねえよ」

「オルガンとソフィア、か」

「覚えといて損はねえな」

「まあ、あれだな。何にしても……」

「ああ。これからが楽しみだ」


 冒険者達は娯楽に飢えていた。

 新しい才能を肴に冒険者達は酒を飲む。


 これから何が起きるのか。

 彼らが何をするのか。

 彼らはどんな成長をしていくのか。


 冒険者達は賭けをしながら、彼らの事を見守ることにした。


 冒険者達はすでにオルガン達を認めていた。


 冒険者の仲間として。



ここまで読んでいただきありがとうございました。

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