第五日『終わりの始まり』
参加者一覧
穴吹 和歌恵
稲崎 太一【死亡(初日夜)】
鏡 桜花
川淵 進【死亡(4日目夕処刑)】
小石川 未来
軸丸 夏希【死亡(3日目夜)】
島野 黎【死亡(初日夜)】
高浦 大祐
三溝 凛【死亡(2日目夕処刑)】
湯村 哲西【死亡(3日目夕処刑)】
鷲頭 朗真【死亡(3日目夜)】
瀬上 咲【死亡(3日目夜)】
宮田 涼
役職一覧(人狼サイド―勝利条件は村人サイドの全滅)
人狼(3人)―毎夜同室相手の一人を襲うことができる。襲われた相手は死ぬ。パスは一回のみ。人狼同士は誰が人狼か把握しており、また常に念波によってお互い意思疎通が可能。
狂人(3人)―夜中自殺を行うことで同室相手に疑いをかけることができる
役職一覧(村人サイド―勝利条件は人狼の全滅)
祈祷師(1人)―2日目以降人狼に襲われた場合、聖水で反撃することにより人狼を殺せる。1回限り有効
牧師(2人)―人狼に襲われた場合、お守りを使って防御することができる。1人1回限り
村人(4人)―能力はなし
時間経過について
昼(議論タイム)→夕方(投票タイム。公開投票。1番票を集めた人を処刑)
→夜(ゲームマスターがランダムに選んだ人が夜一緒に過ごす同室相手を選択できる。奇数人数の場合のみ最後の部屋は3人。能力の行使は基本ここのみ)
4日目までの動向
初日 夜
1「稲崎【死亡】―湯村」 2「小石川―宮田(主人公)」
3「鷲頭―瀬川」 4「高浦―鏡」
5「三溝―島野【死亡】」 6「軸丸―川淵―穴吹」
2日目 昼
湯村「村人CO(=カミングアウト、宣言のこと)」
三溝「村人CO→祈祷師CO→村人CO」
夕
「三溝」(七票)【死亡】……穴吹、軸丸、瀬川、高浦、宮田、湯村、鷲頭
「湯村」(四票) ……鏡、川淵、小石川、三溝
夜
1「穴吹―小石川」 2「鷲頭―鏡」
3「高浦―瀬川」 4「宮田―軸丸」 5「湯村―川淵」
3日目 昼
川淵「牧師CO。湯村防御宣言」
湯村「川淵は嘘を言っている」
夕
「湯村」(八票)【死亡】……穴吹、鏡、川淵、小石川、軸丸、瀬川、高浦、宮田
「川淵」(二票) ……湯村、鷲頭
夜
1「宮田―瀬川【死亡】」 2「軸丸【死亡】―高浦」
3「鏡―穴吹」 4「小石川―川淵―鷲頭【死亡】」
4日目 昼
宮田「祈祷師CO」→鏡「対抗祈祷師CO」
高浦「未防御牧師CO」
川淵「牧師CO変わらず」
小石川「狂人CO」
夕
「川淵」(三票)【死亡】……穴吹、鏡、高浦
「高浦」(二票) ……小石川、宮田
「小石川」(一票) ……川淵
夜
1「鏡―宮田」 2「高浦―小石川―穴吹」
――おはようございます。朝になりました。各自家の外へ出てください。またこれ以降、次の「夜」まで能力の行使を禁止します――
穴吹さんがいないか。しかし感情は全く動かない。まるで予定調和かと思うように。
ああ、気付いたらオレもとっくに壊れていた。もう誰かがいなくなっても何も思わなくなっちゃったんだな。
いや、そんなことは分かりきっていたか、どんなに取り繕おうとしても咲の死はオレの心をも冷たくしていっていたんだ。
――今日は穴吹さんが死亡しました。しかしまだ、人狼は潜んでいます。では「昼」を開始します――
残り四人。そしておそらく今日がこのゲームの最終日となるだろう。
切り出したのはオレからだった。
「単刀直入に言う。高浦――お前が人狼だろ――」
「えぇ、そうです。まあもう確定しているので言ってもいいでしょう。ちなみにいつから気付いてました?」
「三日目の夜、咲が人狼と知ったときだ。咲は初日と二日目、相手を襲っていなかった。つまり初日か二日目、どちらかで狼同士で同室をしていた。咲の初日の相手は鷲頭さんで二日目がお前だ。その鷲頭さんは三日目で亡くなったから、自動的にお前が人狼だって確定したんだよ」
「はははっ、あなたは少しだけ頭が回るようですね。咲さんがあなたを襲って祈祷師の力を削っていただいて大変ありがたかったです。もはやあなたはただのデク。頭が良くても、僕が一襲いしてしまえばあなたも無残な屍になってしまうのは大変残念ですねぇ」
意地の悪い笑みを浮かべ、こちらを睨む。あぁ、そうだ、そのとおりだよ高浦。
「なんですか、その目は。まだ諦めていないという目ですね。無駄ですよ。もうこちらの勝ちは確定しているんですから。ねえ小石川さん? 本当はただの村人か牧師なんでしょう?」
そう言って高浦は気持ちの悪い笑みを浮かべたまま小石川の方を向いた。
「……まぁどう足掻いても無理だな。詰め方は悪くないと思ったんだがなあ。高浦、お前は本当に慎重で頭の良いやつだよ。確かに私は牧師だ。狂人と言うのはさすがに冒険しすぎたか。無難に村人だと言っておいて昨日襲ってもらった方が良かったのか。ま、今更言っても詮無いことだが」
そういって、小石川さんは自嘲気味にククッと笑った。
「そう『無理』なんです。あなたたちが勝つためには次の部屋割りで僕と鏡ちゃんを同室にさせて、狂人の鏡ちゃんを襲わせるしかないんです。けどねぇ、それがもう無理なんだよ。分かるかい、坊や?」
あぁ、今すぐにでもこの気持悪い笑顔をすっ飛ばしてやりたい。
「ちょーっと、子どもには難しかったかなぁ? 仮にもし坊やに部屋の相手の指名権が来たとしよう。しかし、指名権とは名ばかりで、キミが選べるのは僕だけなんだよ。どうしてかは聡明なキミなら分かるよね?」
あぁ、知ってるさ、お前の顔見てるだけで何も喋りたくなくなってくるよ。その薄ら笑いをやめろ。
「キミはもう小石川と鏡ちゃんと同室になっちゃってるからねぇ、僕しか選べないって事なんだ。同様に小石川に指名権が来ても、彼女が選べるのは鏡ちゃんだけ、鏡ちゃんが来ても小石川しか選べない。僕に来たら笑顔でキミを指名してあげるよ。ま、何が言いたいかってキミはどう足掻いても明日を迎えられないってことだね」
あぁ、そんなこと百も承知だ。
「あ、そうそう、言い忘れてた。鏡ちゃん、この坊やに投票よろしくね」
その言葉で頷く鏡。
「ならオレはお前に入れるから」
そういってオレは高浦をにらみ付けた。
「はははっ、無駄な抵抗はやめてくれよ。もう僕たちの勝ちは決まっているんだ。おとなしく負けてくれよ」
その言葉をオレは無視した。
――さて「昼」が終わり「夕方」に移ります。日が暮れるまでに投票を終わらせますように――
もちろんオレが入れるのは高浦だ。小石川さんにも高浦に入れるよう頼んである。高浦に悪あがきだと言われようと、これは譲れない。
――これで皆さんの投票が終了しました。では、投票結果を発表します
高浦(二票)……小石川、宮田
宮田(二票)……鏡、高浦
よって弁論の後、決選投票に移りますが、対象のお二方、弁論は必要でしょうか。
「オレは必要ない」
「僕も要らないですね」
――では弁論なしで決選投票に移ります。高浦さんと宮田さん以外の二人は高浦さんと宮田さんのどちらかに投票してください――
こんなもの結果は目に見えている
――では結果を発表します
「高浦」(一票)……小石川
「宮田」(一票)……鏡
決選投票で同数なので今回の処刑はなしということになります。
ではこれより夜に移ります。高浦さん、誰と同室するかを決めてください――
「はははっ、ならば宮田くん。おねがいしますよ」
宣言通り笑顔で突き付けてきた言葉に対し、オレは無言でにらみつける
――では高浦さんと宮田さんは「1」の家に入ってもらいます。そして残った鏡さんと小石川さんは「2」の家に入ってもらいます。それでは皆さんそれぞれの家へお入りください――
こうして、最後の夜の幕開けが聞こえた。
――それでは、今から「夜」を開始します――
「どうですか、今のお気持は」
高浦があのうざったい笑顔を絶やさずにオレに問いかけた。
「今どころかずーっと最悪だよ」
「はははっ、そうでしたね。でももう楽にしてあげますからね」
――あぁ……ようやく終わりのときが来た。
「そうかい、ところでな、オレはずっと言いたかった言葉あるんだ」
どう足掻いてもここで終わり。やつは必ず襲ってくる。
「残念ながら、そのセリフを言わせずに昇天させてあげますよ!」
そうかい。なら、最後にオレが言うべき一言は――
「汝は――――人狼なりや」
――そして、終わりが始まった。
5日目までの動向
初日 夜
1「稲崎【死亡】―湯村」 2「小石川―宮田(主人公)」
3「鷲頭―瀬川」 4「高浦―鏡」
5「三溝―島野【死亡】」 6「軸丸―川淵―穴吹」
2日目 昼
湯村「村人CO(=カミングアウト、宣言のこと)」
三溝「村人CO→祈祷師CO→村人CO」
夕
「三溝」(七票)【死亡】……穴吹、軸丸、瀬川、高浦、宮田、湯村、鷲頭
「湯村」(四票) ……鏡、川淵、小石川、三溝
夜
1「穴吹―小石川」 2「鷲頭―鏡」
3「高浦―瀬川」 4「宮田―軸丸」 5「湯村―川淵」
3日目 昼
川淵「牧師CO。湯村防御宣言」
湯村「川淵は嘘を言っている」
夕
「湯村」(八票)【死亡】……穴吹、鏡、川淵、小石川、軸丸、瀬川、高浦、宮田
「川淵」(二票) ……湯村、鷲頭
夜
1「宮田―瀬川【死亡】」 2「軸丸【死亡】―高浦」
3「鏡―穴吹」 4「小石川―川淵―鷲頭【死亡】」
4日目昼
宮田「祈祷師CO」→鏡「対抗祈祷師CO」
高浦「未防御牧師CO」
川淵「牧師CO変わらず」
小石川「狂人CO」
夕
「川淵」(三票)【死亡】……穴吹、鏡、高浦
「高浦」(二票) ……小石川、宮田
「小石川」(一票) ……川淵
夜
1「鏡―宮田」 2「高浦―小石川―穴吹【死亡】」
5日目 昼
高浦「人狼CO」
小石川「牧師CO」
夕
高浦(二票)……小石川、宮田
宮田(二票)……鏡、高浦
決選投票
「高浦」(一票)……小石川
「宮田」(一票)……鏡
決選投票も同数の為、処刑なし
夜
1「高浦―宮田」 2「小石川―鏡」
ここまで読んでいただき誠にありがとうございます。
この物語で使われているルールはとあるMMORPG内で実際に行われていた人狼ゲームのルールを基にしています。
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