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愁龍雨詩  作者: チゲン
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3頁

 それから次の日、そのまた次の日と、方菊が太心に会いたがっているとの言伝ことづてが向こうの家から何度も来た。

 しかし太心は、気分が優れないと言い訳をして、邪険に追い返した。方菊がまだ出歩けないことが、このときばかりは幸いした。

 やはり雨は降らなかった。そして村のなかも、そわそわした空気に包まれていた。

「いよいよ方菊を供物に出そうとしているのだ」

 怒りと苛立ちに、太心の心は、はちきれそうだった。

「俺が食われれば方菊は助かる」

 二日目の晩、太心は夜更けにこっそりと方菊の家を覗き込んだ。

 てっきりとこに就いているものと思っていたが、方菊は書き物をしていた。太心はあきれると同時に安心した。

「勉強熱心な奴だ。あいつなら、きっと偉い役人になる」

 そして体が弱いと馬鹿にしてきた奴らを、見返してやるといい。

 巷間こうかん、太心のような力の強い者は星の数ほどいるが、知者は幾らもいない。きっと方菊なら、天下を覆うような英雄になる。

 太心は一心不乱に書き物に没頭している方菊の姿を、その目に焼きつけた。

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