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何で動くと決めたのか

 土曜日の夜。

 休日だったのもあり私服で夜道を一人で歩いていた。足取りは特に重いと感じたりすることなく、覚悟が決まったゆえに軽いまである。


 昨日の夜に坂上奈央からセバスティアンが病院送りにされたと聞かされた。それはどういうことか。月曜日に予定されている放課後の決闘で、花園ミーナは自分のために戦ってくれる存在を失った。

 つまり、御門晴哉が戦う必要性がなくなったということだ。最大の難関を突破した。もうほとんどこの依頼の達成をしたようなものだ。そして、御門と花園が付き合えば、青春委員には美味しすぎる特別報酬。ビクビクしながら青春委員として学園生活を送る必要がなくなるし、青春委員なのに異性と付き合えるボーダーに大きく近づくことになる。


 思わずニヤリと笑ってしまう。

 最高だな。

 思わずスキップして鼻歌をする。

 気分はるんるん。


 だってそうだろ?今の現状、御門晴哉はこのまま何も変な事が起こらなければ、放課後の決闘をする必要もなく花園ミーナを手に入れることができるんだ。

 きっと、セバスティアンが動けないとか放課後の決闘がなくなったなどの情報を、彼が耳にしたときに密かに笑みを浮かべるはず。完全なる勝者であるから。

 だから俺は思わずるんるんで最高の気分になってしまうのだ。

 

 花園ミーナはというと、どうやら部屋に引きこもっているらしい。そりゃそうだよな。彼女にとってセバスティアンはとても大切で大きな存在だったんだろう。目の前が真っ暗になって絶望に落ちていく。


 ここで花園ミーナを助けるのはきっとヒーローがすることなんだろう。だが俺はヒーローじゃない。だから助けようだなんてことはしてやらねえ。


 俺は歩く足を止め挨拶するように片手を上げた。

「お待たせしました……」

 これが、俺の決断だ。

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