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少年、やらかす

久々の投稿です。実はタイトル変わってるのと前の話の誤字を編集しました。ちょっとこれだとタイトル詐欺感が否めないので……

── 正直に言う。グリッドさんはめちゃくちゃかっこよかった。それに、前世では一応剣士をやっていた身だからわかる。あの人は相当強い。あのでかい熊相手に、一瞬でケリをつけたのだ。まあ本人には言うつもりは無いが。


――――――――――


「おいサム、俺かっこよかったろ。」

「別に。師団長様もこの程度か、って感じです。」

「嘘つけ、俺が帰ってきた時、口あんぐり開けてたくせに。」

「っ……」


返す言葉もない。さっき言ったとおり実際ほんとにかっこよかったのだ。向かって行ったと思ったら、熊の初撃をかわして後は首を一撃で胴体から切り離してしまった。水が流れる様な動きとはまさにこの事だった。


「ま… まあ、僕も魔法撃てますけどね。」

「あんな発動まで時間かかる魔法実戦じゃ使いずらいけどな。」

「う…… 」


そうなのだ。実はそれが問題だと思っていた。アレを撃つのには、集中してイメージして……などなどの工程を踏んでいくとそこそこの時間がかかってしまう。1体1だと確実に分が悪い。


「こ…… これから早くするからいいんです。」

「おお、そうか。頑張れよ。」


──…… ん? 絶対からかわれると思ったんだけどどうしたんだろうか。


「どうした。そんなとぼけた顔して。熱でもあるのか? 」


どうやら顔に出ていたらしい。子供だからしょうがないな。うん、しょうがない。


「いや、絶対からかわれると思ったんですけど、からかってこなかったので。」

「いや、まあなぁ… あんな魔法撃てるんだから時間短縮くらい楽勝だと思ってな。」


ここまで評価されているとは思ってもなかった。つまり、俺の撃った魔法がそこまで物珍しいものだった、ということだろう。


「まあ、ボチボチ頑張ります。」

「おう、そうしろ。」


と、まあこんな感じで、グリッドさんの戦いに感化され、俺は魔法の高速発動に取り組むことになった。


――――――――――


町長さんの家に帰り、俺が最初に取り組んだのは、イメージ力の強化だ。…… と言いたいところだったが、それに関しては正直袋小路だった。イメージ力の強化と言っても方法がないからだ。と、いうことで俺の魔法特訓は頓挫していた。そんな状況を打開すべく、俺はある人の元を訪ねることにした。


「町長さん、入っていいですか? 」

「サムくんかい? どうぞ、入ってください。」

「失礼します。」


何度見てもすごい部屋だ。本と机以外何も無い。まあ本の量がすごいんだけど。


「どうしたんですか? 魔法でお困りですか?」

「はい…… 高速発動の特訓方法が思いつかなくて…… 」

「そうですか。ちなみに、どんな方法を取ろうと考えていたんですか? 」

「えっと…… イメージ力の向上を…… 」


町長さんは、う〜んと悩んだ様な表情でしばらく考えたあと、少し閃いた様にこう言った。


「詠唱魔法の練習してみますか? 」


――――――――――


と、いうことで町長さんが魔法を教えてくれることになった。


「町長さん、宜しくお願いします。」

「はい、この町の為でもありますしね。お任せ下さい。」


元大学教授だけあってなんだか心強い。もう1人のおじさんとは違って。


「魔法には主に二種類あります。知っていますか? 」

「いえ、初めて聞きました。」

「そうですか。それじゃあ説明しますね。魔法には主に二種類あります。一つは通常魔法、もう一つは召喚魔法です。通常魔法はグリッドさんが使っていた『サーチ』などが含まれます。もう一つの召喚魔法ですが、これは正直効率が悪いです。召喚できるのは主に動物なのですが、強い個体を呼ぼうとするほど膨大な魔力を消費します。そしてついでに専用の魔法陣が必要なので、特に使い道はないです。なにか質問はありますか?」

「あのー、一ついいですか?」

「はい、もちろんです。何ですか? 」

「召喚魔法での魔獣の召喚は出来ないんでしょうか。」

「えーっとですね…… 理論的には可能ですが、さっきも言った通り、強い個体の召喚には膨大な魔力を必要とします。魔獣は最も弱い個体でも強めの動物レベルなので、少し厳しいですね。」

「あ、分かりました。ありがとうございます。」


魔獣ってそんな強いのか…… グリッドさん怖い…


「それじゃあ、質問がなければ魔法の練習に入りたいと思うんですが、大丈夫ですか? 」

「あ、はい。宜しくお願いします。」


詠唱魔法には何か俺の魔法に関わるヒントがあるはずだ。アオイを助ける為にも覚えといて損は無い。ってか、世界を救えって言われたけど、どー見ても救われなきゃいけないような世界じゃないんだけどなぁ…… 今のところは。平和だし。


「…… サムくん、聞こえてますか?」

「は、はい! すいません。少しぼーっとしてました。」

「そうですか。まあ、とりあえず始めますよ。まずは基礎から。」




――――――――――



しばらくして、俺はいくつかの魔法を使えるようになった。一つ目は、『アクアボール』 これはそのままで、前方に水球を飛ばす魔法だ。町長さんの言っていた通り、詠唱と言っても『アクアボール!』的な感じで撃てた。まあ、一度で使える様になるこの年の子供はなかなかいないらしいが。そしてもう一つは『ファイアボール』水が火になっただけだ、、、後は『ウィンドボール』これもただの風の玉。ただの、と言っても魔力を込める量によって威力は上がる。『魔力を込める』という感覚は本来難しいものらしいが、レーシー型の魔法で練習していた俺には簡単だった。


「さすがサム君。飲み込みの早さが尋常じゃ無いですね。教えがいがありますよ。」

「いえいえ、町長さんが教えるの上手いだけですよ。」


正直ちょっと嬉しい。前世では言われたことの無い言葉だ。俺、落ちこぼれだったからなぁ……


「そう言えば私からも一ついいですか? 」

「何ですか?」

「あの魔法は誰から習ったんですか? 前に見せてくれたやつ。」

「えーっと、これは…… 」


あ、これもしかして言わない方がいいのかな…… レーシー隠れてたしなぁ。まあでも町長さんだし特に問題はないと判断し、言うことにした。


「実は、落ちて…… じゃなくて歩いてくる途中で、妖精族に会って……」

「!!!! サム君、それは本当ですか? 」

「え? 僕何かまずいこと言いました? 」


町長さんが明らかに焦っている。これはもしかして、言っちゃいけない事だったんだろうか……


「すみませんサム君、私は今からグリッドさんに報告に行くので少し開けます。ただとりあえず私が帰ってくるまでここで待っていてください。」

「はい…… わかりました。」


まずいなこれ…… やらかしたかも……


実は最近、牛丼にハマっています。イチオシは松屋です。

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