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少年、魔法を見せる。

すみません。やっぱり少し短いです。

テスト勉強辛い。早く夏休みにならないかな…

「じゃあ、今から見せますね。」


なんだかよく分からないまま街の外に連れていかれた俺は、町長さんとグリッドさんに魔法を見せることになった。


「何の魔法を見せればいいですか? 」

「うーんと…じゃあ、水で頼む。」

「分かりました。あ、でもまだ魔法出すのには慣れてないので少し待ってもらって大丈夫ですか? 」

「ああ、大丈夫だ。」

「大きさの指定とかはありますか?」

「お前が出来る最大限で頼む。」

「分かりました。」


そしておれは準備を始めた。最大限と言われたので、洪水のイメージにすることにした。前世では洪水のせいでめちゃくちゃ被害受けたからイメージは強く持てるはずだ。


俺はまず、レーシーに言われた通りに洪水をイメージした。鮮明にイメージするほど、情報が付加され、まるで目の前でそれを見ているかのように感じられた。この段階に至ったら、後は魔力を乗せるだけだ。言われた通り、身体に感じる魔力の最大限を手のひらに集める。


「いけっ! 」


ゴォオオオォオオオォオオォオ!


「やった! 成功だ……」


魔法が出たのを確認してすぐ、俺はその場にたおれた。




――――――――――




次に目を覚ました時に最初に目に入ったのは、町長さんの家の天井だった。


「う〜ん。俺はどうしてここに… 」

「サム、気がついたか?」

「グリッドさん! 僕はどうしてここに? 」


グリッドさんは少し笑いながらこう言った。


「お前、あのやばい魔法ぶっ放した後、倒れたんだよ。まあ、あれだけの魔法をお前みたいな子供が撃てば当然だけどな。簡単に言うと、魔力切れだ。」

「ああ、そうなんですか。なにかの病気なのかと思いましたよ。」

「あんな魔法打つヤツが病気なわけあるか! あの後あの辺一帯が水浸しで大変だったんだぞ。」

「す…すいませんでした。」

「まあ、全力で、と言ったのは俺たちだしな。」

「はい… あ、そういえば僕は何時間ほど寝てたんですか?」

「ざっと半日くらいだな。」

「え! そんなに! 」


確かに周りを窓の外を見てみると、もうすっかり夜だった。


「それより、あれ、どうやってやるんだ?」

「あれって? 」

「魔法だよ!水の。あんなの俺も見たことないぞ。」

「えっと…なんか洪水をイメージして…」

「洪水! というかさっきから言ってるイメージってどういう事なんだ?」

「そのままの意味です。脳内で鮮明に起こしたい魔法をイメージするんです。」

「うーん。」


グリッドさんはひとしきり悩んだ後、自分には必要ない、と結論づけたそうで、部屋から去っていった。一息つこうと寝そべろうとした時


「サム君、入ってもいいですか?」


町長さんの声だ。なんだろう、なんか俺悪いことしただろうか。


「どうぞ」

「ありがとうございます。お体は大丈夫ですか?」

「あ、はい。もう全然大丈夫です。それで、なんの御用ですか?」

「大学について説明しようかと。」

「え、大学! どういう事ですか?」

「毎年、町から1人、大学に人を推薦することになってるんです。今年は実はめぼしい人もいなかったので、サム君にお願いしようかと。」

「それって、学費はどうなるんでしょうか。」

「推薦枠の人は少し入学試験が特殊なんですが、その結果が良ければ特待生として、学費は無料のはずです。」


おお、こんな美味しい話はない。しかし、いくつか疑問点があった。


「その試験って、どんな試験なんですか?」

「実技です。魔法の。」

「具体的には?」

「試験監と戦ってもらいます。」

「え?」

「勝てずとも、いいとこまで行ければ、特待生は固いでしょう。サム君のあの魔法力なら恐らく勝利さえ有り得るかと。」

「なんでそんな事が言えるんですか?」

「実は、私昔大学の教授をやってまして、試験官も経験したんですが、あんな魔法を打つ学生など今まで見たことないからです。私なら、速攻特待生認定するでしょう。しかも、詠唱さえしていませんでしたし。」


どうやら、お得な話のようだ。


「受けてくれますか?」

「もちろんです。」


二つ返事でOKした。正直筆記試験があったらどうしようと思っていたが、それもクリアし、元教授に太鼓判まで押されてしまった。学費もタダだし、こんなに美味しい話はない。


「それで、試験はいつなんですか?」

「来月です。移動時間も考えて、一週間前には出発した方がいいと思います。」

「分かりました。」

「あ、そういえば、明日グリッドさんがあの魔獣の討伐に向かうらしいんですけど、見に来ますか?」

「行きます!」


俺は間髪入れずに返事した。当然だ。俺も弱小とはいえ元剣士。強い人の戦いには興味があるのだ。


「そうですか、分かりました。もうそろそろ晩御飯です。1階へどうぞ。」

「色々とありがとうございます。」


ほんとに助かっているのだ、実際。タダで寝泊まりさせてくれるしご飯も用意してくれるし、恐らくグリッドさんが俺には親がいない的な説明をしたのだろう。時折とても気を遣ってくれていると感じる時がある。まあ、ご厚意は受け取ろう。断れるような状況でもないしな。



――――――――――



ご飯も食べ、風呂にも入り、一段落したところで、聞きたいことがあり、俺は町長さんの部屋へ向かった。


「町長さん、入っていいですか?」

「あ、サム君。どうぞ〜。」

「お邪魔します。」

「どうしたんですか?こんな時間に。」

「えっと、聞きたいことがあって…」

「魔法のことかい?」

「そうです。グリッドさんが、何回か詠唱って言ってたんですけど、詠唱って何ですか?」

「どっちかと言うと私の方がサム君の魔法の説明を聞きたいところだけどね。まあそれは後でいいですね。それじゃあ詠唱について話しましょう。」



――――――――――



町長さんの話をまとめると、こうだ。


魔法とはそもそも、世界の理に触れるものであり、主に自然現象を人為的に起こすことが出来る。それをするために絶対的に必要なのが詠唱で、詠唱により、世界の理に触れ、現象を起こすのだという。


「うーん。なんか僕が聞いた説明と全然違います。」

「だと思います。そもそも詠唱がない時点で全く別物でしょう。」


俺が頭を抱えてウンウンっていると


「サム君。今日はもう寝なさい。明日は討伐もあるんだし。」

「そうですね。町長さんの言う通りです。今日はありがとうございました。お休みなさい。」

「こちらこそです。それでは。」


やっぱり町長さんは優しい人なのだ。





――――――――――





そして翌日。俺はグリッドさんの魔獣討伐の見学に出かけた。

はい、ということでサムの神童っぷりを見てもらいました。あと、サムの過去について気になっている人もいると思いますが、もう少し後に書きます。割とヘビーな内容にするつもりなので。

完全に余談なのですが、先日、冴え〇〇の外伝というか本編というかを読んだんですが、ヤバすぎて悶え死にました。アニメ3期期待してます。余談でした。

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