少年、困らせる。
二日ぶりの投稿です。テスト期間で少し忙しいんですが、頑張って投稿していきたいと思います。
街についた俺は、おじさんに連れられ、町長さんの家に行くことになった。その途中、街を歩いていると、俺はあることに気がついた。
「おじさん、この町人が少なくないですか? 」
「グリッドでいいぞ、坊っちゃん。そういえば自己紹介がまだだったな。」
「あ、すみません、こちらもまだでした。僕の名前はサミュエルです。サムって呼んでください。」
「サムか。了解だ。で、なんの話だったっけ?」
「ああ、なんかこの街やけに人が少ないなぁ… と思って。」
「ああ、そのことか。さっき魔獣の話したの覚えてるか? 」
「はい、覚えてます。」
「そのせいだ。 最近この辺で魔獣の目撃情報が多くてな。みんな大陸の中央にある王都に避難してるんだ。あそこは軍の本拠地も近くて安全だからな。」
「へぇ~、残ってる人はなんで残ってるんですか? 」
「みんな頑固なだけさ。死ぬ時は街と共にってことよ。」
「じゃあおじさんもそういう理由で? 」
「いや、俺はこの街の住人じゃないぞ。ある任務があってここに寄らなきゃならなかっただけだ。」
任務の内容が聞きたかったけど、まあどうせ教えてくれないに違いないと思い、やめておいた。そして、『 任務』と聞いて一つ気になることがあった。
「任務ってことは、おじさん軍人なんですか?」
「違うよ。そんな大層なものじゃない。ただの雇われ冒険者さ。」
『冒険者 』か。前世ではろくでなしの男がなる職業だったが、この世界ではそうではないらしい。人に言えるくらいだしな。
「あ、そろそろ町長の家だぞ。」
町長の家といってもそこまで仰々しいものではなく、割と普通の建物だった。
「町長! グリッドだ。開けてくれ 」
(ガチャ)
「おお! グリッドさん。ご無沙汰してました。今日はなんの御用で? 」
「恐らくだが魔獣が現れたらしい。詳しくは中で話す。」
「またですか… それでは、中にお入りください。ところで、その少年は?」
「魔獣の目撃者だ。話はこいつから聞いてくれ。」
「分かりました。じゃあ… 」
名前が分からなくて困っているようだったので、助けることにした。
「サミュエルです。サムって呼んでください。」
「そうですか。それではサム君も中へどうぞ。」
――――――――――
俺が町長さんとグリッドと3人で話して分かったことは主に3つだ。
・俺が見た魔獣の名前は、ペアーラ・オソという魔獣であること。
・危険度レベルをS A B C Dに分けた時危険度はCであること。
・グリッドさんがいれば割と簡単に駆除できること
この3つを聞き、一瞬『いや、魔獣弱くね? 』と俺は思ってしまったが、グリッドさんの強さが異常であるらしい。普通の冒険者ならばDランクの魔獣にも殺される人もいるそうだ。
「ふ~、グリッドさんがいてくれて助かりましたよほんと。」
「いえいえ、そんなに過大評価しないでくださいよ。」
「いや、いなかったら、と思うと背筋がゾッとします。」
こんな会話をしている中、俺は、完全にやらかしてしまった。
(グーーーーーー)
町長さんとグリッドさんが2人とも振り返った。俺は思わずこう言った。
「す…すみません… お腹減っちゃいました。」
いや、実際そうなのだ。ほんとに悪気があった訳ではなく、ただ、本当に空腹なだけなのだ。俺が少し申し訳なさそうにしていると、グリッドさんは笑いを堪えきれなかったらしく、少し笑いながらこう言った。
「 そうだな、そろそろご飯にするか。」
「そうですね。サム君とグリッドさんも食べていかれますか?」
「もちろんだ! ここの料理は絶品だからな!」
「そしたら、僕もお言葉に甘えて。」
そんなこんなで、俺は夕食を頂くことが出来たのだった。
――――――――――
「そういえば、サム君はどうしてこの街に向かっていたのですか?」
町長さんが、食事も一段落したところで俺にきいてきた。
「えーっと、大学に行きたくて…」
「大学か、何を学びたいんだ?」
「魔法です。魔法の勉強がしたかったら、大学に行けと言われたので。」
「その年でですか? 誰に?」
「えーっと…」
そういえばレーシーのことって言っていいんだろうか。なんか隠れてたっぽいしな。やめておいた方がいいか。
そう判断した俺は
「えーっと、僕に魔法を教えてくれた、恩師からです。」
「へぇ、どんなこと教えてもらったんだ? 」
「主に魔法の打ち方です。魔法の原理とかそういうことを教えてもらいました。」
「原理? あれって詠唱したら勝手に出てくるもんじゃないのか? 」
「え? 」
なんか俺が聞いたのとは全然違う。魔法に大事なのは想像力ってレーシーは言ってたけどなぁ。
「サム、じゃあお前どうやって魔法使ってるんだ?」
「えーっと、なんか出したい魔法を強くイメージしてそれに魔力を載せる?みたいな感じです。」
「……???」
グリッドさんだけじゃなく町長さんも困った顔をしていた。
「ちょっとサム、外で見せてくれ。」
そうして俺は、2人に魔法を見せることになった。
今回は短い投稿となってしまいましたが、ご了承ください。次も頑張ります。