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旅立ち

割といいペースで更新できているのでは?と思っています。

「もう、わかったわよ。それじゃあ魔法ってのがなんなのかってことから説明していくわね。」

「おう、よろしく頼む。」

「魔法っていうのは、簡単に言うと、想像を具現化したものなの。」

「想像を具現化?それってどういうこと?」


全く簡単に言えていないってのは置いといて、とりあえずレーシーの話を詳しく聞いてみることにした。


「想像を具現化っていうのはそのままの意味よ。例えばあなた、火って見たことある?」

「あるよ! さすがに馬鹿にしすぎでしょ!」


こいつ… 全然分からなかったけど俺のこと小馬鹿にしてやがる。


「お子様だからないかと思ってたわ。」

「いやお前も大して変わらない年齢だろ! 」

「いや、妖精族はこの姿で成長が止まるだけよ。寿命も長いし。年齢は詳しくは教えないけどまあそうね… 100歳はとっくに越えたわ。」


… ということらしい。まあそんなことはとりあえず気にせず魔法の説明を聞くことにした。


「結局想像と火にどんな関係があるんだ?」

「あ、そういえば話が逸れてたわね。うーん。できるかわからないけどとりあえず試してみましょうか。」

「え? 何を?」

「魔法よ魔法。センスがあれば多分使えるわ。」

「いや、魔法って普通呪文使ったりとかそういうのじゃないの? 」

「違うわよ。まあそういうのもあるんだけどね。とりあえず私の知ってることを教えるわ。」


さっぱりわからない。呪文がない魔法っていったい何なんだろうか。


「で、どうやって使えばいいんだ?」

「えーっとね、とりあえず火をイメージしてみて。」


俺は目をつぶり、集中して頭に日のイメージを浮かべる。


「したぞ。次は? 」

「そしたらそれを手の平から出すようにイメージしてみなさい。」

「わかった。」


俺は再び目をつぶり、自分の手から火を出すイメージを作った。すると


「ポッ」


とても小さなサイズの火が手の平から現れた。


「あなたセンスあるわね! 1発で出来るなんて大したものよ! ま、サイズは小さいけどね。」

「これ、大きくするにはどうしたらいいんだ? 」

「あんた、欲深いわね。普通はこれが出来ただけでも喜ぶのに。まあいいわ。えーっと、大きくするには、その魔法に込める魔力の量を増やせばいいのよ。さっき火を出す時、血液が全部手の平に集まるように感じたでしょ?それをもっと手のひらに凝縮させるのよ。」

「マリョク?マリョクってなんだ?」

「あんた魔力も知らないの!? ほんとにこの国の人間? 」

「う… うん。」


まあ、違うんだけどな。


「魔力っていうのは魔法を放つために必要なエネルギーのことよ。個人差はあるけど、人族は割と多いほうよ。」

「大体わかった。つまりその魔力ってやつの集まりどころを手の平に集中させればいいんだな? 」

「そゆこと。ただその時、しっかり頭の中で出したいものをイメージしなきゃダメよ。そうしないと何も出ないから。」

「了解。じゃあもう1回やってみるよ。」


俺は再び目を閉じまずは火をイメージした。しっかりとそのイメージが固まったところで。まずは手に魔力を集める。全身の血液が手の平に集まるような感覚。それが最大に達したところで火を手の平から出すイメージを作り上げる。


「いけっ!」


ゴォオオォオオォオオ!!!


「ちょっとあんた何してんのよ!この辺の木が全部消し飛んだじゃない!っていうかどんな魔力量よ!7、8歳でこの大きさの火は有り得ないでしょ!! 」

「え?… 」


当たりを見回してみると、さっきまで目の前にあったはずの木々が、跡形もなく消え去っていた。



「これ… 俺が? 」

「そうよ! それよりあんたの魔力量異常よ! その位の年齢なら最初の小さな火の倍くらいのサイズで限界のはずだもの! 」

「それって…俺が天才ってこと? 」

「さぁね。魔法を使えるのと魔力量の多さは比例しないもの。 魔力量だけ多くてろくに魔法が使えないやつなんて数え切れないほどいるわ。ただ、あなたは鍛錬を怠ならければ相当立派な魔法使いになれる。それだけは言えるわ。」


おお、まじか。前世ではカス剣士だった俺が、生まれ変わったら天才魔法使いの卵だなんて。いや~、1回死んでみるもんだね。


「わかった。これからしっかり努力するよ。だから俺に、もっと魔法について深く教えてくれないか?」

「教えることはもう無いわ。」

「… は?」

「もう」

「魔法について教えることはもう無いわよ。だって魔力とイメージ力さえあれば、理論的にはどんな魔法だって使えるんですもの。」


確かに、そう言われてみればその通りだ。想像を具現化するのが魔法だと言うのならば、想像力次第で何でもできるというのは自然な考えだ。


「ま、そんな事言ってもある程度出来ることは制限されちゃうけどね〜。」

「え、なぜ?」

「簡単よ。イメージと言っても、緩くて希薄なイメージじゃ具現化なんて絶対無理だもの。だからできるって言っても自分が実際に見て、強くイメージ出来るものに限られるわ。」


ふむふむ。魔法にも限界があると。これはいいことを聞いた。つまり逆に言うとこれは、強くイメージ出来るものの数を増やせば増やすほど、他人より強い魔法を使えるようになる、ということだ。…ということはもしかして…?


「わ! あんた突然何してんのよ!剣なんて握って! 」


やっぱりだ。曲がりながりにも前世剣士だった俺は、剣なら強くイメージ出来ると思ったのだ。それで試してみたら案の定出来てしまった。けれど…


「あれ?… 」


数分も持たないうちに剣は砂のようになり崩れてしまった。


「レーシー、これはなんで?」

「これって、剣が崩れたこと?」

「そうそう、完璧にイメージ出来たはずなのに。」

「素材の問題よ。あなたがもし鉄とか木とか剣の素材になるようなものを握りながら今の魔法を使ったら、その形の剣ができていたわ。なんの素材もなく物を魔法で作ろうとしても、今みたいになるのが関の山ね。」


そこで俺は、近くに落ちていた小さな木の枝を拾って、もう1度試してみることにした。


「お、今度はちゃんと出来た。」


崩れたしまった剣と同じ形をした、ものすごく小さいサイズの剣が出来上がった。


「ふーん。やっぱりあなた魔法の才能あるわね。そんな小さいサイズので作れるなんて… 鍛治職人にでもなったら? 」

「いや、俺には実はやらなきゃいけないことがあるんだ。」

「やらなきゃいけないことって? 」

「まだ話せないけど… 俺はもっと強くならなくちゃいけないんだ。」


はしゃぎすぎて一瞬当初の目的を忘れかけていた。危ない危ない。


「強く…か… 」


そういったレーシーの表情は、少し悲しげに見えた。その理由は聞くことが出来なかったが。


「あなたがもし本当にもっと強くなりたいと願うのならば、魔術大学に行くことをおすすめするわ。まあ学費とかはもちろん自腹だけど。一応私が紹介状を書いておいてあげるわ。もしかしたら役に立つかもしれない。」

「ありがとう。ところで、その大学ってのはどこにあるんだ?」

「一応各大陸に一つづつあるわね。私が外にいた頃は五つの大学に特にレベルの差は無かったと思う。今は分からないけどね。私たちが今いる西大陸の大学なら、森の出口からひたすら真っ直ぐ言ったところにある、カセイルという街から馬車が出ていたと思うわ。」


ふむふむ。つまり大学ってとこに行けば俺はもっと強くなれる可能性があるってことか。行くか、行かないか。まあ考えることもなく答えは一つだったが。


「俺、大学行くよ。短い間だったけどありがとな。レーシー」

「私も久しぶりに人と話して楽しかったわよ。あ、学費の事だけど、もし特待生入学できたら無料よ。頑張りなさい。」

「お、じゃあ特待生狙って頑張るよ。また会おうな。レーシー。」

「うん。またいつか。それじゃあ森の出口まで連れていくから付いてきて。」



――――――――――



そうして俺は森を出て、カセイルの街を目指すことになった。

今回は魔法の説明でした。次回の更新日とかは特に決まってないですが、書き終わり次第投稿していこうと思います。

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