プロローグ
「ん……これで……よし」
いつも通りベッドメイキングをする。俺は寝相が悪くて毎日布団がぐちゃぐちゃになってしまうからだ。
我ながら…もう高校生なのに直らない寝相には困り切っている。年を取れば寝相がよくなるってもんじゃないのかもしれないが。諦めた。
寝るスペースの隣にはいつも通り抱き枕を置く。気持ち悪いと言われたら最後だが……。やっぱり俺には必需品だ。独り身は寂しいんです。……マザコンとかじゃないからな?
ちなみに抱き枕は二次元アイドル「日向悠紀」だ。……オタクっぽいのがばれてしまったな。
でも可愛いんだぞ彼女。あのエロゲ……おっと、ギャルゲの中でも一番かわいいんだぞ?(俺の中では)
天然で友達思いで主人公にも献身的で……ってこんなことはあとで言えばいいかな。
そんなアホみたいなことを考えながら、風呂に入り、ベッドに潜り込み、抱き枕に抱きつく。
うん。いつも通り。どうってこともない、普通の、日。
そう、思って、いたのに。何で、こうなったのか。
……まぁ、一人語りしてたらわかるだろうけどさ。起きちゃったよね。ヘンなこと。
高校2年、宮田 水樹。
明日から、変なこと起きます。頭がヤバイ奴じゃないので、安心してください。ハイ。