002:プレイヤー
『おーい、奏太。』
『お、大翔か。今どこいんの?』
『もう中央広場にいるぞ。やっぱ結構な人がログインしてんなー。』
『そりゃそうだろうな。初期プロット全部売れたんだし。』
『それにしても仕事とかいろいろある人もいるんだから、その中でもこんだけいるっとのはすごいだろ。』
『たしかに、つってもまだどんだけの人がいんのか確認したわかじゃねぇからわからんけど。。とりあえず、俺も中央広場向かってっからどっかで落ち合おうぜ。』
『了解。待ってるわ。』
そして通話が切れる。今の連絡方法はVRギアの情報に直接連絡するもので、たとえるなら携帯から携帯に電話をかけるのと同じ要領だ。これならゲーム内でフレンドになっていなくても知り合いと連絡が取れる。フレンドやギルメンだとシステムのチャットが使えるのだが、データがリセットされているのでまだフレンドはだれもいない。
「暇つぶしに色々確認しておくか。」
体の正面に手をかざして軽くタッチするようにして手のひらを開く。そうすると虚空にメニュー画面が表示される。メニューにはアイテム、ステータス、装備、職業、スキル、フレンド、システムの項目がある。
「ま、とりあえずステータス見てみるか。」
そのままステータスの項目をタッチする。画面が切り替わり、ステータス画面が表示される。
“プレイヤー名:Haru
レベル:1
HP:100/100
SP:20/20
STR:10
AGI:10
VIT:10
INT:10
MIN:10
DEX:10
LUC:10
ステータスポイント:0
装備
武器:鉄の剣
頭:なし
体:普通の服
体:なし
体:普通のズボン
手:普通の肘あて
足:なし
靴:普通の靴
熟練度
刀剣:0
槍:0
斧:0
鎌:0
弓:0
短銃:0
狙撃銃:0
鞭:0
闘拳:0
杖:0
生産:0”
「うん。相変わらずちょーシンプルだな。めんどくさい能力値が何ひとつありゃしない。そしてさすが初期ステ初期装備。ひっくいな。」
レベル1、HP、SP、その他ステータス軒並み初期値、ステータスポイントも熟練度も0。ハローニューアカウンント。
「ま、所詮はステータス。この世界じゃ絶対的な数値ではないし。」
「このゲームで大事なのはプレイヤースキルと戦略。それがなけりゃやっていけねぇよ、ほんとに。」
俺の言葉に続けるように言いながら、奏太ことPNカナタがやってきた。やつのアバターはオールバックの金髪くんだ。とは言っても、現実の髪をただ金色にしただけなんだがな。それだけなのに雰囲気が出るから不思議なもんだ。
「確かにステータスも重要ではある。だが、ここは良くも悪くも現実に近いからな。戦略やプレイヤー個人の技術が重視される。」
このゲームはグラフィックも繊細すぎるほどに繊細ながら、五感システムが導入されていることにより、ほぼ現実と同じ作りになっている。食べ物を食べれば味がするし、動けば腹も減る。長時間活動すれば眠くなるし、攻撃されれば多少なりとも痛みを感じる。火傷や感電、凍結なんかの現実的に激しい痛みや現実で死亡にかかわるような傷は体の感覚がなくなるだけだけど。そしてなによりも
「特に、あの魔法やスキルが自動じゃないってのがすげーよな。」
そう。カナタの言う通り、この『AGO』においてスキルや魔法というのは自動じゃない。例えば斬撃系最初のスキル“スラッシュ”。他のゲームならば体と剣が勝手に動き、通常攻撃よりも強い攻撃を放ってくれるお手軽スキルだったりする。しかし、このゲーム内での“スラッシュ”の定義というのは、プレイヤーが放つ次の斬撃を1回だけ剣速、威力を上昇させる、というものだ。つまり、ひとえに“スラッシュ”と言っても、上下左右斜めありとあらゆる方向から放つことが可能になっている。魔法も同様に、ある程度の動き(直進など)は自動になっているが、威力、速度、射程、消費SP、操作などはすべてプレイヤーによって制御される。
「それがこのゲームのおもしれーとこだよな。それより、これからどうする?あと15分くらいは暇だろ?」
「とりあえずシュンさんとか姫とかカツキとかに会っとこうと思う。一応莉穗とかにも紹介しとこうと思って。」
「シュンさんとかは喜びそうだな。素材源が増えるぞー!って。それに姫も友達少ないって泣いてたし。」
「え……。そマ?」
「うん。」
確かに姫はちょっと周りに強く言ってしまったりするので、近づき難い印象はある。本人もわかってはいるのだが、なかなか直せないらしく俺にも相談してきたほどだ。その時えらく真剣だなとは思っていたが……
「まさか泣くほどだったとわ……。まぁ、とりあえず呼び出してみるか。」
シュンさん、姫、カツキ。種類は違えどとあるオンラインゲームで知り合ってからかなり仲良くなって、リアルでも連絡をしあうようになったプレイヤーだ。もともとは個人でしかつながってなかったけど2年前のβテストのときによく集まるメンバーになっていた。
『はいはーい。シュンでーす。ハルくんとカナタくんお久しぶり―。姫もカッさんも久しぶりだね。』
『お久しぶりです、シュンさん。カナタも久しぶりね。』
『おい、姫。何故俺にだけ何も言わない。』
『あー、そういえば忘れてたわね(棒)。久しぶりねハル。』
『なんか言葉に棘がないか……?』
確かに、姫はいじると楽しいのでいろいろやっちまったけれども。そんなに恨まれるようなことはしてない……と思う……たぶん。そうであってほしいな(遠い目)。
『まったく。カリンはツンデレだなぁ。久しぶりに話してどうすればいいかわからないからと言って、その態度はどうかと―――』
『ちょ、何言ってんのカツキ!?そんなわけないでしょう!?なんで私があんな奴―――』
確かに姫はツンデレだ。お礼が言いたいのに素直にいえないツンデレだ。過去に一度、素直にお礼を言った時には周囲のプレイヤーが全員「デレた!」、と叫んだほどにはツンデレだ。そして、カツキはよくそれをからかって遊んでいる。本人が認めたくないが故に全力で反応し、それに気を良くしたカツキがまたいじるという悪循環が生まれていることに本人は気づいていない。ちなみにカツキは狙ってやっているらしい(本人談)。
『なんつーか、2年前とあんまり変わんないな。』
『まぁ、僕たちが集まったり話し合ったりしたらだいたいこんなもんだったよね。』
カナタが呆れたようにいつもの口喧嘩に感想を述べ、シュンさんも過去のことを思い出しながら同意してくる。
『それで、なんで僕たちに連絡してきたの?』
『いや、久しぶりの『AGO』なんで、1回みんなで集まらないかと思いまして。それに、俺とカナタの知り合いでβテスト落ちたけど、凄腕のゲーマーがいるんで紹介しようかと。』
凄腕ゲーマーとは立花さん、莉穂、美麗のことだ。あの3姉妹の腕前は本当にすごい。立花さんはストラテジーゲーム(簡単に言えば城落としとか)が得意で、俺はほとんど勝てたことがない。もともと偏差値が60代で知識もあり、頭の回転が速く戦略を立てて勝負するゲームにはめっぽう強い。莉穂はFPSが得意だし、美麗はもともと運動神経がいいこともあり体を動かす戦闘系はどれも強い(とはいっても俺は負けたことがない(ドヤァ))。
『へぇ。ハルくんが凄腕っていうくらいだから、相当なんだろうね。これはつながりがあった方が、素材の収集効率が上がりそうだな……。わかった、これから行くよ。今どこにいるの?』
『中央広場にいますよ。』
『オッケー。じゃあまたあとで。』
そういって、シュンさんとの通話は切れた。にしても素材の収集効率上昇のためとは、カナタの感がばっちり当たってたな。とりあえず、シュンさんはこれでいいとして
『姫、カツキ。いつまでくだらないことしてんだよ。お前らは来るの?来ないの?姫は友達作るチャンスだぞ?友達少ないって泣いてたんだろ?』
個人的にはいつまでもギャーギャーうるさい2人を黙らせるために軽くいったのだが、約1名がものすごい勢いで反応してきた。
『はぁ!?べ、別にいないわけじゃないわよ!?友達くらいちゃんといるわよ!』
『いや誰もいないなんて言ってないだろ。少ないって言ったんだよ。』
『うぐっ……っていうか、なんでそのこと知ってんのよ!?』
『否定はしないんだな……。』
泣いていたことと、友達が少ないということに否定が入らなかったことに、何故か俺まで悲しくなってくるのは何故だろうな。
『いいからなんで知ってるのか答えなさいよ!』
『いや、普通にカナタが教えてくれたが。』
『…………。』
姫が押し黙ったわずか数秒の鮮やかな惨劇。このあとどうなるか悟ったカナタは、すぐさまこの場から逃げ出そうと走り始める。しかし、そんなことはこの俺が許さない。一教・一箇条・腕抑え。日本から古より伝わる合気道の最初の教え。カナタの前へと回り込み、手首をつかみ重心を崩し、その勢いのまま地面へと押さえつけ取り押さえる。
「ぐはっ!……くそっ。ハル裏切りやがったな!?てめぇ俺がどうなってもいいのか!?」
「え……?だってそっちの方が面白そうだろ?」
「くっそがあああああああ!」
カナタがなぜここまで必死なのか。それは姫を怒らせるとどうなるのか、β時代でよく知っているからだ。そして、俺もそれがわかったうえで取り押さえている。
『……ハル。今からそっち行くけど、カナタのこと逃がさないでね。』
『もう逃げ出そうとしてたから、取り押さえてる。』
『すぐに行くわ。』
『いや、ちょ、ちょっとまって!別にわざとじゃないから!不運な事故なようなものだから!』
俺の足元で、カナタが必死に叫んでいる。前にも言っていたが、中央広場にはすでにそれなりの人が集まっている。そんな中、取り押さえられ喚き散らしているやつがいればどうなるか。もちろん注目され、「なんだあいつ?」的な視線にさらされるに決まっている(現状)。しかしそんな目線には気づかずに叫び続けるカナタ。
『はぁ。まったく、キミも男だろ?だったらおとなしく制裁を受けたらどうだい?』
『うっせーな!男らしくて逆に羨ましいわくそ!』
『首を洗って待ってなさい。』
『わああああああああ!』
カツキの男気あふれる一言、姫の死刑宣言、そして最後にカナタの悲鳴によってチャットは途切れた。あたりに残響が響き渡る。
「カナタ。死ぬなよ。」
「じゃあ逃がせよ!?」
憐れみを含んだ俺のつぶやきに、カナタが心からのツッコミを入れた。ごもっとも(笑)。
───数分後───
ユグドの中央広場。俺とカナタがいた場所に3人のプレイヤーが増えていた。黒髪のショートカットで猫耳切れ目の女性カツキ。アッシュグレーのくせっ毛&サンタひげにメガネをした紅眼の男性シュンさん。そして銀髪の長髪を後ろに流し、紫色のつり目をした長い耳を持つ凛としたエルフ女性姫ことカリン。そして、その姫の目の前で正座をし、真っ白に燃え尽きているカナタ。この場で何があったか、多くは語るまい。俺たちよりも5つ年上のシュンさんの顔が引きつってしまうほどの何かがあった、と言っておこう。
ちなみに、なんで姫とカツキがエルフや獣人になってるのかというとアバターの初期設定で変更することができるからだ。ただし、初期設定後は課金アイテムがないと変更できないというくそ使用。ゲーム自体に金払ってんのにさらにむしり取ろうとするとは……ほんと世界は醜いぜ。
…さて、そろそろ現実逃避はやめて現実見てみようか。
「人の話してほしくないことをしゃべるからそうなるのよ。昔っからあなたってそうよね。人の言ってほしくないことも含め、他人のことペラペラしゃべるんだから。これからは気を付けること、いいわね!?」
「はい大変申し訳ございませんでしたごめんなさい」
だってそろそろカナタの目が虚ろになってきてるし、返事も機械的になっている。なんか面白半分でやってみたけど、マジで心配になってきたな。
「シュンさん。あれ、大丈夫だと思います?」
「う~ん……。まぁ、今までにもあったことだし大丈夫なんじゃない?」
なんて他人事のような会話をしている時、通知音がなった。
“着信:莉穂”
『大翔さ〜ん。ログインしましたよ〜。』
どうやら、莉穂たちも無事ログインしたようだ。なら、早いところ顔合わせを済ませちゃいますか。
『今どこにいる?』
『えーとですね、西広場なるところにいますね。』
『なら通りを東に進んで中央広場まで来てくれ。そこにいる。』
『わかりましたー。』
「誰からの通話だったの?」
「さっき話した俺のゲーム仲間ですよ。今ログインしたみたいで、これから中央広場に来るみたいです。」
そう答えた瞬間に、シュンさんの目がキラリと光った。
「おぉ、いよいよハルくんが凄腕と称するプレイヤーに会えるんだね?さてさて、どんな素材をとってきてくれるのかな~……。」
「いや、まだゲーム始まってないですから。」
シュンさんは根っからの生産系プレイヤーで、ステータスもDEXとLUCにほとんど振っていた(どうやら今回も生産職で行くらしい)。DEXは器用さで、生産の成功率を、LUCは運で、より質のいいアイテムの生産率をそれぞれ上げるので、生産系プレイヤーはその2つに比重を置いてステ振りを行う。しかし、素材集めなどもあるので他のステータスにも振り分けるのが一般的だが、シュンさんは生産活動を行う上での必要最低限しか振っていない。プレイヤーから素材をもらう、その素材でいいアイテムを作る、それを少し安めで売る、残りの料金分はレベル上げを手伝って。と、こんな感じのギブ&テイクの関係を作っている。俺のβ時代の装備も全てシュンさんのオーダーメイドなので、何回かレベリングを手伝ったことがある。故に、この反応も仕方ないと言えるのだが
「一応『AGO』は初めてなので、いきなり無茶な要求とかしないでくださいね?」
とりあえず、先にくぎを打っておいた。
ということで、目が虚ろになって人間味を失ったカナタ、未だにぶつくさ文句を言っている姫、楽しそうに笑っているカツキ、謎の笑みを浮かべているシュンさんというカオスな状態で姉妹を待つことになった。
──────────
そんな状態で待つこと数分。中央広場に立花さん、莉穂、美麗改め、タチバナさん、リリ、ミミがやってきた。え?タチバナさんの名前が安直すぎないかって?うるせーな俺も思って特に突っ込まなかったんだから察しろよ。
「ハルくんお待たせしました〜。って、えっと、何があったんでしょうか……?」
「カナタさん大丈夫!?」
「あれが本当の生きた屍ってやつなのかしら?」
三者三様の感想を述べる。まぁ、いきなり待ち合わせ場所でこんなことになってたらそうなるわな。
「何があったかというと、……そうだな、名伏しがたい何かが起きたとでも言っておこう。」
「本当に何があったんですか……。」
「まぁ、あいつは放っておいて顔合わせを済ませちゃいましょう。」
開始イベントはあと10分ほどで始まる。その間に、できる限りのことはレクチャーしておきたいのだ。そのためにも自業自得(ハル談)のカナタは放置しておくことにする。
「顔合わせって、誰と?」
「俺がβテストの時に知り合った人たちで、彼是2年くらいの付き合いになる人たち。一応紹介しておこうと思って。おーい!姫、カツキ!いつまでやってんだ早く来い!」
呼びかけると、割と素直にこっちに来た。かなり清々しい顔になっている。相当しぼられたなこりゃ。ま、とりあえず紹介紹介。
「えーと、まずこの灰色のドワーフ、に見えないかもしれないけど設定上ドワーフの人がシュンさん。β時代生産系のプレイヤーで、武器防具では1位2位を争ってたトッププレイヤーだ。でも武器防具以外も一通り作れるっていうことで万能屋なんて呼ばれたりしてた。」
「シュンです。いい素材が見つかったら僕のところにもっと来てくれれば、その素材でトップレベルの物を作ってあげるから贔屓によろしくね。まぁ、最初のほうは無理だろうけど。」
そういって苦笑いするシュンさん。まぁ、生産系としては妥当な挨拶だな。しっかり自分のところに来てくれるように紹介しないとね。
「んで、こっちの黒髪猫がカツキ。体術を使って戦うのがメインの戦闘系だ。こっちもまた拳を使って戦うプレイヤーの中では、間違いなく一番だった。」
「よろしく。ボクは基本ソロだから、もしかしたらキミたちがいるパーティにお邪魔させてもらうことがあるかもしれないけど、その時はよろしくね。」
パーティやギルドによるボーナスが割とおいしいこのゲームにおいて、カツキは数少ないソロプレイヤーの1人だ。それ故に、ソロでトッププレイヤーに上り詰めるだけの実力があるというわけだ。
「そんで最後に。この銀髪エルフがカリン。近しいやつからは姫って呼ばれてるな。ギルドランキング3位だった女性プレイヤーだけのギルド“白薔薇の騎士”のギルドマスターをやってた。」
「初めまして、カリンです。もしもギルドに興味があったら、私たちのギルドに来てみてください。今回もギルドを立ち上げようと思っているので。」
これでβ側の紹介は終わりだな。次は姉妹の紹介をしよう。
「こっちの3人は姉妹で、現実でも付き合いがある人たちだ。この(姫とは違って)スタイル抜群のグホァッ……!?」
姫に問答無用でボディブローされた。先ほども言ったようにこのゲーム、よほどのことではない限り痛みを感じるようになっている。まぁ、何が言いたいかというと、悶絶するレベルで痛いなう。
「ば、かな……。声に、は、出して……いないは、ず。」
「あなたの憐れみのような視線とそのセリフで全部わかったわよ。」
まさかこれほどまでの勘の鋭さを手にしているとは……。これからはより一層気づかれないように精進しなければならないな。え?言わなければいいだろって?だって面白いじゃないか。なぜ姫をいじるのか、そこに姫がいるからさ(悟り)。
「ハルくん。女の子の前で体系の話をするのは、さすがにどうかと思うけど?」
タチバナさんもさすがに咎めるような目で尋ねてくる。まぁ、確かに女性の前で体重とか胸の話をするのはあまり褒められたことじゃないが
「いやぁ、でも、姫ってそこまで気にしてないだろ?」
「はぁ!?それどういう意味よ!」
「落ち着け、落ち着け。なんつーか気にしてはいるけど、コンプレックスってわけじゃないって感じじゃないのか?うーん……気になる傷なんだけど致命傷じゃない的な?うまく言い表せないけど……。」
俺が今まで見てきた中では、カツキやギルドメンバーから何やかんや言われて反論してはいたが、胸ががえぐられているような(もちろん現実の胸じゃないよ?)感じではなかった。どちらかというと恥ずかしいという感じだと思ってたのだが。
「まぁ、気にしていたんならすまん。以後気を付ける。はぁ、俺も見る目がなくなってきたのかな……。」
人間観察には自信があったのだが、そろそろ老いてきたのかねぇ。
「とりあえず、紹介の続きだな。えーと、この青白いロングヘアーのエルフ長女のタチバナさん。茶髪の若干おっとりしたのが次女のリリ。桃髪猫耳の元気そうなのが末っ子のミミ。みんなゲームの腕は確かだけど、『AGO』は初めてだから色々と教えてあげてね。」
さて、紹介も終えたことだし、イベントが始まるまで基本的なことでも教えておきますか。