003話
コンビニ出てから数分。どーにか家に帰ってこれた。
「で、今日の戦果は~~」
水 5リットル
カンパン 10缶
缶詰いろいろ 20缶
その他もろもろ
「食料は当面持つやろうけど、水が足りへんな~~…………ま、明日行きしに取ってったらええわ。2リットルもあったら行って帰れるやろ。」
そっからは、缶詰晩飯食べて水で体拭いて寝るだけや。ホンマは水やなくてお湯にしたいんやけど…………ゾンビ危機(仮称)ん時にカセットガス買い占められとるんよな……店にも見当たらんし、家には5本しかないし……
「ま、なんとかなるわ。まだ春やし当分使わんやろ。」
明日は宝玉集めに行く予定やし、さっさと寝よ。
おやすみ~
zzz………………
朝6時
ゴソゴソゴソゴソ…………
「あ、あったあった!これがあったら大丈夫やな!!」
朝っぱらから家ん中をゴソゴソゴソゴソ探しまわっとったんは、このため。
「テッテテレー!!スーパーマッ〇ル~~!!
……………………うん。反応が無いんは知っとった……」
スーパー〇ップル
これさえあれば、日本中何処でも行ける神の本。ただし、デカイ。1kg越えは重いわ…………車やったら日本中の持ってけるやろうけど、チャリに積む……………………ってのは無理やな。うん。
「しゃあない、適当な本屋か何かで漁りながら行ったらええわ。」
水は昨日のコンビニで貰ってったらええし、食料もある。地図も持ったし、もう大丈夫やろ!
「行ってくる!」
そう言って、うちはドアを開けた。
ガチャ
ガチャ
「チャリの鍵忘れたわw」
んで、鍵取ってきて再出発!
「チャリは~……あったあった。ゾンビのアレからどんくらいや?2週間ぐらいか。乗っとらんのは。」
たぶん2週間とかそんくらい乗っとらんけど、壊れてもなさそうやし、ゆーか、これ買ってまだ1ヶ月やし。壊れとったら文句言わんといかんわw
あっ、そもそも文句ゆうとこが無かったわww
「よ~し!ちゃっちゃと行って、玉取ってこよっと!」
ちゅーわけで、家をしゅっぱーつ!
「なんやろ、ゾンビもえらい少ないし……嫌な予感しかせぇへんわ。」
家出て、もう5分も走りよるのんゾンビの1体にも会わへん。
そりゃ、居らへんのやったら楽やけど…………やっぱこの辺寺とか神社とか多いからか?
「んで、次は…………あの交差点を右か。」
そのまま、線路沿いの大通りに出ようとした。
「うわっ!」
キーッ!!
『どんだけゾンビおんねん!!』
すぐそこの学校んとこに、ゾンビがうじゃうじゃ。
「これは通れへんな…………」
もしかしてやけど、ここが避難所みたいんなっとって、そこにゾンビが紛れ込んだか何かで壊滅して、全員ゾンビ行きんでもなったか?
「バレる前にとっとと逃げよ…………」
そのままくるんと回れ右!いやーほんま三十六計逃げるに如かずとはよう言ったもんや。
たしかこれがさっき通った道やな。さっさと迂回して行こ。
「えーっと。ここが右…………やなくて左か?うん?どっちや?いや、右か。右やな。」
早速迷う
「おっかしいな~?確かここを通ったはずなんやけど…………」
どうも道がわからへん。そもそもさっき通った道か?これ。あのコンビニは…………あった。………………うん?………………………………これ、道ちゃうやん!
あっ………………」
変な声あげてもうたから、またゾンビが来おった!
「はよ逃げんと!………………ありゃ?」
後ろから何か来る?
「なんや、挟み撃ちか!……………………いや、なんでやねん。」
後ろから近づいて来よったんは…………
「なんでゾンビが車動かしとんねん!そんな知能無いんちゃうかったんか!?」
この辺がゾンビに飲み込まれる前、確かに言っとったはずや。
『ゾンビに車を動かす等の知能は無い。』
日本の政府がそう言っとったはず。せやけど、現に車に乗って来よやかいかい!
『え~~っと!この辺の道!脇道無かったっけ!?あああ!マッ〇ルなんて見ても分からんわ!!!なんかなんかないか!?
あっ、あった。』
テッテテレー!防犯ブザー!!
「ていっ!」
「ビビビビビビビビビビビビビビ!!!!!」
「「「!!!」」」
「う…………うぁ~~~」
「う~~」
ゾンビが左向いた、チャンス!!
ダーーーッシュ!!!
「グシャッ!グチュッ!ガシャーン!!」
車もゾンビ轢き殺してどっか突っ込んだっぽいし、一石二鳥やな!!ちゃっちゃっと逃げて行こか!
そっからは、家の近くまで戻って裏道グルグル回って学校の裏通ってさっきの大通りまで戻った。
「ここまで来たら安心やな。ゾンビがおっても遠くから分かるし、脇道も多いからすぐ逃げれるし。」
さっきん所にゾンビが集まったんかな?全然ゾンビがおらへん。ま、その方が早よ着くからええんやけどね。
「♪♪~♪~♪~♪♪~~」
ゾンビは見当たらん。鼻歌歌っても問題無し。ホンマ楽やわ~~
せやけど、放置されとる列車の中には客ゾンビが溢れとるし、そいつらがいつ出てくるかも分からへん以上、この安全も期間限定みたいなもんやな。
「それん、次の県行くんやったら、この家に住んでられんしな……」
近江八幡からここまでまだ数キロやけど、生き残りには会っとらん。もう全部ゾンビになったか、地下んでも逃げたか。それとも、みんな逃げ出したか…………
「そーいや、この辺えらく綺麗やな。家は崩れとらんし、ガラスもほとんど割れとらん。割れとったんはさっきの学校だけやったし…………」
住んどった人らは逃げたんか?それとも学校の前のゾンビになってもうたんか?
「…………車が残っとるから、そう遠く逃げては無いやろうし…………やっぱ学校んとこのゾンビがこの辺の人らなんやろな…………」
もし、そうなんやったら、この辺はゾンビが居らんくて当然やな。
「せやけど警戒は怠らんように。っと。」
その後も、単体のゾンビはちょいちょい出てきたけど、前みたいにドサドサおったわけや無いしスムーズに倒して行った。で、うちはJRの線路を渡って目的地の最寄り駅に着いた。
安土駅
ここからが正念場や。