第8話 ねぇ、コイツ猫? え? そうなの? ふ〜ん
え〜っと。
とりあえず学校が直りました。ヤッタネ☆
俺は一つの疑問を抱いた。それはピエールの事だ。最初はニャーとか普通の猫の鳴き声だったのに日がたつにつれて人の言葉を喋るようになり、挙げ句の果てにはフラダンス・・・
とにかくピエールが他の普通の猫とは明らかに違うのだ。
動物病院に連れて行っても肝心のピエールが一言も人の言葉を喋らないのだ。
その時は殺そうと思った。マジで殺そうと思った。その衝動を抑え、他を当たることにした。
とりあえず学校の先生達に相談してみることに
まずは生物の先生かな。生物の先生ならたぶん知ってるし
「ピエールってなんなんでしょう?」
「う〜ん。私でもわからないね。すまないね、役に立てなくて」
はぁ? お前にどれだけ期待寄せてたと思ってんだハゲじじぃがぁ!(実際はハゲてません。ただ気分的に・・・ね)
「そっ そんなのいいんですよ。では失礼します」
チッ コイツは役に立たんな
次は歴史の先生だ。もしかしたら生物の先生と同じような答えが返ってくるだろうが
「ピエールってなんなんでしょう?」
「わからないね。ただ歴史の表舞台には出てきてないようだ(当然)。」
「そうですか……」
じゃあだれが知ってるかな〜。
・・・そうだ! 尚哉なら知ってるかもしれない。アイツはああ見えて(パシリ)全国模試一位だし、ウンチクも数えきれないほど持ってる。
やったね! 可能性が見えてきたぜ
俺はとりあえず教室まで走った。職員室から結構距離あるしね。まぁ別に急ぎの用ではないが・・・
教室に入ると尚哉は勉強していた。熱心だね。うん
おっと、目的を忘れるところだった。
「尚哉〜」
「ん?」
「実は・・・」
――――――
「というわけなんだよ。尚哉そういうの詳しそうじゃん? だからさ・・・」
「う〜ん・・・そういうのは聞いたことないな〜」
「そっか・・・尚哉も知らないか・・・」
「? ほかの人にも聞いたのか?」
「あっ うん。生物と歴史の先生にね」
「そりゃ先生でもわからないだろうな」
たっ 確かに・・・
「じゃあご主人様(柊先生)に聞いてみたら? ご主人様なら知ってるかも」
「あぁ! そうかもな。知ってるかも。じゃあ聞いてみるわ! じゃっ」
「オイッ」
なんだよ。俺がいま走り出すところだったのにコノヤロウ
「もう授業始まるぞ。早く席につけ」
先生でした・・・
――――――
ガラララ
「こんちわ〜」
「へいらっしゃい」
居酒屋!? ここ居酒屋!?
「アラ〜。斉條クンじゃなぁい♪なんか用?」
この人は・・・。
「え〜っと・・・。実は・・・」
――――――
「というわけなんですよ」
「うん。いるんじゃないかな。」
「え?」
予想外の答えだな。この人なら
「はぁ? いるわけないじゃん。そこのベット貸してあげるから横になれば?」
とか言いそうなのに・・・
「ピエールという喋る猫は実際にココにいるんだからちゃんとピエールという存在を受け止めてあげなきゃ。でしょ?」
なにいいこと言っちゃってんのこの人・・・
コメディーだよコレ! それを忘れたらおしまいだよ! ちゃんと使う言葉選ばなきゃダメだよ。
「はぁ・・・じゃあそうします。ありがとうございました。」
「ねぇねぇ、私そうとういいこと言ったよね? これで人気アップするかなぁ〜」
この人はダメだ・・・他を当たろう。と言っても後は美咲しかいないんだけどね。
とりあえず俺は教室に戻ることにした。そろそろ次の授業が始まる頃だし・・・
――――――
今は昼休みだ。昼休みは決まって美咲がやって来るから俺から行くまでもないな。
「あっつし〜♪おべんと食べよ〜」
おっ 噂をすれば・・・
「あぁ、屋上行くか」
「おっ おれも良いか?」
「あ、いい
「ちょっと待ったぁ〜!」
なんだなんだ? セリフ被らせやがってコンチクショー
「淳は待っててねん☆ 佐伯! ちょっとツラ貸せや」
「ひっ」
美咲そんなキャラだっけ?
美咲は無理矢理尚哉を連れてっちまったし、少し寝てよう。
――――――
「・・・つし! 淳!」
「んあ? やっと戻ってきたか」
「うん☆じゃあ屋上行こっ」
「あぁ。」
なんか尚哉が絶望のどん底のような顔をしているのはスルーして屋上に向かおう。
――――――
俺は早速美咲にピエールの事を聞いてみた。
「ふ〜ん。知らないけどとりあえずスキャンしてみようか?」
スキャン? なんですかその素敵な能力は・・・?
「・・・反応なし?」
「あっ あぁ! やってくれ。」
「・・・スキャン!」
フォォォ
ビーム出たぞビーム!
ォォォン
どうやらスキャンが終わったようだ。
「えっとね。ピエールは普通の猫より少し脳の容量がデカイみたいね」
「ほぉ、だからピエールは喋れたり出来たんだ」
「そ。ただそれだけよ」
なんか拍子抜けしちゃったな。でもどうして脳が普通よりデカイんだろう?
「実際は突然変異のせいなんだけどね」
説明ありがとう。
「・・・で、尚哉はなんでそんなにブルーなんだ?」
「気にしないでくれ。俺の人生の問題だ」
「? そっか・・・」
こいつも色々と抱えてんだな。
「そうだよ。気にしちゃダメだよ。でもどうしても知りたいなら第4話を見てみよう☆」
誰に言ってんだお前は・・・
――――――
どうでもいいが美咲の制服の胸ポケットから少し出ていた壱万円札は一体なんだったんだろう・・・?
謎だ・・・