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第10話 彼らにとったらごく日常的な高校生活

「猫パンチ〜」


 ポコポコポコ


「………」


「猫キ〜ック」


 ポコン


「………」


 なにやってんだコイツ? さっきから猫パンチやら猫キックやら………そういえば最近プロレスにハマってるんだっけ


「ボディーブロー♪」


ドゴォォォ


「ぐはぁ……!? いつ……の間に人…化した……んだ………ょ」


「さっきです♪ だってアツシに攻撃効かニャいんだもん」


「そんなことはいいから下見ろよ」


「あわわわっ」


ポン


「ふぅ〜」


 いまピエールが人から猫に戻った。 人が言わなきゃわからないとは……さすがは猫。


「さて、そろそろ朝飯でも食うかな………」


ポン


「アタシもくうぅ〜………ニャ」


「まず服着ろ」


「あわわわっ」


 まったくしょうがないなコイツは……


 最近ピエールは人化した状態で飯を食う。 なんでもその方がいっぱい食べれるから、だそうだ。

 ちなみにいま着ている服はシンプルにTシャツに短パン。 活発を絵に書いたような感じだ


「ごっはん〜……ニャ」


 また無理矢理つけるんだから………


「で、なに食べたい? まぁ有り合わせの物しか作れないけど……」


「じゃあ食パン作って〜……ニャ」


「食パンは無理だね〜。 それ以前に何時間かかると思ってんの?」


「む〜……じゃあクロワッサン」


「クロワッサンなら買ってきてあるよ」


「え〜、手作りがいい〜」


「だからパン類は無理だって……」


 っつーかコイツこんなにパン好きだったっけ?


「なら牛丼で♪」


「……はいよ」


 俺は早速調理に取り掛かる。 よくよく考えると猫が牛食うんだよな……凄いぞこれは!


【淳くんは食物連鎖に興味をもった。 テレレッテレーン♪】


 よし、できた! 我ながらうまそうだぜ


……じゅる


 ……じゅる?


「って、おわぁ!?」


 ビックリしたぁ〜……だっていま、じゅるってうでにピエールのヨダレが……


「あっ、ごめんニャ〜」


「………」


 ニャ〜、が付くとなんか馬鹿にされてる様な気がするな。 しかしこれはキャラ付けだ。 多目に見よう。 うん。


「許してニャ〜」


「わかったわかった。 わかったから泣くな。 あっ、ホラ! 早く飯食おうぜ。 な?」


「うん♪」


 嘘泣きかコノヤロウ♪


【注意:淳くんの心の中のピエールは既に淳くんに殺害されてます☆】



「ガツガツガツガツ……ゴックン……ゲホッゲホッ………うぅ」


「おいおい、そんなに急がなくても……」


 にしても食うの早いな……


 もう半分も無いぜ、おい! ちなみに俺のはまだ手をつけてません。


「ごっちそぉさまぁ〜……ニャ」


「お粗末様」


「………ニャ」


「どうした? っつーか沈黙にまでニャ、ってつけなくても………」


「ちょっと足りないかな〜……と」


 そういいながらピエールがハハハ、と笑っている。 ヤベェ……猫の時並の殺傷能力だ……


「俺の食うか? もともと俺には少し多いしな」


「いいの?」


「あぁ」


「やったぁ☆」


 満面の笑みってこのことを言うんだろうなぁ………


「ガツガツガツガツ……ゴックン。 ガツガツガツガツ……ゴックン」


 うん。 明らかに『ちょっと足りない』じゃなくて『全然足りない』だよね? しかも食うときの目は猛獣顔負けの迫力だよ。


「グルルルル………ニャ」


 グルルルルとニャって………どんな生物だよ


 そういえば俺の飯は……?


「ごっちそぉさま〜☆……ニャ」


「無いってわけね……」


「ん? なんか言ったかニャ?」


「ううん。 お粗末様」


 あれ? なんだろう? この目頭に込み上げてくるものは……ハハッ



















「やっべ〜! 遅れる〜」


 おれは全力で走っている。 ピエールと漫才(?)してたら遅れちまった……


 家から学校まで歩いて25分位だ。 しかしそれは普通に歩いた時のことで走れば12、3分程度で行ける。 ……はず。


 とりあえず今は走るしかないんだ!


「っっだらぁぁぁぁ!」


 あうぅ……近所のおばちゃんの視線が痛い……(泣)

























ようやく学校についた。 なんとか時間内だ。 とりあえず靴を履き替えて教室へGO!!!




 ん? 教室の中が妙に静かだな……。 まぁいいや。


ガラガラ


「オイ〜ッス」


 ………あれ? みんな元気がないな……。 って言うよりもう授業が始まってるよ? おかしいね☆


「おい斉條。 一時間遅刻してオイ〜ッス、はないだろ〜。 え? なんか言ってみろコラァ!」


 あらら……なんか俺遅刻したらしいな。 え〜っと、とりあえず一言一言………


「……ガラ悪いッスね」


「ちがぁぁぁう! 遅れた理由を言えと言っとるんだ! 少しは理解しろテメェ!」


理由か。 そうだったのか。


 じゃあ猫と漫才してましたって言うか? でもそれじゃ只の馬鹿だし………なら……


「猫と戯れてました」


「ーッ! 廊下に立っとれ!」


「プッ……廊下に立っとれって……いまどき誰も言わねぇっつーの(笑)」


「わ、笑うなぁぁぁぁぁ!」


キーンコーン


カーンコーン………


「授業終了〜。 早弁しよ〜っと」


「………死のう」


 ん? いまこの先生Aなんか言ったか? なんか闇の底に叩き落とされた様な顔してるけど………気のせいだな。


「ねぇ……」


「あぁ、なんだ?」


 あれ? 誰もいない………


「ニャー」


 ニャー? 猫でもいるのか? この学校


「ここだよぉ〜……ニャ」


 なんか俺の胸ポケットの中から聞き馴れた声が……まさか!


 俺は胸ポケットからその声の主を引っ張りだした。 あくまでソフトに。


「ニャッホー」


「ピエール!?」


ざわざわ


 ヤバッ! 声出ちまった。 ってか見た目は普通の猫なのになんで掌サイズに!?


「おはよう♪ 淳にピエール」


「………おい、なんでピエールがこんなに小さいか知ってんだろ? てかどうせお前の仕業だろ!」


 我ながら凄い迫力だよ。 見直しちゃうね☆


 少しするとピエールが口を開いた。


「あたしがみっちゃんに頼んだよだよ………ニャ」


「そういうことよ。 ピエールは元々の姿の猫化。 猫の時の容姿をそのまま人の形にした人化。 もう一つは猫の状態でのミニミニ化ね。 掌サイズになれるのよ。 あたし凄くね?」


 自画自賛してるし……


「でもなんでそんなこと頼んだんだ? ピエール」


「それは学校が楽しそうだからだよ。 それに面白いからね……ニャ」


「面白いからってお前……」


「これからはいつも来るからよろしくぅ〜………ニャ」


「そういうことよ。 まぁピエールがいれば淳も少しは勉強するでしょ」


 それが真の目的か……悪質な……


【みんなはちゃんと勉強しようね☆】


「はぁ………」
















次の授業(4時間目)………



 結局早弁できなかった………


 しかも周りから色々な声が……


「あれ? 斉條の机の上の猫かわいくない?」


「本当だ〜。 かわいい〜」


「あの小ささがいいよね〜」


 ピエール女性に大人気。 でも当の本人は……


「ねぇねぇアツシ〜。 あのセンセって気持悪いね。 なんかトロールみたぁ〜い………ニャ」


 まぁ、こんな感じだ。


 念のため言っておくがピエールの声は俺にしか聞こえてない。 体が小さい分声も小さいのだ。 まぁこれでいつものボリュームだったらそれはそれで笑え……困るが。


「おい! そこのクソアマ共! 私語は慎めコノヤロウ」


 ピエールを話題に話していた一部女子達が先生に怒られた。

 しかし女子達も負けない。


「うるさいな〜!」


「誰がクソアマだよ! 教育委員会に訴えるかあっ?」


「頭カチ割って脳ミソ握り潰すぞゴルァ!」


「ゴメンナサイ!」


 女子達の猛口撃で精神的ダメージを負ったトロール(先生)は残像が見えるほどの早さの土下座をした。 てかよく見たら最後の女子って美咲じゃねぇか!


「イヤァァァア」


 とうとう先生が授業を放棄した。 で、机の上のピエールはというと………


「ニャハハハハ♪ トロール先生チョーおもれ〜………ニャ」


 机の上で腹を抑えて大爆笑。


 なんかニャ、が口癖みたいになってきたな



















時は過ぎて昼休み………



「あっつしぃ〜! お弁当たっべよ〜」


「おう」


「ニャ」


「お……おれも……」


 直哉が一万円札を美咲に手渡しながら弱々しく呟いた。 その一万円札を渡す理由を美咲に聞いたときは涙が出そうだったよ直哉……。 お前……虎のシッポ踏んじまったんだな……


 あ、また涙が………


「ん? どうした? 淳」


「直哉ぁ……お前も辛いなぁ……」


「そんなこと無いさ。 俺は変態だからね」


 よし! もう直哉を哀れんだりして泣くのはやめよう。 コイツは変態なんだ。 無意味だな。 うん


「早く屋上いこ♪」


「おくじょ〜おくじょ〜♪ ……ニャ」


「じゃ、行くか」


 俺は鞄からコンビニ弁当が入ってるビニール袋を取り出した。


「さぁ、行こう! エデンへ……パラダイスへ……」


 そして柊先生まで屋上へ行こうとしている。


 まぁ賑やかで良いけどね。
























 あ〜。 空が青いねぇ〜……


 こんな日は現実逃避したいねぇ〜……


「見ててね。 こうやるのよ!」


「おい斉藤! なんで俺で試すんだよ! ちょっと、なんだよその構え!」


「じゃ……いっくわよ〜」


「はい、先生」


「お願いします。 センセ……ニャ」


「……豪翔破(ごうしょうは)!」


グッ


「!? ぎゃぁぁあ!」


 え〜っと………まず美咲が『豪翔破』って言ったあとに掌を直哉のみぞおち辺りに当てて、次の瞬間に直哉がめっちゃすっとんだ。 あれは凄いよ。


 まぁこれが現実逃避したい訳だな。


「直哉死んでなきゃいいけど……」


「「「ん? なんか言った?」」

……ニャ」


「いや、なにも……」


 なんかピエールだけ浮いてるな。 あと、今のピエールは普通サイズの猫だ。 まぁこの状態で人化したらスッポンポンだしな……













「はぁ〜。おいしかった〜♪」


「満足満足♪」


「おいしかった………ニャ♪」


 みんなすっげぇ幸せそうだな。 特にピエールなんか眠そうに目をトロンとさせている。


「ミニミニ化したらどうだ? 寝てていいぞ」


「うん……ありがと……ニャ」


ポン


 ピエールはミニミニ化してスースーと寝息をたてながら寝始めた。


 ヤバイ、癒される……


「あっ! そういえばピエールって人の年齢にしたらいくつ位なんだ?」


「う〜ん。 だいたい14歳位かな」


「やっぱり年下なんだ……道理で行動が子どもっぽいと思った」


「斉條クン、ロリコン?」


「あっ、やっぱり柊ちゃんもそう思う?」


「ちがうちがうちがぁぁぁう!」


「なにムキになってんのよ。 それに大声出したらピエール起きちゃうでしょ!」


「ヤバッ……!」


 俺は慌てて口を抑えた。 ピエールは相変わらず寝息をたてながら寝ていた。


キーンコーン


カーンコーン


「やばっ! 授業始まっちまうぞ」


「やっばぁい! あたし優等生なのにぃ〜」


 どこが……。


 とは言うのはやめとこう。 最悪殺される……。





















ガラガラガラ


「「間に合ったぁ〜」」


 俺と美咲は息を切らして教室に入った。


「間に合っとらん!」


「うっせぇ! 黙れ! あたしが間に合ったと言えば間に合ったんだよ! 口ごたえすんな」


「うぅ……」


 口ごたえって……。 口ごたえしてんのは美咲だよなぁ、どう見ても。


 最近の教師はなんか弱くなったな……


他の学校でもこうなのかな……?


「もういい、席に付きなさい」


「目上には敬語を使いなさい! そんなこと小学生でも知ってるわよ」


「くっそ〜! 席に付いてください! お願いします!」


 目上が謝ったよ……


 じゃあ席に戻るとするかな。


 少し普通に授業をしていると美咲がなにかをしだした。


 ちなみに俺の席は窓際の一番後ろで美咲の席は俺の席の右前だ。 故に美咲がなにをしようとも俺には丸分かりなのだ。


 正直楽しい。


 っと、話をしだそう。


 美咲が机の下に手を隠しながら何かを溜めている。 その証拠に小さい声でハァ〜、とか言ってるし。


「……よし」


 なんか出来たっぽいね。 よく見たら小さい玉っぽいのだった。


「アメ完成〜♪」


 アメかよ!? てっきり俺はもっととんでもないものだと思ってたのに、興醒めだな〜。


「あたしもアメほし〜ニャ〜」


「あれ? ピエール起きてたのか?」


「うん。 なんかアツシがみっちゃんのとこ笑いながら見てるところから……ニャ」


 結構最初からなんだな。


「アメ舐めるぅ〜……ニャ」


「はいよ。 いま美咲にメール打っ……と……?」


「はいよ。 ピエール」


「みっちゃん☆ ありがと……ニャ」


「聞こえてたのか? 美咲」


「超能力で聴力上げてたのよ」


「もうなんでもありだな……」


「コラ! 席に付きなさ……付いてください。お願いします」


「はいはい」


【勇者・美咲は奴隷・教師を仲間にした。 テレレッテレーン♪】


 その頃……ピエールは口の中でアメをコロコロさせていた


「おいち〜……ニャ」


 うぅ……癒される……


 ピエールからα波でも出てんのかな……?






















「ふぁ〜……ねむぅ〜」


「あははっ、もうすぐで家だからガンバレガンバレ♪ ……ニャ」


「お〜う」


 ただいま帰宅中……


 もう眠くてやんなっちゃうよねぇ〜。 今日は癒され過ぎて逆に疲れちゃったよ。


「ファイト♪ ファイト♪ ……ニャ」


 また体力吸われるぅ〜





















「さぁ〜て、夕飯なににするかなぁ〜っと。 ピエール。 人化するのはいいが服持ってきとけよ?」


「は、はぁい……ニャ」


 手遅れでした。 既に人化したピエールは速攻で服を来ていた。


 その時間僅か2秒。 はやっ!


「ごっはん〜♪ ごっはん〜♪」


「夕飯はチャーハンにするか!」


「やったぁ……ニャ」


 喜んでる喜んでる。 じゃあ俺はチャーハン作りますかね。










「完成〜。 いっぱい食えよ」


「わぁい……ニャ。 ガツガツガツガツ」


「さて、俺も食うかな。 ガツガツガツガツ」


 数分後……俺とピエールは綺麗に平らげていた。


 普通の2、3倍の量はあったんだがな……。 うん。 たいした食欲だ。


「おかわり〜……ニャ」


 うん。 たいした食欲だ。
























 翌日………


 直哉が以上にふやけていた

初めてこんなに書きました。 その代わり疲労が……ぐふぅ

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