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瞬き  作者: アズキ


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1,変死体

2025年4月10日。

群馬県、とあるアパートの通路、時刻は深夜1時。

真夜中ではあったものの、警察が出動している。

アパートの住人は何があったのかと外に出て様子を伺おうとしているが、既にバリアが貼られ、中を見ることはできない。


群馬の捜査1課である藤沼優香ふじぬまゆうか瓦井優希かわらいゆうきも事件現場に到着。

階段を上り、3階の通路に到着。


「お疲れ様です。

ここのアパートの住人からの通報で、第一発見者はその住人です。

死亡推定時刻は0時から0時30分の間でしょう。

被害者はこのアパートに住む、サラリーマンの間田宗一はざまだそういちさんだと思われます。

まだ詳しいことは調べている最中です。」


「ありがとう、お疲れ様。」


状況を伝えてくれた警察官に礼を伝えたあと、藤沼と瓦井は遺体に近ずく。

遺体にはカバーがかけてあり、めくる前に手を合わせた。


カバーを外し、遺体を確認する。

その遺体を見た時、2人は同じことを思った。

それを先に口に出したのは藤沼である。


「ついに…うちの県にまで…。」


最近、日本の各地で変死事件が起きている。

最初は青森県、2箇所目は長野県、そして今回の群馬県。

死に方が全く同じであること、そして、他殺だとして犯人の手がかりは全くないこと。


完全犯罪の可能性があるのだ。


「住人からの通報はどんなものでしたか?」


瓦井がそばにいた警察官に尋ねた。


「住人からの通報では、アパートの通路から叫び声が聞こえてきて、酔っ払いがいるのかと思ったと。」


「それで外に出たら、この死体とバッタリというわけだ。なるほど…様子とかは?」


「いえ、そこまでは、今事情聴取していますが、通報のタイミングからして、もう既に死んでいたようですから、あまり期待しない方がいいでしょう。」


瓦井が警察官と話している時も、藤沼は死体を見つめていた。

どこが変死体と言えるのか…

まず、目に入ってくるのは被害者の目の部分だ。

眼球が瞼を通り越して飛び出ている。

少し引っ張れば取れてしまうと思えるぐらいにだ。


そして、その表情…

まるでこの世のものでは無いものを見てしまったかのような悍ましい表情。

人は恐怖を感じるとこんな顔をするものなのだろうか?

そして、1番不可解なのは外傷が全くと言っていいほど確認できないこと。


こういう事件の場合は証拠や手がかりが残っていてもいいはず、それに外傷もなしに殺すことができるのだろうか?

首を絞めた傷跡もない。刺されたようなあともなければ出血もしていない。


「藤沼さん。」


瓦井に呼ばれ、ふと我に帰る。

初めてこんな遺体を見れば、それは恐ろしくてびっくりしてしまうだろう。

慣れていたのは、この事件の前に2つほど同じ事件が起きていて、遺体を見ていたからだろう。

見ていたと言っても、送られてきた写真を見たぐらいだが…


藤沼はこういう理解ができないような事件を解決したいという強い意志があった。

ある意味、やりがいに近いものだろう。

不可解な事件を追っている自分自身に酔いしれることも少なくわない。

それで事件を解決できたのなら尚更いい。


「この事件、どうします?

他殺だと思いますか?」


「にしては、証拠とか手がかりが何もなさすぎる。

上がなんて処理するのか…」


「でも、追うんでしょ?」


「当たり前でしょ。」


瓦井は藤沼の性格をよく理解している。

ここ数年バディのように仕事をこなしていれば、慣れるものだ。

瓦井は、東京からやってきたシティーボーイ。

それを育て上げたのが藤沼というわけだ。

そんな強い女性に育てられた瓦井は藤沼を尊敬していたが、彼女のどこまでも事件を追う姿勢には時々振り回されている。


藤沼はと言うと、群馬生まれ群馬育ちだ。

この土地のことはよく知っているし、新人を鍛えるのもそんなに苦ではなかった。

今では2人は息ぴったりのバディと呼んでいいだろう。


「とにかく、戻って前に起きた事件についても確認してみる。

被害者の概要についてもね。

あ、そうだ、この人の身元が分かったら連絡ください。」


「了解しました。」


警察官にそう伝え、1度戻り情報収集をすることにした。

車の中で運転をする瓦井、情報を既に集め始めようとしている藤沼。


「こんな時間からやると、オール確定ですかね。」


「朝帰りになる可能性は大かもね。

別に、疲れたら瓦井くんは帰っても大丈夫だよ。」


「んな残酷なことしませんよ。

それに、藤沼さんに付き合うのは慣れてますから。朝までやりますよ。」


「そういえば、今度地元帰るんだっけ?

休み取ったって言ってたでしょ?」


「そうです。

え〜っと、24日に帰りますね。

友達にも会いたいですしね、もし事件が長引いてたら残ることも考えてますよ。」


「それは悪いよ、そん時は私が受け持つからちゃんと親に顔みしてやりな。」


この時2人はこの事件に絡んでいる邪悪な存在については知る余地もない。

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