表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/34

第三十二話 革命ラッシュ:王都を揺るがす波

「技術の使徒」のリーダー、リリ・ヴァルツとの連携は、私たちの「復権計画」を一気に加速させた。彼女の組織は、王都の地下ネットワークと通信網を掌握しており、現国王の監視の目をかいくぐって行動するための、完璧な情報網を提供してくれた。


「現国王は、試作兵器『ニャル』の敗北に激怒しています。現在、王都の全警備を強化し、殿下を捕らえるため、すべての機械兵団を動員しようとしています」リリ・ヴァルツが、地下の作戦基地で報告する。


「彼らに準備の時間を与えてはいけない。ここで一気に畳み掛けるわ」


私は、エリオット王子の復権に不可欠な「三つの要素」を、この一晩で達成する作戦を立てた。


第一の波:情報操作アトラスとヴァルツ

「アトラス様、リリ・ヴァルツ。第一の波は情報操作です」


私の鑑定によると、ヴァルキリアス国民の多くは、現国王の失政に不満を抱きながらも、『王子の生存』を知らされていないため、抵抗を諦めていた。


「アトラス様は、王都の通信塔の空間座標を歪ませ、現国王の検閲を無効化してください。その一瞬の隙に、リリ・ヴァルツ、殿下の『王位継承の正当性』を示す声明を、全市民に一斉に放送してください」


「空間操作と技術の連動ですね!承知いたしました!」アトラスは、覚醒以来の最高の集中力で演算を始める。


深夜、王都の全魔力通信が、一瞬、完全に停止した。そして次の瞬間、すべての機械端末、すべての公共スピーカーから、エリオット王子の凛とした声が響き渡った。


『私は、正当なるヴァルキリアス王国の王子、エリオットである!暴君の圧政に耐えている同胞よ、今こそ、真の自由を取り戻すときだ!』


王都の市民は騒然となり、警備隊も混乱に陥った。革命の火蓋が切られた瞬間だ。


第二の波:武力制圧と市民の蜂起エリオットとアイリス

情報操作で王都が揺れる中、エリオット王子は、アイリスが整備した予備のガトリングカノン砲を搭載した装甲車で、最も厳重な警備を敷く王宮への裏門へと突撃した。


「アイリス!目標は、警備隊の魔導動力炉!民間人を傷つけるな!」


「はい、王子!」


アイリスは、王子の指示通り、王宮の裏門を固める警備隊の動力炉のみを正確に狙い撃ち、裏門を無力化することに成功した。その突撃を皮切りに、勇気を得た「技術の使徒」のメンバーと、王子の声明に感化された市民たちが、一斉に蜂起した。


「これだ!これが、私が求めた国民の情熱だ!」エリオット王子は、市民の先頭に立って、王宮へと向かう。


第三の波:王宮制圧の鍵(リリの決断)

私の鑑定によると、現国王は王宮の最上階に籠もり、最後の切り札として、「王都全域を機能停止させる自爆装置」を起動させようとしていた。


「最終局面です。アトラス様、全魔力を注ぎ、私とエリオット王子を、王宮最上階の国王の玉座の間へ、直接空間跳躍させてください!」


「そんな!魔力が持たないかもしれません!」


「構いません!私たちが間に合わなければ、王都は瓦礫になる!アイリス、船の予備動力炉の魔力を、すべてアトラス様へ注入して!」


アイリスは躊躇なく、魔導船の予備の動力を解放した。魔術と技術が極限で融合し、アトラスは最後の空間跳躍を実行した。


ズザァァン!


私とエリオット王子は、最後の力を使い果たしたアトラスに背中を押されるように、閃光と共に、玉座の間へと飛び込んだ。目の前には、恐怖に顔を歪ませ、巨大な赤いスイッチに手をかけようとする現国王の姿があった。


「革命ラッシュ」は、最後の瞬間を迎えたのだ。

ボクです!まさしく革命ラッシュ!怒涛の展開でしたね!


リリちゃんの指揮は、もはや戦術の芸術です。情報操作、武力制圧、そして極限の空間跳躍を、すべて一晩で実行しました。


技術と魔術の融合: アイリスの技術がアトラスの魔術の「燃料」となり、不可能な跳躍を可能にしました。これが、リリが目指す「原神」の力の片鱗です。


エリオット王子の覚悟: 市民の先頭に立つ彼の姿は、王としての資格を完全に証明しました。


そして、最終局面は、玉座の間での現国王との直接対決!王都の運命は、今、リリとエリオット王子の手に委ねられました。


次回、ついにヴァルキリアス王国の物語に決着がつきます。最後の瞬間、リリちゃんは何をすべきか、冷静に判断できるでしょうか。


次回、最終章の始まりです!またね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ