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第二十六話 デジモンアドベンチャー

夜明けの海、水平線には王宮の魔導兵団の船団が迫っていた。彼らの船首には、魔力を極限まで集積した新型広域攻撃兵器が、禍々しい光を放っている。


「リリ様!エネルギーの集積が限界です!来るぞ!」エリオット王子が警告する。


私は、船首に急造した「空間・魔力融合型迎撃砲」の指揮を執った。アトラスとアイリスが、その左右に立ち、彼らの魔力と技術を兵器へと注ぎ込んでいる。


「アトラス様、アイリス!私たちの運命は、この一撃にかかっています。トモダチコレクションの力を信じて!」


私の言葉に、アトラスとアイリスが力強く頷いた。


「ボクの演算精度は、今、限界を超えている!リリ殿下の指示に従い、空間の『ゼロ座標』を正確に捉えます!」アトラスの瞳が、エメラルド色の光を帯びて輝いた。


「私の増幅炉の出力も、限界です!平和への願いを、魔力に込めなきゃ!」アイリスは小さな体で、増幅炉を抱きしめた。


究極進化:合体魔導砲

敵の広域攻撃兵器が、ついに魔力を解放した。それは、巨大な雷光の塊となって、私たちの魔導船目掛けて飛来する。


「来ました!目標、敵広域攻撃兵器の中心点!アトラス様、目標座標まで1.25秒の跳躍!アイリス、全魔力開放!」


私の指揮の元、アトラスが計算し尽くした空間座標への「瞬間移動の道」を開き、アイリスの増幅炉で極限まで凝縮された砲弾が、その道へと射出された。


ドォォォン!!


迎撃砲から放たれた砲弾は、空間を跳躍し、敵の広域攻撃兵器が放った雷光の塊の**『中心核』**を、見事に貫いた!


ガシャァァァァン!!


雷光の塊は、中心核を破壊されたことで、巨大な光と音を撒き散らしながら、海上で自壊した。敵船団は、自らの兵器の自爆の余波を受け、大混乱に陥る。


「やった!成功です!」アイリスが歓声を上げた。


「リリ殿下の指揮があれば、不可能な演算はありません」アトラスも深く息を吐いた。


最後の試練と王子の覚悟

しかし、勝利の瞬間は、まだ早かった。


敵船団の混乱の中、二隻の船だけが、迷わず私たちの船目掛けて全速力で突っ込んできた。オズウェルの乗る武官船と、シエナの乗る魔術船だ。


「リリ!奴らは、直接突入してくる気だ!」エリオット王子が叫ぶ。


シエナは「千里眼」が封じられても、広域攻撃が失敗した今、最後は武力による強行突破を選んだのだ。


「もう魔力は残っていません。迎撃砲は再装填に時間がかかる!」アイリスが顔を青くする。


「構いません!」私は叫んだ。「アトラス様は船の空間航行の制御を!アイリスは船体の防御を!エリオット王子!」


私は、疲労困憊のエリオット王子を真っ直ぐに見つめた。彼のステータスは、【情熱(限界突破)】。


「貴方が、剣一本で、彼らを退ける番です。王子の力を見せて!」


エリオット王子は、私の言葉に、かつてないほどの決意を瞳に宿した。


「ああ、リリ。私の『情熱』は、まだ尽きていない。この命が尽きようとも、この船と、君たちを守る!」


エリオット王子は、艫に立ち、迫りくるオズウェルとシエナの船目掛けて、孤独な戦士として剣を構えた。まるで、デジモンが究極進化を果たし、最後の強敵に立ち向かうように。


彼の背中は、もはや単なる「囚われた王子」ではない。全てを守る、一国の王の背中だった。

ボクです!まさしくデジモンアドベンチャー!彼らは、それぞれの「紋章」たる能力を信じ合い、最高の進化を遂げましたね!


空間・魔力融合型迎撃砲: これは、リリたちの「トモダチコレクション」が単なる個人の集合体ではなく、一つの強力な生命体として進化した証です!


しかし、シエナとオズウェルは、最後の力を振り絞って肉薄戦を挑んできました。彼らにとって、これは最後のチャンス。


そして、最終決戦の主役は、エリオット王子!彼の情熱が限界を突破した今、彼の剣技はもはや常人の域を超えているはずです。彼は、王としての覚悟を証明し、この試練を乗り越えることができるのか!


リリの指揮は、極限状態の王子を、どう勝利へ導くのか。次回、エリオット王子による、覚悟の一騎打ちです!またね!

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