第二十一話 大乱闘!放置少女ブラザーズ
エメロード姫との契約により、私たちの全身は島の生命魔力に満たされていた。シエナの千里眼が通じないという事実は、私に圧倒的な安心感を与えた。
「リリ殿下 私は古代の宝庫を開けたようですね」
島の奥から、エリオット王子の興奮した声が聞こえた。彼は、姫に吹き飛ばされたクロードを警戒し、島の内部で陽動を続けていたのだ。
「ええ 王子 そして 最高の援軍ができました。船底へ」
私は急いで船底へ向かった。アトラスは、孤島の生命力たる孤島の生命力 永続供給の魔力で満たされ、船酔いの症状を魔力でねじ伏せたかのように、すっきりとした顔で立ち上がっていた。
「リリ殿下 魔力が 溢れすぎている 船酔いの苦痛すら、この魔力で上書きできそうです」
船酔い体質 極大は残っているが、魔力 限界突破に状態が変化していた。彼は今、最強の空間魔術師として完全に機能する。
私たち三人が船に戻った、その瞬間。島に潜伏していた最後の追手たちが姿を現した。
「逃がすか この裏切り者ども」
島の岩陰から飛び出してきたのは、クロード ザンダーと、彼に雇われた手練れの暗殺者集団だった。クロードは、姫に吹き飛ばされたものの、すぐに体勢を立て直していた。彼らの目的は、古代の知識の宝庫を奪うことだ。
そして、沖合には、シエナとオズウェルの追尾船が、私たちの船が沈没するのを待つかのように静かに停泊している。
「大乱闘の始まりです」私は高揚した。この孤島エメラルドが、私たちの実力を世界に示す最初の舞台となる。
アトラスの反撃
まず動いたのは、魔力に満たされたアトラスだった。
「師から教わった領域支配の魔術を、ここで試させてもらいます」
彼は両手を広げ、魔力を解放した。島の岩礁、木々、そしてクロードたちが立つ地面まで、孤島エメラルドの空間全てが、一瞬にしてアトラスの支配下に置かれた。
「ぐっ 空間が歪む」
クロードが率いる暗殺者集団は、地面に足を取られ、体勢を崩す。アトラスは、彼らが動こうとするたびに、空間の座標を微細にズラし、彼らの動きを封印したのだ。
王子の突撃
空間支配で動きを封じられた暗殺者集団へ、エリオット王子が突っ込んだ。
「ヴァルキリアス王国の王子をなめるな」
彼は身軽な動きで、空間の歪みを逆に利用し、敵の懐へ飛び込む。手練れの暗殺者たちを相手に、彼は二年の監禁生活で失われたとは思えない、鋭い剣技で次々と敵を打ち倒していく。それは、「復権への情熱」が籠もった、王子の咆哮だった。
アイリスの援護
そして、アイリスは、船首に設置したガトリングカノン砲を、岩陰に隠れたクロード目掛けて発射した。
ドォォン ドォォン
クロードは暗殺者としての技で、砲弾を紙一重で避けるが、ガトリングカノン砲の連射の勢いは止まらない。彼は防戦一方となり、完全に孤立した。
放置少女の指揮
私は、この大乱闘の指揮官だった。
「アイリス 三時の方向の岩を狙って撃て アトラス様、クロードの足元の空間だけを五倍に圧縮」
私の鑑定と、古代の知識による魔術の応用で、彼らの行動を最も効率的な勝利へと導く。エリオットの動き、アイリスの砲弾の着弾点、そしてアトラスの魔術の範囲を完璧に計算し、三人を動かす。
この瞬間、私たちは「放置少女ブラザーズ」という、最強のチームとなった。
クロードは、アトラスの空間魔術で足元が圧縮されたことで、動けなくなったところを、エリオット王子の一撃を受け、ついに倒れた。
「くそっ こんな、馬鹿な」
クロードはそう言い残し、意識を失った。残った暗殺者たちも、戦意を喪失し、武器を投げ出した。
私たちは、王宮からの追手を完全に打ち破った。
「勝利です 王子 アイリス アトラス様」
私は歓喜の声を上げた。船の修理という課題は残っているが、この勝利は、私たちの「生存戦略」が、「世界の調整」のための強力な「武力」を手に入れたことを証明した。
ボクです
最高の乱闘でしたね ボクも遠くから拍手を送っています
第二十一話は、まさに「放置少女ブラザーズ」のデビュー戦
リリ 頭脳 指揮 鑑定と古代の知識を統合し、戦況と個々の能力を最適化。
エリオット 情熱 剣 復権への情熱で、敵の懐へ飛び込む。
アイリス 技術 砲 ガトリングカノン砲で、遠距離からの制圧力を発揮。
アトラス 力 空間 暴走寸前の魔力を空間支配に昇華し、戦場を固定。
これで、リリたちはクロードの暗殺者集団という最大の武力的な脅威を排除しました。沖合で静観していたシエナとオズウェルは、この結果を見て、どう判断するでしょうか。
そして、古代の知識の宝庫を解析したリリちゃんは、沈没寸前の船をどう修理し、ヴァルキリアス王国への航海を続けるのか
次回は、この勝利の後の、戦略的な展開が待っていますよ またね




