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白瀬レイン、高校1年生、春。4

1


『次の土曜日。14時。ヒリューの家に行く』


不二(ふじ) 飛龍(ひりゅう)は、白瀬(しらせ) 玲音(れいん)からのメッセージににやりと頬を歪めた。

幼なじみなので、家に来ることははじめてでもないが、最後に自宅にレインが来たのは、中学2年生以来ではないだろうか。幼なじみだからか、小学生までは家族間で遊園地や映画館などに遊びに行ったりしていた。

中学なってから俺はサッカーに集中していたから、レインとは一緒に学校に行くことも朝練で無くなった。怪我をしてサッカーを休みがちになってからは、レインの方が受験のために塾に通い始めたため、なかなか互いに会って話すことはあっても、まとまった時間は取れなかった。


「いくら通話で毎日のように話していていたからって、距離が近付くってことなかったな」

ヒリューは頭をかいた。俺って、異性としての魅力が無いのではないのかもしれない。

告白、しかない。

でも、いまさら「好きだ!」とレインに言って何か変わるのだろうか?週末にデートに行ったりするとか?それは最高だ。告白って、どうすればいいんだよ!

レインに告白するタイミングは中学に比べて格段と上がっているのに、告白できないでいる。

明日は久々にレインの私服を見れる。高校になると服の趣味が変わるとネットで見たが本当だろうか?

そうだ!部屋!部屋の掃除をしないとならない!俺の部屋にレインを迎える可能性がある!

ヒリューは真夜中から自室の模様替えを始めた。

いつしか床に寝てしまい、起きたら大学生の兄である、不二(ふじ) 宗谷(そうや)が、帰っていた。水を飲みにリビングに行ったら、涼しい顔でソーヤは

ソファーに座っていた。

「おはよ。兄さん」

「おはよう。飛龍。久しぶり」

「久しぶり。元気?」

「そっちは?こっちは、まだ生活に慣れていないかな。そういえば、深夜から部屋の掃除をしていたらしいね。僕も今から部屋の掃除をして麻雀牌を探そうかな」

「兄さんはゆっくりしてよ。俺が麻雀牌を取ってくるよ」

「いいの?お言葉に甘えよう。ドアを開けて右側にあるよ」

「オッケー」

ヒリューは兄の部屋のドアを開けた。

使っていたパソコン類は引っ越しのときに持っていかれだが、部屋には、大量の麻雀戦術本に歴史本。牌譜が書かれた大量の紙類。部屋の隅に追い込まれた麻雀部で優勝したときのトロフィーや歴代の賞状など。そこは青春を麻雀に打ち込んだ少年の部屋だった。

ヒリューは麻雀牌らしきものを見つけて、部屋を後にする。兄貴の部屋は真面目に麻雀に打ち込んだ熱意が天井や床に染みている気がして落ち着かない。

そそくさと退散して、麻雀牌を兄貴に渡す。

「ありがとう、飛龍」

「今日は俺の部屋でレインと麻雀をするでいいかな?」

「そうだね」

「あ。俺の部屋のテーブルは、かなり小さい丸デーブルだった。無理じゃん」

「あらら」

リビングに立ちすくむ兄弟であった。


2

13時50分頃である。

不二家にインターホンのチャイムが鳴った。

レインが来た!

ヒリューは、やや駆け足で玄関に向かい、深呼吸してドアを開けた。

「あら。ヒリューくん。ごきげよう」 

「なんでヴァルハラが来ているんだ?」

「失礼ね。殴るわよ」

玄関先には上品でクラシカルなワンピースを来た、春原(はるはら) 恵理衣(えりい)が立っていた。

後ろには、レインが付いてきた。

「ヒリュー、ヤッホー!ジュースを沢山、持ってきたよ」

レインの両手はペットボトルのジュースが数本、抱きしめられていた。

「なんでレインは、素手でこんなにペットボトルを持っているんだ?」

「エコバックを忘れちゃった」

「俺が、持つから、寄越して」

「ありがとう」

ヒリューは、ひょいひょいとレインの腕からペットボトルを数本、持つ。

「横から、ごめんだけど、これ。私から、不二さんへ。ご家族にアレルギーある方がいらしたら捨ててね」

エリーは、高級そうな菓子折りを持っている。

「私たちの分は、別にあるから。ケーキって食べられる?」

「お気遣い、ありがとう」

エリーとレインは不二家に上がり、エリーは初対面であるヒリューの家族に丁寧な挨拶をした。

「レインちゃん、久しぶりだね」

「ソーヤ君!久しぶり!」

レインは視界にソーヤに出会ってからは、彼のことしか見ていないようだ。

レインのソーヤに片想いしています感情が場に溢れた。甘すぎる片想いの感情にヒリューとエリーの二人はたじろいた。


ヒリューとエリーはアイコンタクトで会話する。

「負けないでいましょうね、ヒリュー君」

「そうだな。エリー」

ヒリューとエリーは、心の中で円陣を組んだ。



3

ヒリューの部屋に、4人が入り、エリーが持ってきたケーキを食べたり、レインが持ってきたジュースを飲んだりして、談話する。

「コレが、本物の麻雀牌なんだー!思っていたより大きいね!」

「これは、大きな牌の麻雀牌なんだよ」

「これで打ってみたかったけど、ヒリューの部屋のテーブルって、小さ過ぎるよ!」

「うるせー」

「爪が甘いわね」

「うるせー、うるせー」

「僕の部屋からテーブルを持ってこようか?」

スッと、エリーがソーヤを止める。

「せっかく里帰りした宗谷さんに迷惑かけられませんよ。それと、リアルの麻雀をするには、レインに基本ルールを教える時間が必要ですし、それなら慣れているオンラインでゲームをした方が沢山、麻雀ができますでしょう?」

「基本のルールくらい、私もわかるよ!エリー!」

「レインに悲しいことがあるのよ。リアル麻雀のドラは光らない!!」

「ドラが!光らない!??」

「鳴きをするときもボタンで教えてくれない!」

「そんな!」

そんな慌てふためくレインを見て、不二兄弟は、それならオンラインゲームの友人戦にしようということになった。


5

「せっかく、俺の家に来てまでするのがオンラインでの麻雀とはな。しかも、4人とも顔を合わせて」

「コスパ。ダイパの時代には、持ってこいじゃない?牌の片付けとかする時間が無くて楽じゃない」

「スマートフォンでの雀魂は久々に起動したかも。いろいろ、わかりやすくなっているんだね」

「みんな、友人戦に入った?」

それぞれに返事をした。

レインは元気よく掛け声をする。

「それじゃぁ!記念すべき友人戦、スタート!」


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