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感想ありがとうございます!
結構改稿しました。設定の甘いところを補強してます。
どうやって生活してるか謎
・食事シーン追加
・洗濯詳細追加
韓国人設定の双子⇒日本人双子、康太と蒼太へ変更
気にならなければ読み返さずとも大丈夫です。
後から変更多くてすみません。
「はぁ……災難だった」
人と関わっていない六年間で人間とはああも醜悪なものになっていたのかと錯覚してしまうほど、最低な経験だった。
「ぶつかったくらいで骨が折れるわけないだろ!」
高畑は溜まった鬱憤を吐き出す。
倒れたチンピラの演技も堂に入っていて本当に折れているのか心配になってしまったが、折れるわけないのだ。
幸いにもポーション一つで逃れることができ、ボコボコにされずにすんだ。
師匠のように気さくな人も居れば、あんなやばい人もいる。
気をつけようと、決心したその瞬間――
一難去ってまた一難。
高畑の足は、床に置かれていた鈍色の盾を踏み抜いていた。
一瞬でヒビが入って割れている。
「……あ」
「はぁ!?ちょっ……あたしの盾が!?」
盾の持ち主は、ブロンド髪の女性。
服装から見るに、探索者だろう。
隣には剣を持った屈強な男性が二人――
高畑は瞬時に自分が取るべき行動を理解する。
先程のトラウマが高畑を強くした。
高畑はアイテムボックスから似たような盾を取り出し、床に置き捨てる。
「すみません許してください勘弁してくださいごめんなさい申し訳ありません!」
相手の顔も見ずに早口で捲し立てた。
これぞ高畑の最終奥義――謝罪五段活用だ。
そして逃げるように「それ、替わりの盾ー!!」と叫びながら裏通りを走り抜け表通りへ出た。
残された女性は、盾を壊して走り去って行った青年の素早さに呆気にとられ、口を開けたまま固まっている。
「は?盾踏まれて割れたんだが?」
屈強な男性は、座り込んでいる女性を立ったまま上から呆れた目で見つめる。
「お前、それ耐久値もう無かったんじゃねぇーの?逆に探索中に壊れて命の危機にならずに済んだじゃん」
「俺は逆にあの人に感謝したいね」と煙草の煙と共に言葉を吐く。
「だいたいお前がこんな道で座り込んで、盾も床に置いてるから悪ぃーんだよ」
黙り込んでいる女性に、少し言いすぎたかと思い、煙草の火を消しながらどう機嫌を取ろうか考える。
「あーまぁ、替わりの盾貰ったしいいんじゃね?明日鑑定でもしに行くか?鑑定費出すからさ」
「……あたしの盾、昨日メンテから返ってきたばっかりだった」
「はぁ?んなわけねぇだろ。踏んで割れるってどんな盾だよ」
盾なのだから魔物の攻撃を受けるために頑丈に作られているはずだ。
人間が踏んで壊れるのでは、ゴブリンの体当たりですら止められやしない。
これまで黙っていたもう一人の屈強な男性が、ポツリポツリと口を開く。
「……お前ら、あれスミさんじゃね?……なんか似てなかったか?」
「え?」
三人は顔を見合わせる。
「本当?髪の毛長くなかったよ?」
「確かにそうだが、フード被ってたし中に入れてたんだろ」
「スミさんってあんな情けない感じだった〜?」
「ああ、もっと堂々としてたような気がするな」
「そもそもスミさんはダンジョンに居るわよ」
二人に否定された男性は次第に自分の考えが信じられなくなっていく。
「……そうだよな違うか。スミさんはこんなところにいる訳が無いよな」
「クシュン!」
高畑はクシャミをして鼻をすする。
「あれ〜?誰か噂してる?」
それにしても今日はついていない。
もちろん壊した自分が悪いのだが、一応良さげな盾を置いてきたので許して欲しい。
二度あることは三度あると言うが、こういうついてない出来事は二度までにしてくれよと高畑は祈った。
某ショッピングモール新宿店内――
ゴゴゴゴゴォ……
「え?なんの音?」
「地震?」
「ママ~!揺れてる!」
「キャーーー!」
ショッピングモールの地下深く、大地が唸るような音が振動とともに地上へ轟く。
どんどんと沈んでいく建物。
買い物客は為す術もなく地中深くに飲み込まれた。
2024年8月――
土曜日の夕方、賑わったショッピングモールを一瞬で地獄へと変えた大規模災害が発生した。
ショッピングモール新宿店ダンジョン発生時陥落災害である。
地上編のラストは大事件です笑
配信からしばらく離れてますが、またダンジョンに帰ったら配信しますので暫くお付き合い下さいませ!
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