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スヤサキ君って実は…  作者: みえないちから
《第二章 陽太、水着に興奮する》
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《第十九話 今度の休みに三人で例の映画観に行かないか?》

俺は頰を赤くしている日向に聞いてみた。

「日向、何かあったのか?」 

「え!?何でもないわよ!ほっといて!」

「ああ、悪い…」

日向はさらに顔を赤くして、慌てふためいた。それを見ていたスヤサキはゲスな笑いを浮かべていた。

「ムフフ、可愛いな〜サクラコちゃん」

「スヤサキ、日向に何か言ったのか?」

俺はゲスな笑いをするスヤサキに聞いた。

「う〜ん、それは…」

「ヨゾラ!やめない」

日向は語気を強めにスヤサキのセリフを阻んだ。

「わわ!ごめんよサクラコちゃん。言ったりしないから怒らないで」

今度はスヤサキが慌てふためいた。スヤサキは日向をからかって怒らせてしまった。怒ると怖いもんなぁ日向。

ぐぅ〜〜〜〜〜。

気まずい雰囲気になった直後お腹の音が聞こえた。誰のお腹の音だろう?そうスヤサキくんだ。

「エヘヘ。お腹空いちゃた」スヤサキは恥ずかしそうに頭をかいた。こいつの腹時計は正確だ。俺の腕時計は正午ぴったりを指している。


お昼ご飯を食べに俺たちはどこか飲食店を探した。レンタカーがあるということで、駐車場付きのファミリーレストランを見つけて入った。

店内はエアコンが効いていて涼しい。外の暑さから解放されて気持ちがよかった。


俺は店員に案内された席に着くなりドリンクバーを頼んで、ドリンクバーに向かった。

コーラだ!コーラが飲みたい!夏の暑い陽射しの中、大きな荷物を抱えて歩いた俺の体にコーラのご褒美が必要不可欠だ。


「わあ!真神くん。コーラ3つも持ってきたの?」

「ここのコップはやや小さめだったからなぁ。仕方なく。二人の分も取ってくるよ」

俺は3つのコップに入ったコーラをテーブルに置いて再びドリンクバーに向かおうとした。

「あ!待って真神くん。大丈夫だよ。ドリンクバーってなんだか自分でやりたくなっちゃうから自分で行くね」

「アタシも自分で行くわ」

「あ、そうか」

二人は同時に立ち、ドリンクバーに向かった。俺は一人席に残され、一杯目のコーラを一気飲みした。

炭酸が効いたコーラは喉の奥にぶち当たり、汗をかいた体に染みわたる。爽快な気分だ。


二人がドリンクバーから帰って来るまで俺は自分の注文しないで待っていた。

「あ!真神くん。ボクたちが戻って来るまで注文を待っててくれたの?」

「ああ。もちろんだろ?一人で抜け駆けなんてしないさ」

「ん〜!いい子いい子〜」

スヤサキは俺の頭を飼い犬のように撫でた。

「おい!やめろよ」

「律儀なところあるわね」

クスッと笑みを浮かべる日向。

「ん~!いい子いい子〜」

やめろと言ったのになお俺の頭を撫でるスヤサキの手を払い除けた。

「もう!やめろって!…何も大したことじゃないよ。せっかく三人で来たんだから一緒に注文した方がいいと思っただけだ」

「ん~~!!可愛い〜いい子いい子〜」

「やめろっての!」

「ふふ。ごめんごめん」

スヤサキは謝りながら俺の隣に座った。全く悪いと思っていないのではないのか?


「それじゃあボクは何を食べようかな〜?」

スヤサキはメニューを手に取り、テーブルの真ん中で広げた。

ワクワクと子供のように楽しそうだ。

「ん~っとね〜チーズドリアにパスタ、どれも美味しそうだね。サクラコちゃんはどれにする?」

「アタシはカルボナーラにするわ」

「俺も同じものを」

俺もカルボナーラに決めた。

「え?二人とも決めるのが早いよ。ん~どれが良いかな〜」


そこからしばらく考えたスヤサキだったが、ミートソースパスタ、チーズドリア、チョリソー、ホットチキン、ピザを注文した。

チョリソーとホットチキンは俺と日向にもシェアしてくれるそうだ。相変わらずの大食いだが、分け与えてくれる優しいところもある。 

注文を待ってる間にスヤサキが言った。


「ねえ?この後どうする?」

「そうだな…俺は今日買ったものを大学まで送り届けたらレンタカーを返しに行こうと思っている」

「アタシはそのまま大学で降ろして欲しいわ。ナデシコに連絡してヨゾラの水着製作の続きをするつもりよ」

「そうなの…う〜ん…ボクはどうしようかな〜」

スヤサキはテーブルに突っ伏し悩んだ。

「何も予定がないなら、レンタカーを返す前にスヤサキの家に寄って家まで送るよ」

「う〜ん。なんだかまだ遊び足りない気がするかな〜」


しばらくスヤサキが考え込んでいるうちに注文した料理が到着した。

スヤサキは考えるのをやめて食事モードに移ったようだ。


結局、スヤサキは何も思い浮かばなかったようで食後は解散となった。

俺は日向を大学で降ろした後、スヤサキの住んでいるマンションまでレンタカーを走らせ、スヤサキを送った。

スヤサキは家に戻って動画の編集作業を進めるんだそうだ。マンションの入口まで着いたら

「送ってくれてありがとう。真神くん」

「おう。編集作業頑張ってな」

「うん。ありがとう、またね」

手を振るスヤサキに俺も手を振り返した。

さて、レンタカーをお店に返しに行きますかな。


ヨイン!

スマホにヨインの着信が届いた。


[今度の休みに三人で例の映画観に行かないか?]

すぐるからのグループヨインだった。


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