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スヤサキ君って実は…  作者: みえないちから
《第二章 陽太、水着に興奮する》
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《第十二話 …ドスケベ現行犯逮捕…》

「じゃあ、2つ目は決まりね。残り1つを決めましょう。最後の水着ははナイトプールに着る水着よ」

「ナイトプール?ああ、そう言えばそれもあったな」


そうだ。ナイトプールというシチュエーションもあったんだった。正直、ナイトプールのどこが楽しいのかわからない。ライトアップされた空間で写真を撮り、色々な形の浮き輪に乗って、女の子がワイワイキャッキャするだけのとても羨ましい空間。行く相手のいない俺は悔しくて何が楽しいのかまっっっったく!わからないのだ。けっ!


「3つ目は透け感のあるシアー素材を使うわ。ヨゾラには可愛い水着を着て、ナイトプールを楽しんでもらいたいのよ」

「シアー素材?透け感?大丈夫かそれ?」

「大丈夫よ。シアー素材っていうのはこんな感じ」

日向は紙袋から純白の生地を出して見せてきた。俺はその生地を手に取り、肌触りを確認した。


「これは確かに透け感があるな…肌触りも良い…」

「そうなのよ。肌触り良いでしょ?完成形はこんな感じをイメージしてるの」

日向はスケッチブックを開いて1つのページを見せてくれた。

シアー素材を使った純白でフリフリのスカートが可愛い水着だ。これも日向が描いたものだろうか。


「日向はこの水着は着ないのか?」

俺は希望の眼差しを向けて、日向を見た。

「き、着ないわよ!まだ水着はできてないんだから!それにアタシはこんな可愛い水着は着れないわ。アタシには似合わないもの…」

日向は恥ずかしそうにスケッチブックを閉じた。

「そんなことはないんじゃないか?」

「え?あ、ありがとう。でも恥ずかしいから」

「そうか、そりゃ残念だ」

それを聞いた俺はすっかり落胆するのであった。

「…そんなに見たいの?…」

ボソッと何かをつぶやいた日向だったが、俺はうまく聞き取れなかった。


「ん?何か言ったか?」

「う、ううん、なんでもない。それじゃあ3つ目はこのシアー素材の水着にするから。それでいい?」

「ああ、よろしく頼む」

「わかったわ。任せて」

今日はこれで終わりのようだ。スヤサキから預かったスリーサイズのメモを渡すだけだと思っていたから、涼風と竜田姫と久しぶりに出会ったのは驚いた。二人とも日向と一緒で見た目が変わっていて気づかなかった。


「何?人の顔をジッと見つめて」

「あ、悪い悪い。なんでもないよ…」

あの頃の俺はこの美しい顔に気に入らないというだけで暴言を吐いていたのか?

日向の見た目はあの頃とは全然違うけど

日向の顔を見つめていたら、あの頃の自分への怒りと後悔でいたたまれない気持ちになった。


「じゃあ、水着も決まったことだし、今日はこれで終わりか?」

「そ、そうね。終わりね。それじゃあ部屋を出ましょうか」

日向は紙袋を手に持っていた。さっき見せてくれたシアー素材の生地が入っているのだろうか?

「その紙袋、俺が持つよ」

「え?別にいいわよ」

「いや、持つから貸せよ」

「いいわよ。全然重くないんだから」

俺と日向は紙袋をどっちが持つかで取り合いになった。

「いいから、遠慮しないで貸せよ」

「いいってばぁー!あっ!」

2つの力で反対方向に引っ張られた紙袋はビリビリと音を立て2つに破れた。

中身は全部飛び出て散乱した。中に入っていたのは先程のパレオと純白のシアー素材の生地。そして何やら紫色の布がヒラリと俺の頭に乗っかった。

俺がそれを手に取ろうとすると

「なんだ?」

「見ちゃダメ!!!」

日向は俺に体ごと飛び込んできた。頭に乗った紫色の布に気を取られ、日向の全身のタックルを受け止めきれず、俺と日向は床に倒れ込んだ。


「った〜、おい、日向大丈夫か?」

「アタシはアンタの上にいたから大丈夫…それよりアンタの方が心配よ」

「俺も大丈夫だから、それよりこれは…」

「ひぃぃぃ!!返して!」

俺が右手に持っていった紫色の布を取ろうとして、日向は俺の上に乗っかったまま腕を伸ばすものだから胸が俺の顔に押しあたって息苦しい。だが、それでいい!

ガチャ。

そこで部屋の扉が開いた。


「ねぇ〜どの水着で行くか決まった〜」

「…二人とも遅い…」

入ってきたのは、さっきの部室で別作業をしていた涼風と竜田姫だ。

「って〜二人とも何やってるの〜?」

「…サクラコもドスケベ…」

「ち、ちがうわよ!アタシはドスケベじゃないわよ」

「でも〜マカミンの上にキジョーしてるけど〜?」

「…ドスケベ現行犯逮捕…」

「ああ〜んもう!だから違うってば!こいつがアタシの下着を握って離さないからこうなったのよ」

え?なんだって!?俺は自分の手にある紫色の布を広げてマジマジと見てみた。


「あ!本当だ、紫色のショーツ。しかも透け感が凄い」

「やめろ!広げるな!」

バシッと紫色のショーツを俺の手から取り返した日向は、小さく丸めて俺の目に見えないようにした。


「あ〜まさかサクラコ〜今ノーパン〜?」


涼風が衝撃的な発言した。

「ノーパンだと!?」

俺は大きな声を出して言った。

「うるさい!大きな声で言うな!それにノーパンじゃないわよ!」

「じゃあそれは誰のだ?」

「あ、アタシのだけど…ノーパンではないわ」

「どういうことだってばよ!?」

俺は理解できず叫ぶように言った。


「マカミン、サクラコは嘘をついているよ〜さっき見た紫のショーツは今日サクラコが履いていたショーツと一緒だし〜」

「やはり、あれは日向の下着!?」

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